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魔汁キンミャー焼酎を異世界で  作者: 水野しん
第七章 ミスリルの約束
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81話

「東洋系っていないのかぁ…この顔を皆はどう思ってるの?」


 ランドウさんに聞いたら東洋系の人間は見た事がないそうだ。


「私はカッコイイと思ってます」

とは、ナターシャ。

 モジクネしながら言うので艶っぽい。


「サラはもう慣れました」

 日本で働いてたしね。


「平たい顔」

 ケイティは言う。


「魔族?かと、最初は思いましたね」

 リリィってば、僕はそんなダークな感じですのん?


 朝ご飯の時に話す内容でもないかとは思ったんだけど、この間帰った時に持ってきていた鏡を出して、覗き込んでいた。


「ケンジさん、何ですかそれ」


「ケイティも持ってるんじゃないの?鏡だよ」


「えっ!鏡ですか!高級品ですよ!」


「そうなの?はい、どうぞ」

 四角くて開くと立てて置けるタイプの鏡を渡す。


「うわっ……ナニコレ……これって私?」

 言うやいなや固まってしまった。


「どうしたの?」他の皆も鏡を覗く。

 そして、次々と固まっていく。


「ラム?」


「フフフ、この世界の鏡って、金属を磨いた物しかないから、曇ってて当たり前なのよね。しかも高いし」


「スゴーイ!鼻の中も見えるぅ」「わわっ、ほっぺに変な毛がはえてるっ」「私ってこんな目の色なのね」


「こ、これ!欲しいですっ!」

 珍しくケイティが声を荒らげる。


「いいよ」


「やったー!」


「ほら、まだあるし」

 皆に配った。

 チコリもさり気なくもらいに来たけど、太陽光を反射させて遊び始めている。


「ラムさぁ、もしかして化粧品も流行るんじゃないの?」

 はっきり見える鏡があれば綺麗になりたい欲求も出そうだよね。その辺はタッチしていないけど、収入はあればあるだけ助かる訳だし。


「こっそり持ってきてるけど、シャンプーくらいであの騒ぎだからどうしようかと思ってて。ここの皆に試してみようかな。そうね、ナターシャなんかそのままでも凛々しくて綺麗だけど…」

 早速メイクしだした。ナターシャはビクッとしてから固まったまま動かなくなった。


「ぉお!」

 反射させて遊んでいたチコリが、ナターシャを覗き込んで声を上げた。


「どうなった?」


「凄い…自分でやったのに…これは凄いわ…ほら、皆に顔を見せてあげて」


 ゆっくりとこちらに振り向くナターシャ。


「「「「!」」」」


「ナターシャ、女神様みたいだニャ……」


「いわゆるすっぴんメイクってやつなんどけど、元がいいからだよねぇ、ははは…」


 結局、チコリやフクまでメイクをしてもらって、おめかしして散歩に行くことになった。

 すれ違う人達が二度見するする。


 気分が高揚してきた面々は、悪ふざけで王様に会いに行くことにした。

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