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ガチレズ教師が吸血鬼になったら。  作者: 猫又二丁目
第3章真竜神との出会い編
8/29

どうしようもないくらいに最強で戸惑ってます。

今まで過去編のシリアス回が続いたので、久しぶりにギャグ系を見て下さいっ!

ーーー「って感じかしら。」

ズゥゥゥン...

物っ凄い重苦しい雰囲気がラヴィと私の間に流れた。

話をして相槌に「凄く可愛い人だったのね...」とか「...両思い...ふーん...。」とか、喜怒哀楽した返事をしながら話をしてた。でも、最後らへんの話になって頭を俯けたまま一言も喋らない。まぁ、バイクとかはこの世界に無いので、盗賊の暴走した馬車って言っといた。馬車が暴走するものなのかは分かんないから信じて貰えないかもしんないけど。

「...ラヴィ?」

「...っ!」

バッとこっちを見た時キラキラしたものが落ちたのを確認した。

「…ラヴィ!?どうした...」

言葉を終える前にガシッと肩を強く掴まれた。

「なんで...!?どうして殺されるの!?」

訴えかけるような真っ直ぐな目に私は見透かされてるような気持ちになってフイッと顔を背けた。

「私が...知るわけないでしょう...あのクソ野郎が..鳴...いや...マリーを殺した理由なんて...。」

知るわけがない。なんであんなに優しい鳴が殺されたかなんて、目の前で一番近くで見た私でさえ分からなかったんだから。神様は残酷だ。あんなに優しい鳴に人生の最大の不幸を負わせたまま殺したんだから。そして...私も残酷だ。『絶対助ける。』そう言ったのに助けられなくて、逆に私を助けて鳴は死んで行った。彼女が私を恨んで殺したいと思っているのだとしたら私を今すぐに殺して欲しい。早く楽になりたい、この罪悪感から抜け出したい、それで彼女が楽になるのなら、鳴がそんなことを思う人じゃないと分かっていても私は彼女の手で殺されたいと今も尚願っているのは

自分を助けたいから...。なんて傲慢で自己中な人間なんだろう。

「...涼香...泣かないで...。」

ラヴィが少し冷えた身体で私の身体を包み込む。いつの間にか涙を流していたようで頬を流れた一筋の涙のあとが窓から吹く柔らかい風によって冷やされる。

「ラヴィ...。」

やはり、ラヴィの体温は鳴とは違って少し冷たい。でも、こんな冷たさが今落ち着くのは彼女を信用しかけている証拠なんだろう...。本当に彼女にはお世話になりっぱなしだ。

コンコンッ!

「...どうぞ?」

ラヴィが疑問を混ぜた返事をする。

「失礼します。ラヴィ様と涼香様ですね。マリー受付人がお呼びです。」

スーツがピシッと決まった獣人の男がガッチガチに固めたような営業スマイルを見せる。

あ...やば。咄嗟にマリーの名前鳴に当てはめちゃったんだった...。

「...え、マリー...?」

ラヴィが驚く。そりゃあそうだわ、マリーのことマリー!って呼んで、友人の友の名前だと言われて意味わかんないわよね。さて、一演技しますか。

「...え?マリー...?」

「どうか...致しましたか?」

「あっ...いえ...友人の名前と同じだったもので...、失礼しました...。」

切なそうに俯く。

「...涼香。」

ラヴィが悲しそうな目でこちらを見る。ごめんね、善意を振り回しちゃってごめんね!?

「その、マリーさんはどこにいますか?よければご案内頂けますか?ご迷惑お掛けして申し訳ありません...。」

俯いた顔を上げ、仕事用の笑顔で質問する。

「とんでもない...!初めからそうするつもりでしたのでお気になさらず。さぁ、こちらです。」

ふるふると首を振ったあと華麗に一礼してから彼はドアを開けて、先に私達を通らせてから静かにドアを閉めた。

...うっわぁぁ紳士!かっこいい!私も...こんな風になりたい!the外国人って感じだった!

長い廊下を歩いて、辿り着いたのは『BREAKROOMS』と書いてある場所だった。日本語で休憩室。

「マリー受付人、ラヴィ様と涼香様をお連れしました。」

ドアの前で獣人さんが言うと、ドアの向こうから入ってください、という声が聞こえてきた。

「失礼します。こちらへどうぞ。」

そう言って獣人の彼は椅子を示して、また華麗に一礼してから颯爽と戻って行った。

「ごめんなさいね...呼んでしまって。」

眉を八の字にして困ったように笑う。

「構わないわ。こちらこそ倒れたのにずっと見てられなくてごめんなさい。」

様子をうかがうようにマリーは私のことをじっくりと観察する。

「構わないわ。本当にご迷惑をお掛けしましたね、ラヴィさんと共に涼香さんにもきちんと謝りたいと思って。」

そうして軽く一礼をした。

「じゃ、そろそろ行かせてもら...」

「待って!」

やっぱりね、目的は謝る事じゃなくて私の霧化の事なのね。

「どうしたの?」

「ラヴィさん、涼香さんと少し話がしたいのだけど...二人だけで...。」

「...分かりました。」

そうして、以外にもスっとラヴィは出ていった。

「...さぁて、マリー...どうしたの?」

分かってるけど分からないふりをする。わざとらしく。

「...あなたって...その...魔法が使えるのよね。」

めんどくさいな。

「...単刀直入に聞くけどあなたは私を殴る時何を見たの?」

マリーはビクリと体を動かした。

「...あなたが...灰のように...パラパラと砕けていってそれから頭がぐにゃぐにゃと回されたような気持ちになってから...それからの記憶は...ないわ。」

やっぱり。どういうことなのかしら、霧化したら相手に悪影響を及ぼすのかしら。

(その答えはねー、正解だよ!)

