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( プロローグ )

日本の出生率は下がる一方で、年々人口は減少している。平均寿命は世界一となり、介護と医療費で国家予算は逼迫している。若者たちは、何人もの老人を支えながら生きていかなければならないのか。未来に夢を持てず、物価高と税金高、それに反して収入は横ばいという経済難の生活。少子化は、国の未来にとって深刻な問題となっている。

しかし、結婚しない若者が増えているだけでなく、結婚しても子供ができない夫婦も多く、人工授精や妊活にも苦労している現実がある。昔は子供が生まれなければ女のせいにされ、子供のできない女性は離縁され、後ろ指をさされたものだった。だが最近は、医療の進歩とともに、男性の精子に問題がある可能性が指摘されるようになってきた。

三十人に二人しか正常な精子がないと言われて久しいが、検査を嫌がる夫も多く、現実を知る術がないまま、子供ができない妻の苦悩は計り知れないものとなっている。環境や化学薬品、電磁波のせいだとも言われているが、本当のところはわからない。

ただ、女性はX染色体しか持たず、男性だけがY染色体を持つ。中国などでは、政権が変わるたびに一家郎党の男性が何十万人も殺されるが、それは男性のYを根絶やしにするためだと言われている。その証拠に、女性のX染色体からは欧州や他民族の遺伝子が認められるものの、Y染色体からは蒙古や漢民族などの遺伝子しか見つからないという。それは、征服された女性に男性が種を植え付けた証拠でもあり、Yの遺伝子を辿れば、世界の歴史すら垣間見ることができる。

しかも、男子に受け継がれるYが歪だったり変異していて、胎児に異常が出そうな場合、男子だったはずの胎児が途中で女子に変わることさえあるという。そういう意味で、日本古来から受け継がれてきたYが少なくなっているのは確実だ。海外から移住する人も多く、正確な数字はわからないが。

このYが、そして正常でない精子のせいで子孫が生まれなくなったらどうなるのか。これから男性の精子が調べられ、自分に子孫ができないと知ったとき、別の悲劇が繰り広げられることだろう。


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