表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界老人  作者: 初投稿じゃ
3/7

摩訶不思議なこの世界

早くも迷走…いや、まだだ、まだ終わらんよ!

お爺さま、コレは何ですか?


目の前に有る小さな木を見る。


「みかんじゃよ、ほれよくこたつの上に有るじゃろ?そいつの木じゃ」


そしてまだ苗木らしく、これから庭に植えるらしい。


「真央を養子にしてからもう一年になるからな、ちと遅いが記念じゃ」


あの日からもう一年、最初の頃は驚いてばかりだったなぁ〜…

私の世界に無いものばかり。


言葉や映像を遠くまで伝える「通信機器」や火を使わずに炊事が出来、なおかつ氷も無いのに保存出来る「電化製品」

鉄の塊が地面を走って、空まで飛べるし。

雷…電気がソレのほとんどを動かせるって知った時は目から鱗だったわね。

学校と呼ばれる制度があり、今私は小学校に通っている、コレは読み書きを教えるだけでなく、作法や危機管理なども教えてくれる、戦闘訓練は無いみたい。


「こんなもんかの」


お爺さまお疲れ様です!


「さま、はどうしてもやめてくれんのか…」


だって、住まわせてもらうだけじゃなく学校まで行かせてくれますし。


私は二人を「お爺さま」「お婆さま」って呼んでいるの、助けられただけじゃなく色々してくれたから。

最初は「主人さま」とか呼ぼうとしたけど、二人して拒否されたから仕方なくこう呼んでるわ、これでも嫌みたいだけど…


そういえば、お婆さまは台所でしょうか?


「ヌカ床の世話でもしてるんじゃないか?」


ちょっと見てきますね!


「ワシはこのまま畑見てくるからな」


いってらっしゃいませ!


お爺さまを見送り、そのまま台所へ。

お婆さまはヌカ床をかき混ぜている、お婆さまのぬか漬けは私の大好物の一つ…というより、この世界の食べ物は私の世界では考えられないほどに美味しい。

学校制度を使って、調理師の資格を取れば私も作れる…と思う、まだかなり先だけど。

実は、魔力的にはもう帰れるけど、この世界の学校制度を利用して、色々覚えて帰るつもりで居るの、きっと故郷を豊かに出来るから。

因みに、魔法の使用は人気の無いところでしか使わないようにしているわ、この世界には魔法を使える人が居ないからきっと良くない事になる、お婆さまたちを巻き込んでしまうのは嫌だもの。


「おや、真央ちゃんどうしたの?」


お婆さまが私に気づいて話しかけてくれた。


おつかいとか有りませんか?


「あらあら、もうこんな時間に」


献立はもうお決まりですか?


「そうね…今日はシーフードカレーでも作ろうかしら」


シーフードカレー!イカとホタテですね!


「カレーのルーもお願いね」


「本当にカレーが好きねぇ」とお婆さまが優しく笑った。

野菜はお爺さまの畑があるから必要ないとして、私はイカとホタテとルーを買いに行く。

この世界には色々な単位の通貨が出回っているみたい、日本は「円」と呼ばれる通貨や「電子マネー」と呼ばれる形の無い通貨を使う、金貨や銀貨は記念品として存在しているけど、通貨としての役割を終えたみたいね。

形の無い通貨と言うのは不思議でならないわ、どうやってるのだろう?

そんな事を考える内にスーパーに着いたわ。


さあ美味しいカレーの為にタイムセール頑張らなきゃ!


…私は揉みくちゃになりながらイカとホタテを確保、子供の体はこういう時便利よね!

カレーのルーは…どうしよう、届かない…魔法使う訳にはいかないし…


「お?シゲ爺んとこのチビじゃん!何か取りたいのか?」


げっこの声は…ロリコン高校生!


「ちょっ⁈俺ロリコンじゃねーし⁈つかどんだけ嫌われてんのよ…」


声の主はスーパーの有るこの(みたらし町)に住む高校生、つい最近知り合ったから名前はまだ知らないわ、お爺さまを知ってるみたいだけど…


「俺には田舎統たいなかみつるって名前が有るからね?初めて会った時自己紹介したからね?」


そうでしたっけ?出会っていきなり追い回されたのでロリコン太郎さんかと。


「だから俺はロリコンじゃねー!」


…恥ずかしながら、私は一度この町で迷子になり、大騒ぎになった事があります、お爺さまが見つけてくれました。

その時に手伝ってくれたのがこの人です、ええ、照れ隠しです…ホントですよ?


「で、何が取りたいんだ?取ってやるよ」


上の方のカレールーを取ってください。


「ハンスのやつ?ほい、コレ美味いよな」


ありがとうございます。


「それにしても、あの名物爺さんが真央ちゃん引き取ってから一年か〜最初爺さんの後ろから出なかったのに今じゃおつかい出来るんだもんな〜」


あの時はごめんなさい、周り全てが怖かったですから…


「気にすんなって、爺さん家まで送ってやるよ」


お夕飯目当てでですか?


「御名答!」


威張ってどうするんですか…


統さんは、元々離れた町で住んでいたみたい、でも今の高校からは遠いからこの町で一人暮らししている。

お爺さまがそれを気にかけて見かけた時に夕飯に誘ってるの。

因みに私を探してくれたお礼という名目です。


「今日は真央ちゃんも手伝うのか?」


もちろんです!


「お、可愛いJSがエプロン姿でカレー…ロマンを感じる…!」


キモ…お巡りさん呼びますよ?


「ひどっ⁉︎」


色々撤回、やっぱりただの変態ロリコン太郎さんです。

因みに後々老人達が飛ばされる世界では識字率はほぼ無いです、そして名前というものが存在しませんが神様に与えられる称号というものが存在します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