おかえりなさい
ごめんなさい。
前書き早々にこの言葉はどうなんや。って思う方もいらっしゃると思います...。
いや、自分でも分かってるんですよ...『なんで2ヶ月間も投稿せんかったん?』って...。
理由は...特に無かった、です。次話を待ってくれていた方々からしたら「は?ぶっ〇すぞ。」って感じだと思うですけど、ただただ気が乗らなかったんです...。ごめんなさい。
他にも理由がないといえば嘘になるのですが、それは後々活動報告に書かせていただきます。大変長らくお待たせしました。前書きも長くて申し訳ありません。では、どうぞ。
「アルヴァちゃ...」
久しぶりにギューってしたい...アルヴァちゃんのモフモフの金髪フワフワしたい...。
「さぁてと...」
アルヴァちゃんはそう言うと、くるりと二人分の死体に向かった。
「...ふぅ。そーですね。私とのイチャイチャは後回しですね。感動の再会は後回しですもんね。はいはい。」
「えー、どうしたの。そんなに不貞腐れちゃってぇっ!」
ぷにぷにと私の頬を人差し指でつつく。
「...で、アルヴァちゃんは来てくれたけど、この子達の身体綺麗にできる?出来ればこの汚物取り除いてあげたいんだけれど。」
アルヴァちゃんの指をどけてから、私は彼女達の腹にかかった雪で固まったあとの液体を指さした。
「うぇ...臭そう...まぁ、僕の魔法を見てれば分かるよ。」
自信満々に私の方を見て、パチン、と指を...指を...
カシュッ...シュッ...ギュ...
「...っぅ、じょ、じょーか!!」
アルヴァちゃんは真っ赤になりながらそう叫んだ。
...無理なら初めからそう言ってればよかったのに。
「こぅらぁ!今失礼なこと考えてたでしょ!?」
そんな必死に怒らなくても...涙目にならなくても...。
「...んっ!」
急に眩しい光が視覚を刺激し、反射的に目をつむった。
「ほら、綺麗になったでしょっ!」
いつの間にか光は消えていて、アルヴァちゃんが腰に手を当てて、鼻を伸ばしていた。
「...初めから言葉で言ってたらかっこよかったけどね。」
「...っ...ぅぅ。」
泣くなし。
にしても、本当に綺麗になっていた。謎の液体Sさんも、血液も、全て綺麗に取り除かれていた。腹は開かれたままだったが、あとから縫ってあげればいいだけだ。
「...ほんとに、ありがとう。この子達私に血を分けてくれた子達なのよ。ほんとに良かった。...ごめんなさい。そして、ありがとう。」
そう言ってから、手を合わす。
ありがとう、ありがとう。届くように。どうか天界へいけますように。
「...血、飲んだの。」
暗い声で、アルヴァちゃんが呟く。
「...えぇ。喉乾いて死にそうだったから。」
「そっか」
プイ、と拗ねたようにそっぽを向く。
「なによ。拗ねてるの?」
「...べっつにぃ。」
「...なによ。誰かさんは私を放ってどこかに行ってたくせに。そのせいで私も飲みたい血飲めなかったのに。」
ふんっ!と、大きく息を吐くとアルヴァちゃんはそっと私の袖を掴んできた。
「...だってさ...僕にだって天使の仕事があるんだもん。暇じゃないんだよね。」
「なによそれ。私が暇だって言いたいの?」
何よその言い方っ。
「違うよ...怒んないでよ...。」
しゅん、と眉を下げて泣きそうな顔をするアルヴァという名の子犬...可哀想...でも可愛い...。
「...結局、何が言いたいの。」
「.....ぅ、ごめんなさい。僕だって...涼香に早く触りたかった...。今のは...言い訳だよ。でも、だってさぁ...僕が悪かったとしても僕以外の血は飲んで欲しくないの...!...僕だって寂しかった...涼香がいないとチューも出来ないし...好きだし...涼香のこと好きすぎるし。なんか好きが爆発しそう...。」
...なんだろ、なんか、
「アルヴァちゃん、今日めっちゃ甘えてくるわね。」
どうしたのってぐらいデッレデレだ。
「...へ?」
「ふふ...可愛い。」
スリンと頬を撫でると、アルヴァちゃんの顔はみるみる赤く染まっていった。
「どうしたのよ。」
「...違う...なんで...無意識?...待って。マジ無理。」
...現代のJK語出てますよアルヴァちゃん。
「だからどうしたのよ。」
「ぼ...僕凄い恥ずかしいこと言ってた...ごめん...。」
未だに赤くなり続ける顔を見ながらアルヴァちゃんの腰に手をまわす。
「はぁ...可愛い...もうっ好き!」
「え...。んっ!...ふ...ぁぁん...。」
ぬるぬると舌を絡めながら細目でアルヴァちゃんの顔を見る。まだ顔は赤いみたい。
「ふ...ぁ。ふふ、好きが溢れちゃって爆発しちゃった。」
「っ...馬鹿にしないでよ...。」
あ、耳真っ赤だ。可愛い。
「ちゅっ...」
耳に軽くキスをする。
「ふぁぁ...。」
「可愛い。好き。」
もう一度キスをしようと私の顔をアルヴァちゃんに寄せたところで、
「だめっ!はっ...早く戻らないとあのメス共に怪しまれるよ!」
ぷにっと両手で私の両頬を抑えられた。
「くひわりゅひわね。(口悪いわね)」
アルヴァちゃんの両手を私から離してから、ちゅっと頬にキスをした。
「ちょ...まぁこれくらいならいっか...。」
「じゃ、戻るわね。」
「...うん。」
もおおおおなんでそんなに悲しい顔するのよ!自分で言ったくせにずるいわ!
