2.本郷光輝と運命の日
1人の男の子が生まれた。
1つ普通と違う事があった。黒髪なのは両親と同じだった……それがとても嬉しく誇らしくもあった。
しかし…違う事もあった。
「どうして僕の目はこんなにも蒼いんだろう……」
母さんも父さんも黒髪で黒目の人だから俺もそうなるとずっと信じていた。
しかし、生まれてみたら何故か蒼眼で影では母さんが他の人と子供を作ったのではと噂にまでなった事もあった。
「それでも幸せだったんだ……それなのにどうしてだ」
16年間続いた幸せとはこんなに脆い物だった何て知らなかった。
少し前の情報でニュースと同時に電話が来た。
『〇月〇〇日本日の正午に事件が起きました。牛田弦一郎(62)が車の運転中にアクセルとブレーキを踏み間違えての車の衝突事故が発生しました。被害者は前に止まっていた車の所有者夫妻です。重体で搬送されて直ぐに1人が死亡。もう1人は今も意識不明です。っとここで新たな情報が入りました!もう1人も只今死亡が確認されました。運転手は車の事故時点で死亡が確認されていたそうです。』
……そうだ。父さんと母さんはもう居ないんだ。
高校の入学式か……行かなくても良いかな。
電話が来る。
「もしもし?」
『もしもし?こちら〇〇保険の田中と言うの者ですがこの度はお悔やみ申し上げます。本日は貴志様と花凛様の保険金について連絡させて頂きました。』
「そうですか……御二方共に受取人を尊様にしております。もしかすると保険の事を尊様が知らない可能性を考え辛い時でしょうがコチラから連絡させて貰いました。お辛い時期です。しかし、御二方が貴方の為に遺した物を貴方の元に返したいのです。御協力お願いします。必要な書類もあるのでこれから言う書類を集めて下さい。……以上になります。また何か有りましたら御連絡下さい。田中が対応させていただきました。」
2人が俺に遺してくれた物か……視界が歪む。
「何っで…何で母さん達何だよ!他の人が代わりで良いじゃないかっ!」
現実を認める事が出来ない。
母さん達の遺してくれた物を受け取る為に動こう。
書類を集める為に行動を開始したのだった。