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手を取られた。


強くもない。

無理やりでもない。


ただ、迷いなく。


「えっ、ちょ、どこ…っ」


振り払えたはずなのに。


できなかった。


人気のない会議室。


ドアが閉まった瞬間


ふわ、と包まれる。


強くない。


でも、逃げられない。


「七瀬」


名前。


それだけ。


責めるでもなく、

甘やかすでもなく、

ただ呼ぶだけ。


なのに、


ああ、もうだめだ。


抗えない。


本気なんて、何も伝わってない。


好きも、未来も、約束も。


何もされてない。


キスもしてない。


なのに。


この腕の中が、いちばん安全だと思ってしまう。


最低。


「…鷲尾さん、私のこと好きなんですか?」


自分で聞いて、震えそうになる。


「………好きだよ」


ほら。


間があいた。


即答じゃない。


迷った。


本当は好きじゃないくせに。


雰囲気で言ってるくせに。


……最低。


信じるほうが、もっと最低。


顔、上げる。


ちゃんと笑う。


完璧。


「じゃあ、彼女にしてくれます?」


明るく。


軽く。


いつもの私。


大丈夫、できてる。


傷つく前に、条件を出す。


曖昧なまま抱かれるのは嫌。


遊びは嫌。


好きなら、形にして。


できないなら、今ここで終わり。


ねえ。


どうするの。


私、逃げないよ。


今だけは。




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