「アルヴァちゃん。...前みたいに姿が見えなくても話せる?ちゃんと返事してくれる?」
ココ最近心の中でアルヴァちゃんに話しても全然返事が返ってこなくてめちゃくちゃ寂しかったし虚しかった。
「...ごめんね。今日からまた話せるよ。涼香、大好きだよ。」
そう言ってアルヴァちゃんは私に向けて天使の笑顔を向けた。
...ほんとずるい。少しだけなら仕返ししてもいいよね。
「...鳴、私も大好きよ。」
そう言ってアルヴァちゃんにむけて微笑む。
「ふふっ...バカップルみたいだね。」
クスクスと口に手を当てて笑い出す。
...バカはあんただけよ。何簡単にひっかかってんのよ。あんたは鳴じゃなくてアルヴァでしょう。
「...ばかね。」
「涼香...?怒って...る?どうしたの?僕なんかしたかな。」
「別に。ただアルヴァちゃんの詰めの甘さにイラッとしただけ。じゃあね。」
私は冷たい声でそう残して踵を返した。
後でアルヴァちゃんが何かを叫んでいたけれど、寒さで耳がぼーっとしてよく聞こえなかった。
まっさらな積雪がザクザクと私の足跡だけを残した。アルヴァちゃんの足跡は残さずに。まるでこの世界がアルヴァちゃんの生を拒むように。
「...どこまで抉れば済むのかしら。」
ザクッ...ザクッ...
私の前から雪を踏む足音が聞こえた。咄嗟に顔を上げると見慣れた顔が2つ。
「ど...どこ行ってたのよばかっ!起きたらいなくなってて...もう血の気が引いたわよ!ばかぁぁぁ...。」
「ホントじゃよ!!寝ていたらラヴィが涼香がおらんって言い出すから心臓が止まったぞ!」
ラヴィは安心してか大泣きするわ、真神竜様はアワアワとどこか痛いとこはとか大丈夫かとか心配の声を漏らしているわ、なかなかにカオスな状況になった。
「ご...ごめんなさい...。」
まさかここまで心配されているとは思わず戸惑ってしまった。
「「ほんとだよ(じゃよ)ばかぁぁっ!!」」
ビリビリと怒号が空気を揺らした。
こんなに心配してくれるのね...怖い気持ち半分嬉しい気持ち半分のよく分からない感じだわ。
「...ありがとう...?あと本当にごめんなさい。」
「...分かればよろしい...。」
グズっと鼻水をすすってから私に抱きついた。
「わっ...あらあらぁ...ラヴィぎゅーしてくれるの?」
「ん...ぎゅー...。」
鼻声でそう言ってから、スリンと私の胸に頬をすりつけた。
「...かっわ...ぃ...。」
あ...可愛すぎて鼻血でそう。
「ずるい...わしもぎゅーしたい...。わしだけ...いつも...。」
ついには真神竜様までもプルプルと震えて目に涙をため出した。
ァァァァギャップゥゥゥ...かわ...かわぁぁ...。
「ほら、はやくきてよ。真神竜様。」
「...!」
パァァァァァッっと涙目にキラキラした笑顔を向けられた。
...こいつらどんだけ可愛いの死にそう。
「ごめんね...二人とも大好きよ。」
両手で2人の頭をゆっくりと撫でる。二人とも私より背が低いから、頭が撫でやすい。背、高くてよかった。
こっそりと展開しておいた障壁の中で暖まりながら、意味もなく、障壁の外のひどく寒い空を見上げた。
当たり前だが、まだ雪は止まなかった。空には太陽がサンサンと光を当て、とても美しかったがその様子は見慣れた光景のはずなのだが、妙に気味が悪かった。
次回も遅れてしまうかもしれませんが、私は楽しく小説を書くと共に見て下さる方のことも考えたいと思っています。できるだけ早く投稿できるように頑張ります。久しぶりに書きましたが、小説を書くのは楽しいですね。