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ガチレズ教師が吸血鬼になったら。  作者: 猫又二丁目
第4章 クエスト~ヴァルバナの宝花の採取~編
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言葉の意味

ぁっぼぼぼぼぼーちゃんっっ...。


こちらは自分で放った伏線の回収が追いつかず、伏線に溺れるぼーちゃんでございます。


あの声が杏梨さんだったとしたら、今回の犯人は杏梨さんということなんだろうか。なら、彼女は今でも私のことを恨んでいるのかしら。

あの人はそんな人じゃないわよ。あの声が杏梨さんだったとしても犯人はあの人じゃない。

大丈夫、あの母の友人なんだ。優しい心の持ち主で、臆病で、愛が深いあの人は違う。


彼女はこっち側だ。



「...か...」

「...ぇ...!」



「涼香!!」

「おねぇ!!!」


「っっ...ぇ...?」


パチリと目を開けるとミシューと優香が私の顔を覗き込んでいた。


「話しかけても泣きながらぼーっとするばかりで、反応せんかったんじゃぞ!!どうしたんじゃ!この小娘がお前を責めたから!!やはり殺しておくべきじゃった...」


「ごめ...ごめんなさ...おねぇ...あんな事言うつもりじゃなかったの...ごめんなさい...」


ミシューは爪を立てるわ、優香はボロボロ泣くわでびっくりした。思い出すことが多すぎて脳のキャパがいっぱいいっぱいになってたのかしら。


「大丈夫よ、私も悪かったわ。ねぇ優香、杏梨さんって覚えてる?赤ちゃんの時だったから覚えてないかしら...。」


私の頬に流れる涙を拭って優香に話しかける。


「杏梨...?覚えてないよ...。」


「ふふ、そうね。彼女は私達の味方よ。きっと。それだけは信じてあげて。」


「よく...分からないけど...。とりあえずおねぇはもう大丈夫...?ごめんなさい、もう辛くない?」


座る私の膝に手を置いて、あまりにも心配そうに尋ねる

ものだから、つい笑ってしまった。


「えぇ。仲直り、指切りしましょう。」


「うん...仲直り。」



さて、優香ももう大丈夫だし、ミシューが気まずそうにしているし、とりあえず腹ごしらえでもしましょうか。






~ご飯中~


「...で、犯人探しはどうするつもりじゃ?」


お肉をむしゃむしゃと食べながらの、ミシューの言葉にうーん、と頭を悩ます。


正直、あの記憶が戻ったとはいえ現状の犯人探しに進歩はあまり無いのよね。気がかりな声の正体がわかったってだけで。


「だってあなたが巻き込んだんだから。」


ポツリと口に出してみる。

うーん、正体が分かってもこの言葉の内容と指してる人物がよくわからない。


「ぇ?おねぇなにか怒ってる...?」


「...わしのせい...?」


2人が怪訝な顔でそう言った。


「あっ違うわよ、ごめんなさい、あまり気にしないで。」


普通に考えたら、あなたは私で、巻き込まれた人物はラヴィ。


「...うーん、ますます分からないわね。」


一人で頭を抱えながら食事をする。


「何を一人で悩んでるのさ?」


「うむうむ、わしらも共に悩ませろ。」


「...ん、ごめんなさい。あまり深くは考えないで欲しいのだけど、あなたが巻き込んだんだからってどういう意味だと思う?」


なにか新しいひらめきがあるかもしれないと、2人に聞いてみた。


「それは誰に対して?」


優香がパンを噛み締めながら質問してくる。


「私...なのかな、」


「涼香が誰かを巻き込んだんじゃないのかの。」


すました顔でそう言い放つミシュー。

んーーーそうよねぇ。


「それは、どんな人に言われたの?」


また優香の質問が飛んでくる。


「...私を...恨んで...うーん。私を...」


なんと言えばいいのか。難しい。


「恨まれてるならバカの言う通りなのかもね。でも違うんでしょ?嫌な人じゃないんでしょ?」


子供を諭すみたいに微笑んで私に話す優香。

う...なんか恥ずかしい。


「えぇ...。変な話だけど、私を恨んでいるのよ、とても。でも、それと同じくらいに私を愛してくれてる。そんな人。凄く...優しくて、不器用な人ね...。」


「うーん。そうだなぁ。それだったらそんな無責任な言葉かけないよねぇ。」


「そうなのよねぇ...。」


むーっと姉妹2人で考え込んでいると、肉をゴクリと飲み込んだミシューが口を開いた。


「自分への言い聞かせ。」


「「え?」」


「わしは今はやらんが、昔はよく悩んだ。だから、自分を他人と見なして客観的に言葉をかけたんじゃ。責める言葉をな。」


「...言い聞かせ...。」


「例えば、自分のせいで誰か仲間を殺してしまった時がある。大切な親友が死んだ時も。わしをお前として見るんじゃよ。だから、お前があいつらを殺したんだ、なんて呟いた時があった。ふふん、あの頃は若かったのぉ。」


「それかもしれないわ。」


そうね、それだったら分かるかもしれない。いや、もしかしたら普通に私がラヴィを巻き込んだって責めているのかもしれない。でも、あの人の性格だったらミシューが言ったことも充分有り得る。


「わし、涼香の役に立てたかの...?」


ミシューは家事がろくに出来ないようで、ラヴィの看病をする時はいつも見るだけしか出来なかった、その事に気後れしていたのか、おどおどと私を見てくる。


「えぇ、超役に立ってるわよ。それは今だけじゃなくていつも、ね。」


あぁ、この子はなんて可愛いの。


「むふふ、そうかそうかっ!」


「...あー抱きてぇ。」


「えっ...。」


「おねぇ...?今なんて?」


色々溢れすぎて言葉まで溢れてしまったみたい。

おゃゃ...妹の顔こゎゎ...。


「だっ...抱き枕、欲しいなぁって!ほら、寝にくいから、うふふ。」


我ながら苦しい言い訳ね...。あーまた優香に雷魔法かまされるかなぁ。


「そっか、じゃあ今日は一緒に寝ようね。」


「へ?」


「夜は長いからの...。」


「は?何あんたまで一緒に寝ようとしてんのよ。」


あーまた乱闘始まった。ご飯くらいゆっくり食べさせて欲しいわ。



「...言い聞かせ...ねぇ。」


2人の喧嘩を横目に杏梨さんの言葉について考える。


「なら犯人は杏梨さんの顔見知り...」



「涼香!!どっちとねるんじゃ!!」


「私だよね!!おねぇ!!」


「んー、ご馳走様でした。ふぅ、」


「「どっち!!!」」




「どっちもよ、早く来なさい。」


...とりあえず、杏梨さんの正体を知らないとねぇ。


本当に毎度毎度投稿が遅れてしまって申し訳ないです。なんか、ブックマークしてくれてる人凄い...多いし...凄いし...えっ...んふふうれぴ...。


これからもリアルガチマイペース頻度で投稿していくので、出来れば気長に待って下さると嬉しいです。ほんとにごめんなさい。読んでくれてありがとうございます。

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