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異世界老人  作者: 初投稿じゃ
2/7

敗北と出会い

内容をまとめるのが難しい。

他の人はどうやってるのだろう…

敗北と出会い〜魔王視点〜


痛い…寒い…


見知らぬ土地、しかもよりによって冬に飛ばされたようだ。

元いた世界では魔王ともてはやされ、調子に乗って世界を征服まで企み、幼馴染に討たれた。

魔力も尽きて、体も子供に戻り、もはや生命の維持すら出来ない…


魔族は死なないってのは嘘ね…


薄れ行く意識の中で、最後にそれを呟いた…迄は覚えている。

だけど、死ぬ事は無かった…私は見知らぬ天井を見つめていた。


ここは…私は…?

「おぉ!起きたか!おーいミノリ、起きたぞ!」

「シゲゾウさん、落ち着きなさいな」


幸いにも言葉は通じる様だ、私が起きた事を喜んだのか、私の顔を覗き込み、頭に響く程の声で誰かを呼んだ。

シゲゾウというのは彼の名前だろうか、だとするとミノリは仲間…いや伴侶か?ともかく、敵対する気は無さそう。

次に自身の現状確認…

体は…新生化してるけど何とか5才くらいで止まったみたいね、魔力も僅かに残ってる。

赤子に戻るよりはマシだと思うしか無い。


「そうだ、嬢ちゃん名前は何じゃ?何処から来たかわかるか?」


…魔族には明確な名前は存在しない、代わりに称号が名前だ、だから魔王というのが正解だと思う…

でも、流石にこの世界では通じるとは思え無い。

ここは記憶が無いと通すべきだろうか?

そう考えたところでお腹が鳴ってしまった、なんだろ…すごく恥ずかしい。


「あらあら、先にご飯ね」

「ミノリは粥でも作ってやってくれ、ワシは警察呼んでくる、熊が出没したやもしれない。」

「真冬日に熊が出る訳ないでしょう…でもそうね、こんな日に子供が一人で倒れてるなんて異常だものね、こっちいらっしゃいな、お粥ちゃんはもう作ってるわ」


老婆が手招きをする、促されるままについて行くと、美味しそうな匂いがする。

どうぞと出された入れ物には、スープに似た白い料理が入っていた…恐らくコレがオカユなのだろう。

…私は恐る恐る口に運ぶ、オカユはどうやらライスを煮込んだものの様ね、だけどなんだろ…ほんのりと甘い?何か別のモノを混ぜた感じ…ではないみたいだけど…

ふと横に小さな器を置かれた、中にはシワシワな赤い実がいくつか入っている。


「ウチで漬けた梅干し、元気出るわ」


ウメホシと言われた漬け物を言われるままに食べる…物凄く酸っぱい、でも美味しい。

あっという間にオカユとウメホシを平らげてしまった。


「いい食べっぷりじゃな、警察はもう来るってよ」

「この子を預けるの?」

「老人が預かるよりは安全じゃて」


何やら話している、私をケイサツという人に預けるつもりらしく、いつのまにか呼んだそうだ。

何故だろう、その人の元にはあまり行きたくない…そう感じた。


置いて行かないで…


…置いて?何故そんな言葉を言ったのかな。

初対面の人なのに、私にはそんな風に思え無い。

昔の…生まれる前から知っているかの様な不思議な感じ。


「…何か訳ありの様ね、シゲゾウさん、やっぱり…」

「嬢ちゃんが泣いてる理由は分からんが…」


泣いてる?私はが?

頬に手を当ててみると、温かい液体が有った。


置いて…行かないで…おじいちゃん!


いつぶりだろうか、私は泣き崩れ、ミノリはそんな私を何も言わずに、優しく抱きしめてくれた。


「おじいちゃんか…孫が亡くなって以来じゃなぁ…」

「もう十年…ちょうど今頃かしら?」


…二人の会話。

災害で息子夫婦と孫娘を亡くして随分と経っているのね。


「シゲゾウさん、この子を養子にするのはどうかしら?」

「ミノリ⁈何言っとるんじゃ⁈」

「養子ですよ、孫娘として迎えるんです」

「いやいや親が居ないとも限らないじゃろ、それにワシらは生い先短いジジィとババァ、何があるか…」

「親が居たとして、この子は明らかに虐待を受けているわ、あちこちに切り傷とか打撲があるのよ?」


ほれ見なさいとミノリはボロボロになったマントをめくる。

どうやら戦闘の傷とは認識されていない様で、親からの虐待だと解釈したらしい。

シゲゾウはそれを見て、しばらく考え込み…


「わかった、警察にはそう話そう、記憶が無い見たいじゃしよっぽど怖い目に遭ったんだろう…じゃが…」

「向こう二十年くらい心配ないって言われた人が何言ってるの…」

「うぐっ…」

「どうせ農作業以外する事無いんですから、それに…」


こんなに期待した目を見て置いて行けるの?と私を見て言った…そんな顔してるの⁈何か恥ずかしい!

…その後、私はケイサツさんに事情(記憶喪失設定)を話して、ミノリさんが養子縁組を提案した。

シヤクショという場で後日手続きが必要なのだそうだ。


「それでは、こちらにこの子の名前を記入して下さい」


田畑真央、コレが私の名前となった、年齢は5才。

タハタマオと読むらしく、タハタは苗字と言うものだそう。

ここから私の人間としての物語が始まる気がした。

設定とか解釈とか世界観とか、そう言うのも書いとくべき?

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― 新着の感想 ―
[一言] 逆異世界ですね~
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