母からの
「死んでいる…?あの、死因は何?」
「死因?あんた難しい言葉よく知ってるわね。死因はよく知らないわ。毒殺か暗殺かしら?」
かなりどうでもいいと適当に答えた。
私は戸惑いを隠せない。だって仮にも別れたとはいえ一度は愛しあった仲だよ?どんな別れかたをしたら適当な態度になるんだよ。
「懐かしいわね。あんたの髪と瞳の色は父親と同じよ。父親の血が濃いとは思っていたけど魔力も強いとなるとあんた本格的に隠れて生きた方が良さそうね。」
私の髪はネイビーで毛先になるほど薄くグラデーションになっていた。
瞳は黒色で瞳が濃い程魔力は強いとされていて普段は前髪でかくしていた。
前髪で隠して過ごす事は普段関心を向けない母が言った約束事の一つだった。
「お父さんってどんな人だった?」
純粋な疑問だった。
「さぁ。僕の子を産んでくれって言われたから。産んだのよ。まぁ産んで五年たっても迎えに来なかったら死んでいると思ってくれとは言われたからね。」
母の話を黙って聞いていた。
幾つかの疑問をたまに挟んでわかっている範囲で答えてくれた。
「ま、あんたを置いていくからには最後の責任ってやつを果たさなくちゃね。」
そう母は言って一枚の手紙を出してきた。
「これ、紹介状。あんたこれからここで働きな。」
あ、食いぶちは何とかなりそう。
「まぁ、針仕事もできるし家事もできるからね。貴族の下女としてなら幾つか候補はあるのよ。」
どんな伝を使ったのか知らないが貴族の下女なら目立たずに過ごせそう。
「わかった。私、其処へ行く。」
「うん。いい子。あんたは聞き分けがいい子でよかった。」
これは母からの最初で最後の責任というなの愛だと思いたい。