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17、とうとう手術日

 9月18日。朝が来ました。緊張で5時10分に目覚めます。6時に検温して、また寝て7時起床。8時40分に眼科の診察があって、同じ棟のよくわからない部屋に移動します。暗い部屋で、そこに眼科先生が3人いて、一番年嵩の人、T先生、若い人、皆で順に私の目に光を当てて見ていきます。緊張しました……。眼球を見るのに加え、ペンライトの光を見つめて隠して……いつもの斜視の検査です。3人で変わるがわる見るんですね。


 さて、ネットで調べたところ、「全身麻酔は肛門が緩んで大便が出てしまう」というので、早いとこ大便をしておかなきゃ……と思って、それは無事出たのですが。後から看護師が来て、「おむつ持ってきましたか?」と言われました。いやいや聞いてない。荷物チェックシートにも載ってなかったです。「(手術)時間短いから大丈夫なのかなー」と看護師は言いました。それから、私はトイレにも超頻繁に行きました。これも手術中に尿を漏らさないためですね(行き過ぎなくらい行ってました。心配で……)。点滴をつけたまま、ガラガラと台を引きずって。多分抗生剤の点滴だったと思います。

 そんな感じで、あとは12時40分の手術開始時間までダラダラと過ごします。同じ部屋になったおばあちゃんたち(結局新しい部屋にもおばあちゃんはいました)の会話を盗み聞き。「米は今1俵2万5千円だけど、昔は1万4千円で買えた。それでも米というのは安い。昔は白米なんて食べられなかった。麦が入ってて、遠足の時恥ずかしかった」「詐欺電話は巧妙になってきていて、病気で声が出ない息子の代わりに電話した、と言ってくる」という話でした。

 ところがです。ダラダラしていたら、急に空に雲がかかり始めました。暗い雲でした。そしてなんと、激しい雷雨に変わったのです! ゴロゴロ……バリバリバリ……ザーザーザー。うわーやばいな、と思って窓から外を眺めていると。ブツッ。停電!

「えっ?」と思いました。そして看護師の悲鳴。「キャーキャー」と騒いでいます。しばらくして電気は復旧したのですが(T先生の言っていた非常電源というやつだな)、私の元に看護師が来て、「今停電のせいでエレベーターが止まりました。ベッドを運べないので、手術は延期になります」とのこと。「今、若い看護師たちが騒いでるのは、あの子たちはまだS総合病院で停電を経験したことがないからね」と言っていました。「停電は相当なレアケース」ということは理解できました。怖っ!!! なんでこの手術日に限って……。延期は、様子を見ながら時間を変更するということでした。結局14時30分にやっと手術することになりました。それだって、まだ天候は悪いし、緊張は高まります。

 そうは言っても手術するしかないので、点滴をしたまま、看護師二人に連れられ、歩いて別の棟の手術室に行きました。まず、麻酔科の人に挨拶をして、「今日手術するのはどこですか」と確認されます。「両目です」と答えて、今度こそ、手術室に入室。手術室の眼科先生らはお喋りしていて、場違いとも思うし、きっと普段通りリラックスしてるんだろうと安心もして……。T先生が側に来て、「よろしくお願いします」と挨拶され「今から何とか何とか(いまだに覚えてません)後転手術を行います」口にマスクをつけられ、手足は暖かく、なぜかオルゴールのもののけ姫が流れていて、私は次第に意識を失いーー。


 目覚めたのは、エレベーターで運ばれる途中のベッドの中でした。まず、看護師の呼ぶ声だけが頭に入ってきて、「ああ、全身麻酔ってこうやって覚めるんだなぁ」と思いました。2回目とは言え忘れてますからね。目には眼帯をして、病室に帰還しました。

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