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加藤良介 エッセイ集

一話ガチャって凄くね。

作者: 加藤 良介

 小説家になろうの界隈には、「一話ガチャ」と呼ばれる投稿手法があることは、皆さんもご存じでしょう。

 知らない方にご説明しますと、とりあえず物語の冒頭一話だけを投稿して、反響が無ければそのまま放置して、次の冒頭一話を投稿。人気が出る作品にたどり着くまで、延々と一話だけを作り続ける手法です。

 人気作家、不人気作家問わず幅広く行われているらしい、なろう必勝法の一つです。

 そして、私は常々思っていたのですが、


 (=゜ω゜)ノ これって凄くね。


 だって、最初の設定を全て放棄して、また一から冒頭を作るんですよ。

 同じような話だと駄目だから、前作とはガラッと変えて第一話。

 二本ぐらいなら何とかなるかもしれませんが、これを当たるまで続けるなんて、凄い忍耐力と想像力ですよ。

 ( ゜Д゜)//私にはとてもマネできません。


 だって、一話を書いた段階で、なんとなくでも三話から四話分の展開があるはずなんですよ。

 それを人気が出ないからといって丸々放棄するとは、損切が上手いにもほどがある。

 一話ガチャができる作家さんは、投資家に向いているんじゃないのかな。

 私も小なりとはいえども小説家。

 冒頭を書く難しさは理解しているつもりです。


 なんでもいいからやりたいテーマを考えて、大まかなプロットを構築して、適当に世界観と主人公を設定し、ありふれた導入のストーリーを考える。

 ここまで手を抜いても、結構しんどい。

 そう何個も思いつきませんよ。


 今、孔雀王的な密教系妖魔退治の話を構想していますが、それだって何冊か本を読んで、作品に都合の良い情報を探して、やりたい主人公像を模索しています。

 簡単ではありません。

 今の段階で無理やり文字に起こしたら、絶対にしょうもない作品になる自信が、アリアリのアリニケリ。

 孔雀王のパクリにでもなれば、御の字といったところでしょう。

 ましてや自分の作品にできる気なんぞ、全くしません。


 こう書くと、一話ガチャをしている人たちはそこまで考えていないとのご指摘があるかもしれませんが、私にはそれが逆に凄い。

 何も考えずにどうやって冒頭の一話をかけるのでしょうか。

 ぜひとも教えていただきたい。

 何も考えずにお話が書けるって凄い才能ですよ。

 ( ゜Д゜)//羨ましい。


 私が何も考えずに一話を書いて、仮に大当たりしたとします。

 読者の皆さんからも、続きを望まれるでしょう。

 当然、私も意気揚々と第二話を書くでしょう。

 でもね。多分五話ぐらいで、身動きが取れなくなるでしょうね。

 だって何も考えていないんだもん。

 テーマもなければ、プロットもない、穴だらけの世界観と登場人物たち。その場しのぎのストーリー展開。恐らく五話目あたりで主人公と脇役と交代していることでしょう。

 アレ(。´・ω・)?。そんな作品を書いている気がしないでもない。

 それは置いといて、書いているうちにアイデアが出ることもありますが、私の場合はプロットが無いと無理です。

 なんせ根っからの鳥頭なもんで、確実に前後の脈略が取れなくなってしまいます。

 こうなると筆はピタッと止まります。

 (。´・ω・)。何も思い浮かばない。


 私の作品に「突撃艦コンコルディア」という銀英伝もどきのSF作品がありますが、この作品にはプロットがほぼ存在しません。ふんわりしたイメージがあるだけです。

 そもそもが私がやりたかった艦隊戦闘から、世界観やら主人公を構築した作品です。

 ですので、この作品は現在半年以上更新されていません。

 なぜならストーリーのアイデアが思いつかないからです。

 (=゜ω゜)ノ威張れるこっちゃねぇ。


 なろうで人気のテンプレだけで構築したとしても、厳しいことには変わりなし。

 仮にテーマやプロット、世界観が同一の作品を、少しだけ手直しして、延々と一話ガチャをしているのであれば、その忍耐力と神経の太さに敬服いたします。

 (;´・ω・)。よくやれるな。

 自分に絶対の自信があるんでしょうね。

 これまた凄いことです。


 一話ガチャはなにかと非難の対象になりますが、これはこれで中々難易度の高い作戦だと思います。

 適当に描いた作品でも愛着がわいてしまうのが人情。それでも人気が出なければパっと捨てられる作家は、プロの発想ができる人に思えます。

 素人はなかなか捨てることができません。

 損切が下手くそってことですな。


 こう書くと、また語弊がありますが、私はいい意味で中身のない作品を書ける作家さんは凄い人だと思います。

 どんなに支持されたとしても、私は中身がない作品を書き続ける自信がありません。

 何かしらの中身を入れたくなる。

 と言いますか、中身が無いと続きが書けない。

 中身とは作品の骨格のことです。これに物語という肉付けを行うのです。

 そして、中身とは往々にして作者の自己満足に陥りやすい。

 どうしても思想信条が混じってしまいます。

 私とチャンネルが合う人には心地よいでしょうが、合わないとただの雑音になります。要らぬノイズが走りまくった作品になるでしょう。

 中身がない作品は、このノイズをキャンセルできるのです。


 (;´・ω・)。例えが古い。今日日、TVもラジオもノイズなんて走らねぇよ。

 


 一話ガチャ。難易度高し。

 少なくとも私には無理です。

 実行する能力自体がありません。

 一話ガチャをしている作者様。よろしければコツなどをお教え願えませんでしょうか。



               終わり

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 一話ガチャ、初耳でした。興味深く拝読しました。自分はプロットを練れないので、長編を書ける作者様は皆様凄いなぁと思います。 読者目線で、自分が読もうとした作品が一話ガチャ作品だったら寂しいで…
[気になる点] こう書くと、一話ガチャをしている人たちはそこまで考えていないとのご指摘があるかもしれませんが、私にはそれが逆に凄い。  何も考えずにどうやって冒頭の一話をかけるのでしょうか。  ぜ…
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