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水色のコラール  作者: 大路まりさ
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第十五話 再び旅路へ

僕が再びたどり着いた場所は、雪山の中であった。

そこでは既に戦闘が始まっていた。

アルトとテナを囲むのは、僕が元の世界で追われた刺客だった。


「水色!?」


空から落ちる形で僕はアルトとテナの前に降りる。


「アルト、テナ、伏せてて!!」


僕は元の世界で知った自分の能力を使った。

氷の矢をイメージして、僕は放つ。

刺客ほ一瞬にして逃げて行った。

僕は着地するとアルトとテナが僕に飛びついた。


「水色ー!!」

「水色君!!」


こちらの世界では、一体どれくらいの時間がたっていたのだろうか?


「二人とも、元気だった!?」

「勿論だ!!」

「水色君こそかわりありませんね!」

「そりゃあね。ね、あれからどれぐらい時間がたった?」


元の世界とこちらの世界は流れが違う。


「3ヶ月たってます。二ヶ月近くは潜伏生活をしてますがね。」

「え?」

「賞金稼ぎがあとをたたねぇんだよ。

シモンの町はシモンがいろいろはからってくれてたから無事。

ラピスの街は街自体が眠っていたから賞金首の俺は相手にされなかった。

そんでまぁ、シモンに言われた通りにピエロの街を目指してたんだけどよ、そこに賞金稼ぎが現れるわ、城からの刺客がくるわで進んでねぇんだ。

取り合えず、今俺たち隠れてる洞窟にいくぞ。」


アルトがそう言ったので、僕とテナはアルトにつかまった。

風を起こすとあっという間にそこは洞窟の中だった。


「それにしても、水色君は大分成長しましたね。」

「絶対音感じゃ戦えないからね。」


テナが言った。

アルトも感心したように頷く。


「また、コラールから声が聞こえたんだ。イメージすれば、なんでもできるって。」

「なるほど。やはり伝説の娘の力を全体的に受け継いだわけですね。」

「どうゆうこと?」

「十二使徒は、娘力を十二分割したものです。

全ての力を少しずつ入った楽譜があってもおかしくはないでしょう」


僕は右腕をみた。

全ての力を少しずつ。

それがこの腕の中にあると思うと、僕は気が引き締まる。

元の世界で追われた時、春日を助けたい一心で力を解き放った。

次に帰ることはきっとない。

十二使徒を集めるまでは。


「水色君、なんだか勇ましくなりましたね?」

「そ、そう?」

「はい。あ、袖が短い服は寒いでしょう。セーターどうぞ。」


言われてから気づいたが、元の世界とこちらとでは季節が間反対だった。


「ありがとう。」


僕はテナからセーターを受け取り、着込む。


「水色も戻ってきたし、そろそろ進むしかねえか。」

「そうですね。」


アルトがそうゆうと、テナはうなずく。

寒さが厳しくなったこの世界では、静かに活動を進めるのなら今がちょうどいい。


「道化師の街に行こう。」

「そうだな。」


僕は提案した。

しかし、まずは山を降りなければ。


雪車そりでいくか。」

「雪車あるの?」

「はい。昨日作ったんですよ。調度良かった。」


アルトが雪車を山の斜面まで出した。


「よし、乗れ!」

「うん。」

「テナ、任せたぞ!」

「承知!」


テナが後ろから雪車を押した。

そして走りながら飛び乗ると、後ろから焔を噴射した。

たちまち雪車はスピードをあげて、山の斜面を降りていった。


雪車で走る最中、アルトが口を開いた。


「水色、お前、なんか守りたい人でもできたのか?」


その質問に、僕はどきりとした。


「え?」

「強くなるってことは、なにかを守るものができたからだ。」


アルトは言った。

しかし、それが言い得てるから僕はうなずく。


「僕の世界に、巻き込みなくない人が出来たんだ」

「なるほどな。」

「僕の憧れの人なんだ。

意志が強くて、まっすぐで素直で。

