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ガチレズ教師が吸血鬼になったら。  作者: 猫又二丁目
第2章 涼香の過去編
7/29

愛してる

遅くなっちゃってすみません!夏休みやから結構投稿出来るかなぁとか思ってたらクラブがガンガン入ってきて、あまり投稿出来ませんでした!

今回の話を書くのは正直めっちゃ照れました。なんか、最後らへんとか読者様もひぁぁ/////っとか痛い...とか思わないでほしいです!(´;ω;`)

ポエム?(なんて言うんやろ)注意です!

6時間目前の休み時間


「涼香〜今日の放課後に前言ってたカフェ行かない?美味しそうなパンケーキがあるんだっ!」

鳴が弾んだ声で教室にいる私に話しかけてきた。

「そう言えばそんなことも言ってた気がしたようなしてないような...。」

「言ったわあほぉ!」

スパーンッ!

鳴が結構な力で私の頭を叩く。

「い゛!!」

痛い...思ったより当たりどころが悪かった...。

痛みで震えていると鳴が心配になってきたのか、

「ご、ごめん...やりすぎた...。」

と言って私の頭を優しく撫でた。鳴の体温は平均体温より高くて、私に触れる度にじんわりと私の低い体温を侵略する。それが気持ち良くて、いつも私は鳴に触りたいと思っていた。

「痛かった...だから...もっと撫でて?」

鳴の腕を掴み、鳴の手に頬ずりをする。

でも今は...恋人だから、好きに触っていいんだ。

そう思うと自然と笑ってしまった。

「...あ...うん...。」

鳴は顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。

「放課後、そのカフェ行こっか。楽しみだね。」

「...うん!」

凄く幸せで、暖かくて、フワフワした日常が終わるまで...あと3時間...。

その時の私はまだ分かっていなかった。


放課後


「よぉし、涼香!カフェに行こぉ!」

「おー!」

校門を出た後、みんなにバレないように鳴と恋人繋ぎをした。やっぱりじんわりと暖かくて心の底からほっとする。

「...えへへ...。」

顔を赤くして鳴は可愛いにやけ顔で笑う。

「...ねぇ鳴、そのカフェって何駅だっけ?」

「...え、あぁ、〇〇駅だよ。」

「私達の家の駅より前だね。」

「うん!ほら、行こっ!」

駅に着くと、鳴が楽しそうに私の手を引いて走った。まるで私達が主役の映画の中にいるように気持ちが高鳴り、見る景色が色鮮やかにキラキラしていた。

「電車来たよ、鳴。」

「うん。初デートだねっ!」

「...うん。」

初デート、凄く嬉しい...。ドキドキする...。

「くすっ...緊張したの?」

鳴がイタズラっぽく笑う。

「っ...!もううるさいっ!緊張するに決まってんじゃん!」

今私は絶対顔が真っ赤になってると思う。凄く暑い。

ボーッとしているとグイッと腕を引っ張られ、電車に乗った。

ガタン...ゴトン...

「あ〜楽しみだね〜。」

「うん。」

「ねぇ、涼香。私達のことはさ、誰にも話さないの?」

「え...。私は...どうしても話したい人がいるなら...言ってもいいと思う...。鳴がどうしてもっていう人なら私信じれるから。」

「...えへへ...うん...。涼香も誰かに話したくなったら言ってもいいんだよ?私も...信じれるよ。」

可愛い。鳴のサラサラな髪の毛が電車の中の暖房の風で乱れる。

鳴の前髪を手で解き、整える。

「...可愛い。」

つい、本音を出してしまった。ボソッとだから聞こえなかったかな?

「...へ?」

鳴の顔がどんどん真っ赤になっていく。

〇〇駅〜次は〇〇駅です〜...

鼻声に聞こえるような特殊な声で私達の行先の駅に着く。

「...ほ、ほら降りよ?」

「へ...あ...うん。」

恋人繋ぎで手を引く。

「...どっちに行けばいい?」

「あ、まだまっすぐだよ。」

「そっか。」

「...。」

「...。」

長い間沈黙が続き、いつの間にかカフェに着いていた。

「いらっしゃいませ〜。何名様でしょうか?」

「あ、2人...です。」

「お席に案内します。」

スタスタと歩く店員さんの後を着いていく。席に案内された後、私達は向かいに座った。

「ごゆっくりどうぞ〜。」

メニューを置いて、店員さんは軽い足取りで歩いていく。

「...涼香...どうする?」

「パンケーキ...2人で食べよっか。私甘い物ってここまでいっぱい食べれないし...。」

ここまで、そう言って見たところはメニューの中に書いてある【どっさりパンケーキフルーツのせ。】だ。6段に重なるパンケーキに色々なフルーツが一口大に切られてゴロゴロと乗せられて、その上から多分ベリーソースとかそんな感じの赤いソースがかけられたやつ。美味しそう。だけどこれは一人では食べられないわ。

