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(第16章 過去の清算)



悠一は幼い頃から、ずっと孤独だった。

たくさんの人に愛されていたけれど、埋まらない奈落のような空洞が次第に大きくなっていく。今も、そしてこれからも。その原因は、幼い頃に亡くした母の絶対的な愛のせいだろうか。あるいは、父の憎悪に満ちた目のせいだろうか。

無関心と侮蔑という精神的な暴力が、幼い子どもの心を引き裂いていた。

冷たく孤独な日々。ただ抱っこしてほしかった。声をかけてほしかった。遊んでくれなくたっていい。ただ、気にかけてくれるだけでよかった。

父親とは、ああいうものなのだろうか。どこの家でも仕事が忙しくて、話す暇もないものなのだろうか。使用人たちは優しく甘えさせてくれたが、所詮他人。真剣に悠一に寄り添って相談に乗ってくれる者などいなかった。

頭の良かった悠一の質問に答えられる優秀な人もいなかった。たまに来る奥野弁護士が、唯一、兄のように、父のように心配してくれていた。キャッチボールをしてくれたのも奥野先生だけだったが、一年に数日しか来ないため、あまり思い出は残らなかった。

信じられる、頼れる者がいないという不安。愛すらも幻のように感じ、生きていることすら、陽炎のように手にすることができない、うたかたの夢のような気がしていた。





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