表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔汁キンミャー焼酎を異世界で  作者: 水野しん
第七章 ミスリルの約束
80/230

80話

 一緒に寝たものの、起きたら私はベッドの端に、マーズくんは真ん中で大の字になって寝ていました。相変わらず尻尾だけ変身がとけていて、時々ビクビク動いています。


 ケンジさんのベッドには誰か入ってきたりするのかな。

 朝からそんな事を考えていると、尻尾がペチンと向けていた背中に当たりました。


「痛っ」

 もう、少し早いけど起きちゃおう。


「あら、早く起きて大丈夫なの?」


「お母さんおはよう…私寝不足だから今日はお酒の仕込みは早目に終わらせていい?」


「えっ、何かあったの?」

 お母さん、何か驚いてる。


「うん、マーズくん子供なのに太いから痛くて…」

 さっき明るい所で確認したら少し赤くなってた。


「お、お父さーん!大変よー!」




 朝からお母さんもお父さんもそわそわしちゃって、ケンジさんとマーズくんのどっちがいいのか、ドラゴンでも問題ないのか、とか。ケンジさんがいいに決まってます。

 そう言えばルナさんとザシャさんは新婚旅行へ行きました。アンバーに移動して準備するって言ってたな。


「新婚旅行かぁ…」


「新婚旅行なんてのは金持ちの商人か貴族がするもんだ」


「そうなんだ、お父さん達は結婚したらどうしてたの?」


「二、三日は仕事を休んでゆっくりしたけどな」

「その時にアイリスができたのよ」


「そ、そうなんだ…」

 たとえ親でも、目の前でイチャイチャされたら、見ている方が恥ずかしくて嫌なものだってのを知りました。私もケンジさんに会うとこうなっちゃうけど、周りはこんな気持ちになっていたのかな…ちょっと恥ずかしい。






 突発の魔法少女祭りは滞りなく終わり、外の後片付けをやっていた。

 食べた後の串がかなり捨てられていて、拾うのにとにかく時間がかかる。回収して再利用する訳じゃないけど、串入れの導入した方が良さそうだな。


「ゴミを地面に捨てるのが普通なの、どうにかしたいねぇ。フクの国もこんななのかい?」


「んー?猫人族は物が落ちているとつい拾っちゃうニャ。気付くと両手に沢山のゴミを持っていたりするニャ。癖なのかニャ」


「ははは、それは収集癖かな。沢山の猫人族が拾ってる姿を想像するとニヤニヤしちゃうね」


「そうニャの?」


 そういや猫人族にエルフ族、ドワーフ族は会えたけど、東洋系の人種ってこっちじゃ見かけないなぁ。ランドウさんは色んな所を旅してるみたいだったし、アンバーを立つ前に聞いてみるかな。


「さてと、片付いたし今日は帰りましょうか」

 店内も既に掃除や洗い物は終わっていた。


「ん!」


「オルカさん迎えに来ないねぇ…え?今夜はお泊りするの?」


「んふぅ」


「あー、サラと一緒に寝るのね。今後の活動を話し合いたいのか…色々考えてるねぇ」


 チラッとサラを見たら、ちくわとささみが肩に乗っていた。フクも特にとられた感はないようだな。寂しいのは僕だけか。小さなもふもふよ…しばしさらば。




 うちの女子達に流行っているのが石鹸やらシャンプーやら、風呂で使う物などだ。ラムが持ち込んでマイヤーズさんが売っている物は前から使っていたけど、これらは耕ちゃんの持ち込んだ物なのだ。

 いわゆる銭湯セット。

 カエルの描かれた黄色い桶に垢すりタオル。これが流行っているのだ。カエルの絵が彼女達の心をグッと掴み、その上で垢すりの感覚が新鮮なのだと。一皮も二皮もむけた彼女達の色白な事。ちなみにこの世界にはヘチマはないみたいだった。


「みんな、どんどん綺麗になってくねぇ」

 何気に呟いただけで長風呂になりそうな気配だったので、こすり過ぎるとせっかくの肌が痛む事も教えましたとさ。

 僕は烏の行水です。




「そろそろ店の工事も終わりそうよ。キャパは四倍になりそう。なので、とりあえずは一人辺りの持ち場が広がります。よろしくお願いするわね」


 ラムからの報告で四倍になると聞き、そうなるとメニューも増やしていかないと駄目だし、料理人もナターシャだけでは間に合わなくなってしまう。耕ちゃんはあくまで僕達の先生なのだ。


「料理人を増やさないと駄目だな。ナターシャは今まで通りに焼き場担当。後はフライヤー担当とその他の料理担当に盛り付け担当で三人は欲しい。後、サラが週末はイベントもやる事になるから、ホールも三人くらい欲しいな」


「ホールはすぐにでも探せそうだけど、料理人は難しいわね。リリィ、どう?料理人のギルド登録者数って」


「そうねぇ、この店で働けるレベルの料理人となると…殆どいないわね」


 マジですか…それは困った。

「困ったねぇ…」


「店に貼り紙して、後は色んな所で声をかけていきましょう。口コミで探せるかもしれないしね」


「まぁ、ラムの言う通りだな。後は王様にも話しておくか」


 店を広げるのも大変なのだった。ああ、猫の手も借りたいとはこの事か。

 この時、窓際に野良猫がいたのには誰も気付かなかったのです。

仕事が激務で更新できませんでした。

ごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