第7話 富子のオーメン
シナリオ風です。
○ 闇
富子の母(声) 「とみちゃん? とみちゃん?」
富子 (声) 「お お母さん? お母さん?」
次第に明るくなって
麗華 (声) 「トミコ? トミコ?」
○ 介護施設 介護職員詰所
富子 ソファーで寝ている
麗華 立っている
麗華 「トミコ? トミコ?」
トミコ 目を覚まして
トミコ 「おかーさん!」
トミコ 麗華に抱きつく
麗華 「いやいや 私 そんな趣味ないんだけど・・・」
トミコ 「・・・」
麗華 「・・・」
トミコ 「えっ?」
麗華 「あんた 大丈夫?」
トミコ 「えっ?」
麗華 「あんた・・・ 小泉さんのオムツ交換していて 急に倒れたんだよ」
トミコ 「小泉さん・・・」
麗華 「そうそう 考太郎・・・ 何? 覚えてないの?」
トミコ 「考太郎・・・ あっ!」
麗華 「ど どうした?」
トミコ 自分の手を見て
トミコ 「あれ? あれ?」
麗華 「・・・」
トミコ 「馬券は? あれ? あれ? どこいった? あれ? あれ?」
トミコ 自分の身体を触る
麗華 「馬券?」
トミコ 「そうそう あれ? あれ?」
トミコ 自分の身体を触る
麗華 「これ? これ あんた手に握ってたんだけど・・・」
麗華 トミコに紙切れを渡す
トミコ 「ネコカフェ アルテミス 10%OFF・・・いやいやセーラームーンじゃなくっ
て・・・ コウタロー・・・」
麗華 「コウタロー?」
トミコ 「うん・・・ コウタロー・・・ コウタロー1着 18・17・16・・・」
麗華 「18・17・16? 確かに あんたの今日の担当の部屋だけど・・・」
トミコ 「6千6百6十6万6千6百6十6円! 6千6百6十6万6千6百6十6円!」
麗華 「6千6百6十6万6千6百6十6円? あんた そんなに借金あんの!?」
トミコ 「いやいや 借金じゃなくって 当たったの・・・」
麗華 「当たった?」
トミコ 「う うん・・・ 競馬・・・ 日本ダービー・・・」
麗華 「競馬? あんた 頭でも打った?」
トミコ 「あたま?」
トミコ 自分の頭を触る
トミコ 「う 打ってないと思うけど・・・」
麗華 「競馬って 今日 水曜だよ」
トミコ 「水曜・・・ 真中もっこり 水曜日・・・」
麗華 「もっこり?」
トミコ 「あれ・・・ 夢だったの・・・」
麗華 「真中もっこり 水曜日って うけるんだけど!」
麗華 大笑いする
トミコ 「そんなー・・・・ でも どこからが 夢だったの?」
麗華 大笑いしている
トミコ 「麗華さん? ここラブホだよね」
麗華 「ラブホ? いやいや ここベット回らないし やっぱ 病院 行こうか!」
トミコ 辺りを見回す
トミコ 「えっ? えっ? じゃあ 麗華さん 今日 休んだよね」
麗華 「休んだ? 休んでないし! ここにいるじゃん! この辺 脳外科あったかなー
それとも 精神科?」
トミコ 「・・・」
麗華のスマホのアラームが鳴る
麗華 「終わったーーー! あんた 今日 由伸さんの送別会に行く?」
トミコ 「由伸さん?」
麗華 「そうそう ソフトボール部の高橋さん?」
トミコ 「いや・・・ 誘われてないし・・・」
麗華 「そう! じぁあ ちょっと付き合って!」
トミコ 「こ これから?」
麗華 「そうだけど・・・ 何か?」
トミコ 「いや・・・ 別に・・・」
麗華 「私 ちょっと寄るとこあるからさぁー 6時6分に6丁目のなかよし公園で待ってて」
トミコ 「6時6分に6丁目のなかよし公園・・・ 666・・・ オーメン・・・」
○ 道路 夕方
富子 疲れた様子でスマホを見ながら歩いている
富子 「運命が変わったんじゃなかったのー あー もう 信用しない! あー もう見
てやんない!」
富子 ヒョウ柄のおばちゃんとぶつかって スマホを落とす
富子 「あっ! ゴメンナサイ・・・」
おばちゃん「イターーー あんた! どこ見て歩いてるんや! この歩きスマホブス!」
富子 「ブスって・・・」
トミコ スマホを拾って
富子 「あっ! 更新した! なになに さっきのはリハーサルです・・・ これからが
本番です・・・」
数人のランドセルを背負った小学生(男の子)が富子の横を追い越して行く
小学生 振り返り 富子に
小学生 「バーカ!」
小学生達 走って行く
富子 「えーーー また ここからなのー!?」
つづく
また、見てね ト・ミ・コ
シンデレラ・フォロー キャッチコピー
「えっ? 私 ウツですか?」
イジメ 、セクハラ、パワハラ、クレーム、サービス残業・・・
どん底のアニメおたくトミコ
ストレス発散に 競馬、競輪、競艇、パチンコ、ホスト通い
かさむ借金
医者からはうつ病の宣告
薬漬け
「風俗? AV? ムリムリ 私 死ぬの?」
そんな ある深夜
SNSに 一件の無言フォローが・・・
何気に フォロー
と コメントが・・・
「私のブログを読んで下さい 運命が変わります? キモ!」
そこから 始まった 奇跡のシンデレラ ストーリー!
「明日 私は行方不明になります? いやいや 困るんだけど!」
すべてのどん底女子に送る 奇跡のシンデレラ物語!!
今夜 あなたのスマホが カボチャの馬車に変わる!?