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16、入院スタート

 9月17日。母がS総合病院で私を降ろしてくれることになり、黒くてでかいリュックを持って、自宅を出発。S総合病院は朝から混んでいて、駐車場に停めるのは大変なので道端で降ろしてもらいます。

 そして、総合受付に行きました。

 時間は9時45分。まずPCR検査を受けることに。ところが、このPCR検査。べらぼうに痛い。鼻に長い棒を突き刺すのですが、痛すぎて拝んでしまったくらいには痛かったです。白状すると、眼科手術の痛みなんて、この十分の一でした。恐ろしいPCR検査……。次に番号札の数字を呼ばれ、看護師に入院病棟に案内されます。周りが年配の方ばっかりでした。また不安になります。


 10時20分に入院病棟へ。部屋に着きました。お互いのカーテン越しにお喋りするおばあさん二人。それを見た看護師が、「ちょっと騒がしいかもね。部屋を替えましょう」と提案してくれて、正直、盗み聞きしてエッセイのネタにしようかしらと考えていたので、まあ、別にこのままでも……と思っていたのですが、替えてもらいました。

鍵のかかる引き出しの使い方をレクチャーしてもらいます。ここでテレビの使い方と冷蔵庫の使い方も教わったのですが、速いし、特殊だし、理解ができませんでした。しかし、使わないので理解できなくていいや……とわかったふりをしました。

 ここで、看護師の説明で、2泊3日プラス麻酔もあるので、入浴時間がないことが判明しました。「えっ! せっかく用意したのに」と驚いていると、今15分くらいならお風呂場が使えるとのこと。というかシャワーだけですね。ありがたく使わせてもらいました。100均ボディソープが結構使える!

ここでパジャマに着替えて、以降、パジャマで過ごします。


 12時に昼食を食べました。メニューは「ミートソースパスタ(給食うどんみたいなやつをソースに混ぜる)、キャベツ・レタス・ミニトマトのサラダ、オレンジ2切れ」でした。うん……病院食。薄い。おいしくはない。持ってきたウエットティッシュが大活躍。

 18時45分に夕食。メニューは「鶏肉のシチュー煮、昆布煮、梅白菜、栗羊羹」でした。十五夜と書かれたカードが添えてありました。栗もこの秋初です。


 夕方、5時以降に、一度普通の病棟に行って、眼科でT先生の診察を受けるように言われ移動しました。パジャマのまま。いつものS総合病院は、夕方なので閑散として、何だか暗いし、奇妙な心地になります。そこで手術前の診察を受けます。T先生に最後に質問したいことは何か。その1、「手術中にもしも大地震が起きたらどうするのか」。絶対聞くところじゃない、を攻めて行きます。いや、単純に、本当に気になっただけです。T先生は「電気系統は備えがあるので大丈夫です。大切な段階で大地震はもう、仕方ないとしか言いようがない」と言っていました。その2「結局筋肉を切るってどういうこと?」という話です。実は筋肉の束は眼球の付着部で一つになっていて、その一つになった部分を切るんだとか。「今5.5°だから9°まで(この数字は本当だったのかよくわからないです)は何回か手術できる。9°超えると引っ張る力がなくなっちゃうからそれ以上できない」と言っていました。その3「失明することはあるのか」には「絶対ない。ぶっすー!と固い部分をやらない限り」と言っていました。7、8割は治るそうです。で、今度は違う先生が私の目を見て、両目の上のおでこにペンでマークを入れました。このマーク、普通に消えかけてて心配だったのですが、後にまたつけました。何のマーク?と思っていたのですが、多分両目を手術する、という意味だったのではないかと。私は左右の形が違うので、「これには深い訳があるのだろうか……」と考えていました。


 私は安心して、明日の手術へ踏み出すことが……できたのかどうか。不安でいっぱいって訳ではなかったです。入院の記録は手帳にしているのですが、ほぼほぼ感情が書いてないので、ちょっと忘れてしまいました。水分を摂っていいのが明日9月18日の9時までなんて!喉乾かないかな〜と心配だったのは覚えてます。

 職場の先輩や看護師からメッセージが来て、あとはカズオ・イシグロの「忘れられた巨人」を読んで(凄くつまらない……どうしたイシグロ)、安らかに眠ったのでした。まさかあんなことが起きるとも知らずに……。

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