第2話 富子の落し物
シナリオ風です。
○ 介護施設 介護職員詰所
富子 疲れた様子で座っている
麗華 ドアから顔をのぞかせて
麗華 「9号室の松岡さんの体温 計った?」
富子 「えっ?」
麗華 「修造・・・ 昨日から 熱っぽかったよね 大門さんから言われてたでしょ!」
富子 「あっ!」
富子 慌てて行こうとする
麗華 「私が 計ってあげた」
麗華 詰所に入ってきて座る
富子 「あ ありがとう・・・ い いくら・・・?」
麗華 「いらない」
富子 「いらない・・・ あ ありがとう・・・」
麗華 「そのかわり・・・」
富子 「そのかわり?」
麗華 「25号室の奈美恵さんの食事介助 お願い」
富子 「25号室の奈美恵さん・・・」
麗華 「あの婆さん 上品過ぎて 私 生理的に合わないの」
富子 笑顔で
富子 「いいよ」
麗華 「あの婆さん 9月16日で退所するみたいだよ よかったー」
富子 「そ そうなんだ・・・」
○ 25号室
ドアが開き 富子 ワゴンを押して入ってくる
富子 「奈美恵さん ご飯だよー」
奈美恵 ベットに寝ている
奈美恵 「ありがとう」
富子 「奈美恵さん ちょっと 起きよっか」
富子 奈美恵を背中を持ち上げる
富子 「どっこいしょっと!」
奈美恵 「どっこいしょって あなた お幾つ?」
富子 微笑んで
富子 「口癖なんです・・・」
富子 スプーンを持って
富子 「奈美恵さん どれから食べよっか?」
奈美恵 「そうねー そのお豆腐から頂こうかしら」
富子 「お豆腐ね 了解 了解」
富子 豆腐をスプーンですくおうとするが なかなかすくえない
奈美恵 心配そうな顔で
奈美恵 「落ち着いて」
富子 「う うん・・・」
富子 何回もやり直す
富子 「どっこいしょ・・・ どっこらせ・・・ よっこいしょ・・・」
富子 豆腐をなかなか すくえない
奈美恵 微笑んで
奈美恵 「不器用だねー」
富子 「う 生まれつきです・・・あー壊れちゃった・・・どっこらせっと 奈美恵さん!
やっとすくえました!」
奈美恵 微笑む
富子 「奈美恵さん はい あーん あっ! 落ちちゃった・・・」
○ 富子のアパートの玄関 激しい雨
富子 雨に濡れて走って来て帰って
富子 「なんで 雨 降るのよー 嘘ばっか アマタツー!」
富子 メールボックスを開ける 中からどさどさっと郵便物やチラシが落ちる
富子 「あー 落ちちゃった・・・」
富子 濡れた郵便物を拾って見る
富子 「あーあ ご利用明細書ばっか・・・」
富子 チラシを見て
富子 「ニコニコファィナンス・・・」
富子 チラシを見ながら階段をのぼって行く
富子 階段を踏み外す
富子 「あっ! 滑っちゃった!」
○ 富子の部屋の前 激しい雨
富子 カバンの中をあさっている
富子 「あれ? あれ? カギが無い・・・ あれ? あれ?」
富子 パンツのポケットに手を突っ込む
富子 「ない・・・ ない・・・ えー どっかに 落しちゃったなかなー」
富子 慌ててカバンをひっくり返す カバンからどどっと物が落ちる
富子 「あー 最悪!」
富子 スマホを見て
富子 「カギの救急車・・・ あっ もしもし あのーアパートのカギ失くしてしまって
はい はい えっ? 1万6千円・・・ お お願いします・・・」
○ 富子の部屋の前 激しい雨 (時間経過)
富子 しゃがんでスマホを見てる
富子 「あっ! また コメント来てる・・・ ミスターゼット・・・ 私のブログを
読んで下さい あなたの運命が変わります・・・ひつっこいなぁー 削除 削徐
うーん 可哀そうだし 最後に見てやるか・・・」
急に雨が止んで太陽の光が射す
富子 「あなたのカギは1階のメールボックスの下に落ちてます・・・ えっ!?」
○ 富子のアパートの玄関
富子 勢いよく階段から降りて来る
富子 後 3段と言う所で踏み外す
富子 滑って落ちる
富子 「あー 落ちちゃった・・・ あいたたたた・・・」
富子 転がっている
富子の目線の先にカギが見える
富子 「あっ! あったー!」
男の声 「おー待たせしましたーあ! カーギの救急車でございまーす!」
富子 見上げて
富子 「えっ? どーも・・・」
男(作業服) 笑顔で立っている
つづく
また見てね! ト・ミ・コ
シンデレラ・フォロー キャッチコピー
「えっ? 私 ウツですか?」
イジメ 、セクハラ、パワハラ、クレーム、サービス残業・・・
どん底のアニメおたくトミコ
ストレス発散に 競馬、競輪、競艇、パチンコ、ホスト通い
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