木曜日か・・・・
「なんでアンタ学校に来たのよ!」
達也が教室に入るなり、いきなり飛んできた言葉はそれだった。
「散々、昨日私が警告してあげたのに!・・・・・・・」
達也は自分の耳元で喚いている美波をほおっておき、自分の席に座る。
「もう、知らないんだから!」
しばらく無視をしているとそう言って自分の席に戻る美波。
はぁ~やっと行ったか。
達也は授業が終わるとさっそく帰宅する。
最近の達也は土曜日の編入試験のために授業が終わるとそそくさと帰り自宅で勉強をしている。
しかし、今日はいつもと違った。
「待てたぜ。遠藤」
曲がり角を曲がったら井上翔太が行き先にいた。
翔太の横にはいつもの取り巻き2人と見知らぬガラの悪そうな奴が10人いた。
「ちょっと、面貸せや」
翔太はこれから起きることが楽しみで仕方なく自然と笑ってしまう。
面倒なことになりそうだな、ここは逃げるか・・・・
「おっと、逃げようとしても無駄だぜ」
達也の後ろにも10人の不良共がいて達也を逃がさないように挟み撃ちをする。
「木曜日か・・・・」
達也は小さく呟いた。
「なんだ、ビビッて声も出せねえか?」
「わかった。着いて行くよ」
達也は翔太の言うことに従うことにした。
「はは、こっちだ」
達也は翔太達に連れられ廃工場まで行かされる。
達也は廃工場に入るとさらに不良共が30人くらいいた。
「はは、お前のためにわざわざ呼んできたんだぜ。感謝しろよ~」
翔太は笑いながら達也に言う。
達也を囲むように60人近くの不良共は動く。
しかも、それぞれ手に鉄パイプや金属バットやメリケンサックなどを付けている。
さらにそれぞれ懐にナイフを所持していた。
「じゃあ、死ねや!」
翔太の一言で不良共が襲ってくる。
60人いても一気に襲ってくるわけではない。
そんなに一気にきても邪魔で動けなくなるのが当たり前などで実際は5人くらいで襲うしかない。
1番初めに達也を襲ってきた奴は正面から鉄パイプを振りかぶる。
達也はそれを逃がさず顔面に最短距離で右ストレートを食らわす。
そして、そいつの顔面を掴んで後ろから金属バットで殴ろうと振りかぶっている奴の盾にする
「くっ!」
そいつはたまらず金属バットを止めた。その瞬間に俺はそいつに掴んでいる奴を投げた。
そうこうしている背後からメリケンサックを付けている奴が殴りかかってくる。
少し体をずらすことで躱して足を掛ける。その結果、3人はぶつかり合った。
カランコロン
手に持っていた鉄パイプが転がる。
達也は次に襲ってくるやつの金属バットを躱すと同時に落ちている鉄パイプを蹴る。
その鉄パイプは一直線に先ほど倒れた連中のところに飛んでいき3人に当たり転がって行く。
まずは三人・・・・
今度は左右から同時に金属バットと鉄パイプ達也をが襲ってくる。さらに後ろから時間差で金属バットが来る。
「おら!」
達也は両方躱した。空振りして地面を思いっきり叩いた奴は手がしぶれての鉄パイプと金属バットを思わず離してしまう。
達也はそれを地面に落ちる前に空中で掴み時間差で攻撃してくるやつにそれぞれ投げる。
「「ぎぇ」」
ヘンな声が聞こえたが今はそれどころではない。
武器を奪った奴の胸倉を左右の手でそれぞれ持ち襲ってくる奴の盾にする。
「ガン!」
今後は最初とは違い、盾としての本当の役目を果たす。
思いっ切り頭から血が流れているがそんなことを気にする達也ではない。
そのまま、見方を殴ってしまった動揺した奴の顎にアッパーと裏拳を噛まし、また手から離れた金属バットを地面に落ちる前に空中で鉄パイプをキャッチ&リリースする。もちろんここでのリリースとは相手に投げつけることを意味する。
今度は左右から鉄パイプで両足を狙ってきた。
達也はそれをジャンプすることで躱す。そのまま、相手の肩に着地する。その生き良いで相手は肩を骨折したかもしれないが気にはしない。
そして達也は肩に沿っている奴が沈む前に、隣にいる小柄の奴の頭をサッカーボールのように生き良い良く蹴り飛ばす。
達也は崩れる2人の方から少しジャンプして崩れた2人の顔面に着地する。
このときにはさすがに余裕を持っていた不良共もパニック状態になっていた。
開始、数十秒で60人中の10人がやられたのだ。
焦りから来た者が大振りで振った鉄パイプや金属バットを達也は避けるだけで後ろにいた仲間がやられる。
そして、殴った奴も動揺した瞬間に達也に攻撃され撃沈され、持っていた得物を奪われ別の奴に向かって投げてまた1人やられる。
また、達也をまねて自分が持っている得物を投げる奴もいたが躱されて他のメンバ―に当たるか掴まれて投げ返されたり、持っている得物で弾き返され他のメンバーに当たって撃沈する。
そうこうしているうちに60人いた連中も半分を切っり23人。
また、やばいと思い、逃げ出そうとする者もいたがあいにくここの鍵は達也が入ると同時に井上翔太が鍵をかけていたので鍵を持っている井上翔太が開けないと出られない。
達也はそういう奴を率先してキャッチした金属バットや鉄パイプまたはナイフをリリースした。
得物は奪われるだけだと思った連中が囲んで殴りかかるが効果がなく簡単に撃沈される。
「なんだよ、なんなんだよお前」
翔太は恐怖から叫ぶ。
60人近くいた仲間たちも今は10人もいない。
そして、また1人、また1人と倒れていく。
「くっそたれー!」
後方にいる5人の不良共がそれぞれナイフを達也に向かって投げる。
しかし、達也はそれを指と指の間でキャッチして投げてきた本人にお返しばかりに投げ返す。
「「「「ギャアー」」」」
それぞれ太ももに深々と刺さる。
「残るはお前達だけになったな」
翔太達三人以外全員が倒れている。
「ふざけんじゃね!!こんなことあってたまるか!」
翔太はがむしゃらに持っているナイフを振るが達也に肘のあたりを掴まれ止められる。
そしてすかさず腹に蹴りを入れる。
「グフ」
腰が曲がった隙に持っているナイフを奪い、取り巻きの1人の投げる。ナイフは取り巻きの太ももに深々と刺さる。
「ギャアー!!!!!!」
達也はすぐにそいつのそばに行き刺さっているナイフを抜き横にいるもう1人の取り巻きのアキレツケンの筋を切る。
「ギャアー」
「さあ、お前だけになったな」
達也は井上に言う。
井上は達也に腹を蹴られ、地面から顔を上げた時にはもう自分1人しかたっていなかった。
周りからは泣け叫ぶ声や怒りの声や痛みで気が狂ったような声が工場の中を包んでいた。
「おっと、その前に」
達也は持っていたナイフを井上に投げつける。
「ギャアー」
もちろん狙うのは足だ。
「よしこれで下準備が終わったな」
井上には達也が何を言っているか分からなかった。
立っている奴なんて1人もいない。
「なぜ、足を狙ったと思う?」
達也は問う。
井上は周りを見て驚愕した。
立てる奴がいないのだ。正確には移動が出来る奴がいない。
驚愕している井上を無視して達也は答える。
「時間切れ、答えは逃がさないためだよ」
それから廃工場では長い間、叫び声が響いた。
下手くそな戦闘表現ですいません・・・・