「...だね。ドリンクはどーする?」

「んー、私はアイスコーヒー。」

「うわぁ、苦そう...。私はねぇアップルジュースがいいな。」

「これだけでいい?」

「うん。」

机の縁に置いてある注文ボタンを押した。

「ご注文お決まりですか?」

「あ、このどっさりパンケーキフルーツのせ下さい。」

「どっさりパンケーキフルーツのせですね。ドリンクはどうしますか?」

「アイスコーヒーとアップルジュースで。」

「かしこまりました。ご注文を繰り返します。どっさりパンケーキフルーツのせ。ドリンクはアイスコーヒーとアップルジュースでよろしいですか?」

「はい。」

「かしこまりました。少々お待ち下さい。」

ペコッと軽く頭を下げたあと、店員さんは店の奥に入っていった。

「ごめんね...注文頼んでもらっちゃって。」

「んーん。全然気にしないで。」

「...好き。」

...ん!?ん〜!?...か、可愛い...。やばい頭爆発しそう...。暑い...やばい...。

「私も...好きだよ。誰よりも...愛してる。」

「...へ!?あ...うぅ...私も...。」

机の上の鳴の手に私の手を重ねる。鳴はパッと俯いた頭を上げ、私を見る。

そして2人で顔を見合わせて笑った。

幸せ過ぎて死にそう。

「...え...と。ご注文の品をお持ちしました...。」

恥ずかしそうに目をそらし、注文した物を机の上に置いていく。

「あ...。」

「ひっ...。」

ゴンッ

ほぼ一緒に鳴と私は机に伏せた。その時二人とも頭を打ったのはたまたまだと思う。

「...美味しそうだね。」

「...そうだね。え、えと、じゃあせーの。」

「「...いただきます。」」

鳴が上手にパンケーキを切り取り、取り皿に置いてくれる。

「あ、ありがとう。」

「食べよ?」

キラキラって感じのパンケーキを一口大に切って口に運ぶ。

「「...んまぁーい!!」」

「美味しいよ涼香!」

「うん!これなら無限に食べられるよ!」

パクパクと口に運んでいると、パンケーキはすぐになくなった。

「美味しかったね〜。」

「うん〜美味しすぎた...!」

「そろそろ出よっか。」

「うん。」

「外寒いね〜。」

「うん。」

「あ、涼香!ここ寄って行こっ!」

「いいね!ペアルックでもしてみる〜?」

「...いいかも。」

照れたように手を口元に近付ける。多分、他の人がしたらぶりっ子とか言われるんだろうけど、鳴がすると、日常的な素振りに見える。とりま可愛い。

「...ん、これとかど〜?」

「ふぁ、可愛い...。」

「...服が...だよね?」

「...どっちも。てか涼香の方が可愛い...。」

「...。」

「...。」

「い、行こっか。」

「う、うん。」

大きな交差点で信号を待つ。


絶望するまであと...30秒


信号が青色に変わりゾロゾロと人が歩道を通る。

視覚障害者用に作られた音響装置付き信号機の音が鳴る。

「ひゃっ!」

鳴が何も無いところでつまづく。

「鳴っ!大丈夫?」

「...ど、どうしよう...立てない...。」

今いる所は歩道のど真ん中。正直やばい。

立てるように背中から抱きかかえようとする。今でも歩道を通る人達は見て見ぬふりばかりだ。

「大丈夫...絶対...助けるからっ...。」


...あと5秒


「涼...っ!?」

お腹に強い衝撃を受ける。どんどんと遠ざかる鳴の姿。視界の端には猛スピードで走ってくるバイク。安心したような鳴の顔が脳裏に焼き付いて離れなかった。その後は一瞬だった。急ブレーキを踏んだのか、道路でタイヤがすられた音に骨がきしんだ音。無残に宙を舞う鳴。

あっと言う間に私達の幸せは終わった。

「...な...る...?」

鳴に押され、信号の手前で尻もちをつきながら情けない声で鳴を呼んだ。

ふざけた事に、救急車が到着し、鳴が運ばれた時でも、私はそこから動けなかった。

鳴の死を間近で見た私は救急隊員に抱えられ救急車に乗せられた。

その後はあまり覚えてない。警察とその後から鳴の母さんが走って駆けつけた。そして警察に事情聴取された。どんな事があったのか...と。

その時私がなんと答えたのか覚えてない。

記憶があるのは次の日からだ。鳴の母さんと病院に行った。そして病院についてから鳴の母さんに聞いたのは、鳴を轢いた人は信号無視、120キロという速さで、スピード違反、全て、鳴を轢いた人が悪くなったそう。

...そして、120キロもでたバイクに鳴は直撃し、3メートルも飛んでいき、背中から落ちたそうで、鳴は即死だった。

鳴の亡骸なきがらはあまりにも無残だったために、見れなかった。

やはり、あの時立てなかったのは鳴の病気だった。私を押したあと、鳴は心底安心したような顔で微かに笑った。ありえない。自分の身を守るのが普通だと思う。人間は貪欲でなければいけないと思う。こんな事なら鳴より早くバイクに気づいて鳴を押せば良かった。こんな事なら放課後にデートなんてしなければよかった。

「ごめんなさいっごめんなさいっごめんなさいっ...。」

鳴の母さんに土下座をして、声が枯れるまで泣き叫びながら謝ったことを覚えてる。私の母が病院に来て、土下座する私を止めて力強く抱き抱えられた事を覚えてる。元々母子家庭で、母は仕事が忙しく、会話したりこんなふうに抱き抱えられたことはなかった。母の体温は普通より暖かくて鳴の事を連想させた。泣き叫ぶ私を母は黙って抱き抱えてくれていた。

立ち直るには長い時が必要だったけど、私の母と鳴の母さん、私の妹がサポートしてくれてやっと現実を見ることが出来た。友達も心配したり、一緒に泣いてくれて、周りの人にとても感謝した。

あれほどの災難は生きている中ではもうないと思った。今では鳴に言いたいことは山ほどあるけど、これだけ言っておこうと思う。

ただただ愛してました、と。

これからも猫又をよろしくお願いします!

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