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4.モノクロの世界と八つ当たり

世界がモノクロになってからは何もする気にならずそのまま布団に転がって寝てしまった。


「んぅ…変わらねぇな」


一眠りしたら治るかと希望を持った楽観視していたが無理らしい。


取り敢えず登校してみるかな…


「面倒くせぇー」


起きて制服に初めて袖を通す。

昨日買い溜めした物を取り出す。


「カロリーバー1本今食って昼にもう一本で夜も1本食えば良いか…良しカバンに1個入れて」


1つは袋を開封して口に加える。

誰も居ない家しかし…俺は認めたくなかった…


「行ってきます」


返事の無い事は分かっていても言わないと精神が落ち着かなかったんだろう。

色が見えないが同じ制服を着ている生徒がチラホラそこら辺を歩いている。


私立桃桜(とうおう)学園…俺の家から近く結構評判の良い高校だ。


「懐かしいのかな?…オープンキャンパスの時は煌びやかだったけどモノクロの景色の今はまるで牢獄みたいだ」


帰ろうかな……踵を返そうと後ろに歩こうとする。


「きゃっ!」


目の前にいたツインテの同じ新入生かリボンの色が分からないから不明だが女子とぶつかった様だ。

彼女が悪くないのは理解出来る……しかし、感情を抑えられない。


「邪魔…さっさと立てよ」

「ごっごめんなさい!」


何も知らない女子に八つ当たりしてる自分に反吐が出る。


「くそっ…何がしてぇんだよ俺は」

「え?」

「悪かった…じゃ」


俺は家に向かって歩き出した。


「関係ない奴に当たり散らしてそれでも気分が晴れる訳でもねぇ…」


お昼に食べるつもりだったカロリーバーを開封して口に放り込む。


「精神が不安定過ぎるだろ……うめぇ」


カロリーバーは口の中の水分をこれでもかと奪って行く。


「ちょっと君!少し時間良いかい?」


俺は呼ばれたから振り返った。

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