告白と解錠と
途中だったのに投稿して更に気づかずに今に至る件。
さて、今私の目の前には例の箱が有ります。
触った感じは…ダンボールみたいな感触ね、模様は無くてただの白い箱…。
ますます中身が気になるわ。
「真央ちゃん?それはは何をしているの?」
わわわ!?おばあさま!?
「あなたは時々へんな事をしていますから、少し心配だわ…」
魔法使うとこ見られてた!
「…まだ、私達には言えない事かしら?」
…ううん、ただ知られる事で今の関係が崩れるのが怖いだけ…かな。
「あらあら、そんな事なの?」
「お前が例え鬼だったとしても、今はワシらの孫だ!」
おじいさま…一体いつからそこに居たの…。
「最初から居たじゃろ!?」
ぜんっぜん気付きませんでした。
「あらあら、あまり茂三さんをいじめないで上げてね」
ふふっ…でもそうですね、そろそろ明かしてもいいかもですね。
実は、結構前から記憶は戻っているんです、とゆうより失くしていないんですよ。
「そうじゃったのか…」
言っても信じて貰えそうも無いですからね、その日が来るまで黙っておくつもりでした、私が帰らないといけなくなる日まで。
「…なんじゃ、帰って来れなくなる様な言い草じゃの?」
帰って来れるかは…確かに判りませんね、この世界とは違う世界から来ましたから。
「違う世界じゃと?」
はい、私はその世界で魔王と呼ばれていました、この世界の魔王とは概念とか色々違いますけどね。
私達の世界では、魔力の生成量がランクを決めます、ですからこれまでに色んな種族が魔王を名乗ることが有りました。
しかし、名乗る為には世界に認められる必要があります。
そして、各称号には定員が有って、私の魔王は六名まででした。
私達の世界では、寿命による死は無い代わりに、魔力の枯渇による新生化が有って…
「ちょいちょい、待っとくれ…ワシには理解が追いつかん、つまりは何らかの理由でこっちの世界に来たんじゃな?」
えっと…はい、そうですね。
私は、信じていた友人に騙されて、その世界を支配しようとしていました、そして幼馴染である勇者に敗れて…
「なるほどの」
…幻滅しました?
「騙されとったんじゃろ?幻滅もヘチマも無いわい」
…たまに思いますけど、お爺さまって変に寛容ですよね…ともかく、これが私に言える全てです。
「真央は、今までコッソリと魔法とやらを使ってたんじゃな?」
そうですよ、今だってこの箱を何とかしようと思って…
(多量のエーテルを検知)
…ん?
(付近に生命反応を検知、コンタクトを試みます。)
「なんじゃ⁈箱が喋ったぞ!」
おじいさまおばあさま離れて!
(あ、危害を加えるつもりはないです!)
そんなの、誰が信じると?
(ホントです、信じてください!このままだとマスターの宝物を保管できなくなるのでエーテルを分けて欲しいのです。)
…エーテル?
(はい、ファンタジーではよく魔力とかMPとかのアレです)
ふーん、この世界にも魔力が有るのは知ってたけど、誰も魔法使って無いわよ?
(つい最近マスター…田畑 実博士が見つけて研究していました、新しい野菜の種と一緒に発表する予定でしたが帰省の最中に何者かに襲われました)
「何じゃと?崖崩れじゃないだと?」
(はい、そこで博士は自らを囮に、宝物をワタシに託しました、エーテルでプログラムを再起動するよう設定されていた為に、今まで救難信号すら出せないでいました。)
「そんな…実…」
おばあさま…
(顔照合…田畑茂三さんとみのりさんと確認、宝物の解凍作業及び解錠を始めます)
お義父さまの宝物が入った箱が少しずつ開き始めました。