第5話 富子の体験入店
シナリオ風です。
○ 富子のアパートの部屋 朝
壁一面にアニメのポスター その何枚かが はがれかかっている
テーブルの上 薬 缶ビールの空き缶 食べかけのスナック菓子 スマホ等が散乱している
目覚まし時計からアニメ声の女の子の声で
時計の声 「いいかげん 早く起きなさいよね! 何で何時も私が起こさないといけないのよ!
いいかげん 早く起きなさいよね! 何で何時も私が起こさないといけないのよ!
いいかげん 早く起きなさいよね! 何で何時も私が起こさないといけないのよ!」
○ 富子のアパートの玄関
勢いよくドアが開いて 富子 飛び出して来る
富子 階段から落ちる
○ 介護施設 介護職員詰所
富子 慌てて入って来る
富子 「おはよう・・・ あいたたたた・・・」
ひとみ 「おはよう・・・・」
富子 驚いて
富子 「お おはようございます・・・」
ひとみ 「早く 着替えて!」
富子 「あっ はい・・・」
○ 介護施設 廊下
富子 ひとみ 歩いている
富子 「あのー 麗華さんは?」
ひとみ 「朝 急に 今日 休むって連絡あったのよ」
富子 「そ そうですか・・・」
ひとみ 「まったく この人がいない時に! まさかまた飲酒運転で捕まったんじゃなわよね」
富子 「・・・」
ひとみ 「富子 4号室の吉澤さん お願い!」
富子 「あっ はい・・・」
○ 道路 夕方
富子 疲れた様子で歩いている
数人のランドセルを背負った小学生(男の子)が富子の横を追い越して行く
小学生 振り返り 富子に
小学生 「バーカ!」
小学生達 走って行く
富子 「こらーーー! もう!」
富子のスマホにラインの着信音が鳴る
富子 スマホを見る
富子 「あっ!」
○ 繁華街の中の公園 夕方
麗華 立っている
富子 走って来る
富子 つまずいて転ぶ
富子 「あいたたた・・・ おまたせ・・・」
麗華 微笑む
富子 足を擦りながら
富子 「何で今日 休んだの? だ 大丈夫?」
麗華 「あんたこそ 大丈夫かよ」
富子 「大丈夫じゃないよ・・・」
麗華 歩き出す
富子 追う
麗華 「あれから 更新した?」
富子 「えっ?」
麗華 「姫ホ・・・」
富子 「それが・・・ あらから ぷっと 止まっちゃったの・・・」
○ 歓楽街の道路 夕方
富子 麗華 歩いている
前方に ラブホテルが見えて来る
麗華 ラブホテルの前で立ち止まり スマホを耳に当てる
麗華 「もしもし エリカです 着きました・・・ 444号室・・・ オッケイです」
麗華 スマホを切り ホテルに入る
麗華 「入って!」
富子 「えっ?」
麗華 「入って!」
富子 「いやいやいや!」
麗華 「ほらっ!」
麗華 乱暴に富子をホテルへ引っ張り込む
富子 「あ~れ~」
○ ラブホテルの事務室
麗華 ドアから顔を出して
麗華 「どおもー」
スキンヘッドの男 振り返り
男 「まいど! エリカちゃん! お客さん お待ちかねやで」
麗華 「ちょっと この子 終わるまで預かってほしいの」
富子 「・・・」
麗華 「ほら!」
麗華 富子を部屋に押し込む
富子 恥ずかしそうに 男を見て
富子 「どーも・・・」
○ ラブホテルの事務室 時間経過
富子 ソファーに座ってスマホを見ている
男 椅子に座って競馬新聞を見ている
男 「あんた 名前 何んちゅうの?」
富子 「ト トミコです・・・」
男 「トミコ? えらい 古臭い名前やなぁー 自分で付けたん?」
富子 「古臭いって・・・ 名前 自分で付けるわけないじゃないですか 親が付けたに決まっ
てるじゃないですか!」
男 「なんや 本名かいな で どんな字 書くの?」
富子 「どんな字って・・・ 富は 梅沢富美男の富です・・・」
男 「梅沢富美男の富?」
富子 「富国強兵の富です!」
男 「あー あの字な!」
富子 ぶつぶつと
富子 「何で 梅沢富美男で判らなくって 富国強兵で判るのよ・・・」
男 「あんた新人さんかぁー 今日は体験入店の研修かぁー?」
富子 「体験入店? いえ・・・私は・・・麗華・・・ いや エリカちゃんの同僚で・・・」
男 「同僚やったら デリは ベテランやな?」
富子 「デリ・・・?」
男 「デリヘル・・・」
富子 「いやいや その同僚じゃなくって・・・介護・・・いや 彼女とはタダの友達で・・」
男 富子の胸を見て
男 「そりゃ そやな その胸ではな!」
富子 自分の胸を見て
富子 「・・・」
○ ラブホテルの事務室 時間経過
富子 ソファーに座ってスマホを見ている
男 椅子に座って イビキをかいて寝ている
富子 「あっ! 更新した・・・ なになに 666号室にお客様がお待ちです・・・いやいや
そんなの行けるわけないじゃん! バーカ! あっ! 早! また 更新した!
勇気を出して 666号室に行って下さい・・・ 私を信じて下さい・・・あなたの運
命が変わります・・・ いやいやいや・・・」
突然 インターホンが鳴り 男 起きて受話器を取る
男 「はい もしもし フロントです・・・ ト トミコさんですか・・・」
男 富子を見て
男 「あっ はい・・・ 来られてますよ・・・ はい 666号室ですね!」
富子 「えっ?」
つづく
また、見てね ト・ミ・コ
シンデレラ・フォロー キャッチコピー
「えっ? 私 ウツですか?」
イジメ 、セクハラ、パワハラ、クレーム、サービス残業・・・
どん底のアニメおたくトミコ
ストレス発散に 競馬、競輪、競艇、パチンコ、ホスト通い
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