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(第18章 父の告白の意味)



「昨夜、父に腕をつかまれて、不可思議なことを言われたんだけど、ハル爺は何のことかわかる?」

するとハル爺やは、急にしかめっ面して睨みつけて来た。『何か知ってるな』と思い、

真剣な顔で対峙した。

「父は本当は僕の兄だって言ってたけど、どういう意味なんだろう?」

途端にハル爺やの顔が青ざめ、『やばい』と感じたが遅かった。

「いつか話すようにと泰造様から言いつかっておりましたが、今がその良いタイミングかもしれません。今晩、お待ちいたしておりますので、その折にお話ください」と、

誰もいないのに囁くように耳元で言われ、ゾッとした。

ハル爺の顔が怖く、その声が秘密めいていて、聞くのを少し躊躇したくらいだった。

その夜は、永井の祖父から始まる、到底考えられない歪んだ世界の物語だった。

未成年の悠一にはどう解釈して良いか分からなかった。

ただ祖父の純愛に驚くと同時に、父の気持ちを考えると呆然とした。

母の不遇に怒りすら感じた。母の怨霊が父に安穏とした幸せの日々を許さないかのように思えた。

父は次々と美しい女性を連れて来ては別れを繰り返す。結婚しても長くは続いたことがない。

祖父の初盆に、母に似た美しい女性を連れて来た。

喪に伏している時期で披露宴などはせず入籍したようだ。

今までの母とは違い、若く、悠一の年齢にも近かった。

留守がちの父のせいで、若い二人は親密になり恋に墜ちた。繰り返される裏切りに、

父がどうなってしまうのか想像するだけで背筋が凍った。

もう届かない母への恋慕と、壊れてしまった親子の信頼関係。『昔の話だ』と終止符を打ちたくても、

繰り返される愛憎劇。永井家の莫大な財産を継承する者に課せられた悲劇。

愛した女がもたらした複雑な因縁か、呪縛なのか。








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