...アルヴァちゃん!正解って?

(えっとねー、簡単に言うと霧化をすると霧の一部が相手の脳を侵すんだよ。そしたらその相手は頭が回って失神、または吐き気を引き起したりするね。まァ実際は相手が殺意を持ってないと霧化は自然には起こらないから気にしなくて大丈夫だよ。)

え...殺意...!?マリー...私に殺意を...。

「あれは、私の編み出した特別な魔法なの。あなたに危害を与えてしまったことは謝りたいと思うわ。本当にごめんなさい。」

「編み出したぁ!?」

え、なんかおかしいの?いや待って、これ他にバレたらやばいやつ?!え、とりあえず黙ろうか!

「しぃーーーー!」

人差し指を口の前に当て、威圧する。

「ご、ごめんなさい。でも編み出したって!?魔法を!?あの古代ラムデ語を解読出来るっていうの!?」

「ら...ラム...?」

(古代ラムデ語って言うのは昔の言葉でこの世界には1人たりとも解読出来るものはいないぐらいの面倒な字だよ。そのラムデ語を100万個程集めて創ったものが1つの魔法になるの。難しい上級魔法なら100万個では済まされないね。)

ひゃ...!?なにそれやばいじゃん!

(だから今涼香は物凄くやばい事を言ってることになる。貫き通す?それともあやふやにして方法を考える?)

私は頑固だから。

(だろうね。)

「えぇ...。あ、マリー、口外したら…死ぬと思ってね...?」

やっぱり口止めは必要だろう。

「...!分かった...わ...。」

そう言うとマリーはカタカタと体を震わす。

「これだけかしら、そろそろ...」

「え、えぇありがとう...時間を取らしてもらっちゃって。」

「あ、そういえばマリー。」

ビクッとしてからマリーはピシッと背筋を伸ばす。

「なっ...なんでしょうか!?」

...?なんか...ん?変...だよね。

(そりゃあ喋っている相手がラムデ語解読可能なお相手だからねぇ。その事を公にしたら王様にだってなれるよ。)

...だからかぁ。

「そんなにかしこまるのはやめてよ...疲れるから今まで通りが良いわ...。」

すると肩の力が抜けたようではぁぁと息を深く吐いた。

「ごめんなさい...あまりにもビックリしすぎて...。そう言えばどうしたの?」

少し緊張は残っているもののさっきよりは楽になった。

「頬にキスってどういう意味なの?」

「...ふぁ!?/////」

前から気になってたのよね、ほ、ほんとに!?とか言ってたし、何が?って感じだし。

「どういう意味なの?」

「...んん...っ!その...ね、プロポーズの意味で、私と付き合って、とか結婚して...とか...いわゆる告白...で、その...。」

そんな意味があったのか!!だからあんなに照れてたんだ!なるほど、なるほど!

「なるほどねー!ごめんなさい...わけを知らなくて!軽々しくしていい事じゃなかったのね。」

「...私は!嬉しかった...けど...っ!」

どんどんマリーは真っ赤になっていく。

「...可愛い...キス...しても...」

ごきききききききっ!!

「...涼香...♡」

「ごふっ...げほっ...」

びちゃびちゃっと真っ赤な液体が私の口から出てくる。

(ねぇ...殺すって...いったよね...?なんで?僕以外とキス?ん?どういう意味でしょうか?あっれぇ?涼香ぁまた死んでもさ、僕が君を神様の1人にしてあげるよ。そしていっぱいいっぱい僕と二人だけで!愛し合おうよォ...?ね?)

い...たい...痛い痛い痛い!!!アルヴァちゃんごめんなさいぃぃぃ!!冗談です!やめてやめてやめて!アルヴァちゃんしか愛してませんからぁぁぁぁ!!

(...ん?そう?ならいんだけど。さっきのは聞き間違いとして保留にしてあげるよ。)

「涼香!?大丈夫!?ドクター!」

急いでマリーの口を塞ぐ、あ、もちろん手よ?口でとかそんな命を天秤にかけるようなことさすがに出来ないわよ!?

「...だ、大丈夫!いつもの事なの!いけるいける楽勝!」

「で、でも!」

塞いでいた手を離して、泣きそうな顔をする。

「ほら、こんなの回復魔法でちょちょいのちょいだし!」

回復魔法、体を治して。

そう心の中で想像すると体が淡い緑に光だし、みるみると血が消えていく。

「...え?」

「...ほら、大丈夫だったでしょ?」

ニッコリ笑う。

「...無演唱...。」

嘘だろぉ...魔法って言葉発さないといけないのぉ?もうここまできたけど出来ること全てがおかしいみたいです。

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