(第6章 禁断の恋に溺れて)
竹林を散歩していたら、にわかに曇り、いきなりの豪雨になった。
「走れば、近くにお客様用のコテージがある。そこで雨宿りをしよう」
と促し、ヒトミママの腕を掴んで走った。途中で転びそうになる。
「大丈夫?」と足を止めようとしたら、「私のほうが早かったら、何かご褒美ちょうだいね」と言って、追い抜かれた。
想像以上に、いい走りだった。「ほら、私の勝ち。これでも陸上部だったのよ」と、得意げな顔をしている。
悠一は、メールボックスの裏に隠してある鍵を取り、ドアを開ける。後からついてくるヒトミママは上機嫌で、
「何にしようかな。そうね、渋谷のブールミッシュのケーキか、自由が丘のモンブランもいいわね」
と、スイーツ大好きなママは、独り言に余念がなかった。
髪の毛もぐっしょりと濡れていた。「お風呂に入ろうか?」と聞くと、「うわー、いやらしい」とおどけて見せる。「それじゃあいいです。僕だけ入るから。風ひいても知らないからね」と、濡れたソックスを玄関で脱いでバスタブに一直線。脱いだ服は近くの洗濯機に入れて、洗剤を入れてボタンを押す。全自動なので、3時間もあれば乾燥までしてくれるはずだ。「随分、慣れてるわね」と声がして、思わずタオルで大事な所を隠した。「見たな」と怒ったように言うと爆笑されてしまう。「想像以上、いい体してるんだ」と言われて赤面してお風呂場に入る。シャワーを温めながら、お風呂もセットする。「昔から、友人たちが春になるとタケノコ掘りに来るんだ。すぐ近くの竹林に入ってね。そして、タケノコを大鍋で湯がいている間、皆でお風呂で遊ぶんだ。ほら、土で洋服もぐちゃぐちゃだからね」とバスタブに入って、湯が埋まるのを待っていた。夏なのに、雨のせいで体が冷え切っていた。足しか湯につかっていないが、温まってきた。
すると、いきなり戸が開いてバスタオルで体を隠したヒトミママが入って来た。ビックリして、まだ体を隠せるくらい湯が入っていないのでドタバタしていたら、お湯に入って来た。「寒い、さむい」と言いながら、前は小さなタオルで隠していたが、柔らかい白い肌に、どうやっても触れてしまう。頭まではダメだと思っていても、勝手に体が反応してしまう。それに気づいているくせに「雄君が出るのを待っていたら風邪ひきそうだったんですもの。ごめんね。悪いけど、混浴だったと思ったら、大丈夫よね」と冗談でも言うように軽口をたたくが、顔に緊張の色が出ていた。「それに、ほら私が入ると湯が増えて暖かいでしょう?」と利点を一生懸命言っている様子が可愛いかった。
思わず悠一は彼女の体を引き寄せ唇を重ねた。胸を隠していたタオルがハラりと堕ちた。形の良い胸が露わになったら、もう止められなかった。少しだけ拒んだが、ヒトミママはすぐに腕を絡めて抱き着いてきた。危うくバスタブを持つ手で抱き留めようとして湯に溺れそうになる。「ふふっ」と意地悪そうな顔をして笑ったので、ムキになって抱きしめ攻め立て征服した。そして、優しく髪を撫でた。柑橘系のいい香りがした。泣いていたのか?しかし、口元は笑っていた。悠一の胸に耳を当て「私たち、きっと地獄に落ちるわね」と言う声は生々しくて逆にゾッとした。満足したのか?風呂から出ようとするヒトミの背中から、もう一度抱きしめ胸を愛撫しながら首筋にキスをした。
「まだ子供だと思っていたのに」と喘ぎ声交じりに言いながら吐息と共に、また愛欲の海に埋没してしまう。




