5.事情聴取と保護者
「こんな時間に制服を来てる人が歩いてるのはおかしいんだよ…行かないの?」
「少し気持ち悪くなってきたので休もうかと思ったんです」
適当に嘘を着いた。
「学生証見せてくれる?」
「………………せん」
「何?」
「ありません」
「そんな訳無いで…」
そう。入学式も含めて1度も登校してないから学生証も受け取って無いのだ。
「とりあえず親御さんの連絡先を教えてくれるかい?」
「え?」
「辞めておこう」
「は?」
何も言ってないのに提案を取り消した相手に驚いたが安心していた。
高校名だけを伝えた。
「とりあえず学校には連絡しておくよ」
「……………………はい」
親に連絡しなくても学校に連絡すれば間接的に親にも連絡が回る。って思ったんだろうけどそんな事は無い。とりあえず、これは受けておこう他に連絡されても面倒臭い。
「体調悪いのに時間とってごめんね」
「大丈夫ですよ…お仕事なら仕方ありませんから」
俺は警官に背を向けて自宅に歩く。
カシャンと音がなり警官も自転車に乗り始めたみたいだから気を抜いた。
「面倒うだな」
何をするにもやる気が無さ過ぎると自分でも今のままは危険だと心配になってきてしまった。
少し歩いて自宅に着くと家の鍵を開けてベットに転がり求人を確認する。
「……親の承諾必要なのしか無いな」
当然だとしか思えなかった。
「そこの君……少しいいかな?」
話しかけてきた相手を見る。
しっかりと髭が剃られて丸眼鏡をした陰キャスタイルと普段の俺なら呼ぶ男に話し掛けられる。
「何ですか?」
不機嫌さを隠さない俺の態度…どこからどう見ても不良にしか見えない態度だった。
これで俺の人生が大きく変わるとは誰も思わないだろう。