僕には無いものを持ってるような、綺麗な人。」

「へぇ!それはさぞかし美人だろうな!」

「うん。美人。見た目も中身も美人なんだ。」


僕はなんだか春日を思い出してさらにそれを人に語ってしまった。

それを人に言ったのは初めてだ。


「そうか。」


アルトは僕の頭に手をのせて髪の毛をくしゃりとした。


「強くなれよ。」

「うん。」


僕は頷く。

アルトやテナがいるだけで、僕は強くなれる気がした。


僕たちは風を切る。

山を抜ければそこには町が見えた。


「あれだ!!」


雪車の速度を緩めた。

雪も少なくなり、ここから先は徒歩のほうがいい。


その時だった。


一羽の鳩が、僕たちの前に降りてきた。 

真っ白で、羽は綺麗にととのっている。野生には見えなかった。

しかも、足には手紙がついている。


「シモンからかな?」

「たぶんな。」

「シモンじゃなかったら誰がわざわざこんな距離を飛び回るっポ!!」


鳥が喋りだした。


「えぇぇぇ!?」

「オイラはアシュベリーの鳩だっポ!錬金術で話せるように改造されたんだっポ。

ここの十二使徒様はオイラが案内してやるっポ!」

「マジで!?つか、アシュベリーってことは、ステファンの鳩!?」


僕たち三人は目を見開いて驚く。


「十二使徒であるのニコール様は、シモンの婚約者なんだっポ!

美人だからって変なことしたら、シモンの怒りが爆発っポ!

ちなみに、アシュベリーは何回か死にかけたっポ。」

「マジかよ。」

「シモンもアシュベリーも貴族の出身っポ。ニコールもね。」


鳩は街の中をばたぱたと飛んでいった。

本当にサーカスや旅芸人、劇場などがいっぱいあった。

サーカス小屋も沢山ある。


「こっちこっち!」

「あーっ!うっせーな!」


芸を磨く役者たちが沢山いた。

玉乗りの練習に、ジャグリング。

パントマイムに、猛獣使い。


「ニコール様は、この町で一番のピエロなんだっポ。


そんなふうに、鳩が言った時だった。

目の前には美しい金髪をオールバックにし、左半分を道化師の仮面で覆ったピエロがいたのだった。


仕草も技も素晴らしく、鮮やかであった。

芸が終わると、あたりから沢山のお金がピエロへと投げられて、さらには花束もたくさんあった。


「ニコール様っ!!」


鳩が近づいていくと、鳩を思いっきり抱き締めるピエロがいた。

僕らを見つめる瞳は、鮮やかなマリンブルーであった。


「は、初めまして。」


僕はピエロに近づく。

僕は右手を差し出した。

十二使徒かどうかを確かめるならば、シモンと同じように波長があるかを調べるのが一番いい。

それにさっしたのか、ピエロは迷わずに手を出した。

そして握手を交わす。

案の定、シモンと一緒であった。


「ニコールだよ!水色で合ってる?」

「う、うん!」

「シモンから聞いてるよ!実はあのあと、シモンたちの所で公演があったんだよ。

すれちがちゃってたから、ここで会えてよかった!!双子の二人がアルトとテナだね?」

「俺がアルト。」

「私がテナです。」

「話はうちの屋敷でしよう。ちょっと待ってて、お化粧落としてくるから。」


ニコールはにこりと笑うと、サーカスのテントへと入っていった。


「おい、鳩、お前名前は?」


アルトが聞いた。


「ポポポっポ。」

「は?」

「ポポポっていうの?」


アルトに怒りマークが見えたので、僕がすかさずヘルプをだす。


「そうだっポ。さすが水色!オイラは元々、ニコール様のマジックの鳩だったっポ。

オイラはニコール様とお話できて幸せっポー!!」


ポポポは嬉しそうにそう言った。

ニコールが戻ってくると、ふつうの女の子に戻っていた。

白いワイシャツに、ワインカラーのリボンとワンピース。

白いタイツに編み上げのブーツ。


「じゃあ、行こっか!すぐそこだから!」


ニコールは笑うと、大きな屋敷を指差した。





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