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魔汁キンミャー焼酎を異世界で  作者: 水野しん
第七章 ミスリルの約束
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76話

「それじゃあ、この指輪は…」


 ランドウが言うには、亡国の王家に伝わる一品で、オリハルコンの指輪にミスリルの指輪が七つでセットになっているのだと言う。王と七人の王妃ってのは今でも有名な物語てして伝えられていて、子供でも知っているらしい。

 それを造ったのがハイエルフの男で、宝飾品を造らせたら全てが神器になると言われている伝説の男らしい。しかし、長い事表舞台から遠ざかり、今は覚えている人すら珍しくなった、と。典型的な伝説系の人だな。


「でも、露天商の男がその人だったのかは分かりませんよ」


「いや、徹底的に指輪の行方を追ったのだ。最近の魔法は便利だぞ」


「とにかく、ここにはオリハルコンの指輪一つにミスリルの指輪は六つしかないですよ」


「ふふ、実はな、そのもう一つはここにあるのだ」

 右手を出すと、そこにはミスリルの指輪がはめられていた。

「左手にするとオリハルコンの指輪をはめる者と添い遂げると伝えられているのだ。まぁ、好意がなければはめようと思ってもはめられないらしい……ほら、は…められたな、ん、取れん」


「ちょっと!やめてくださいよ」


「ポッ」


「何赤くなってんですかっ!ランドウさん!からかってるんでしょ!?」


「いや、ケンジ殿は好みのタイプだぞ」


「…ラム、様子を見に来ただけだったの思い出したから帰るわ…うん、僕帰るから」


 ドワーフのおっさんに好かれても日々生きる糧にはならんからなぁ。

 でもまぁ、この指輪の由来が知れたのは良かったか。七人も奥さんを持てるのかぁ…いや!六人だ、六人!持ったとしても六人だからな。




「ご主人様〜、お帰りなさいですニャ」


「はい、耕ちゃんからお土産のおでん。お腹いっぱいだろうから明日に温めて食べるか?」


「はんぺんは食べられるニャ」

『『『ニャ』』』


「別腹なのか。なら皿に取り分けるよ。お、ちくわぶもある、僕も食べよう」


 二人と二匹でおでんを食べて、お風呂に入って寝るだけになる。テレビのない世界の夜は早めに寝るのが普通なのだ。

 この日はフクと二人で風呂に入って、皆の帰りを待たずにいつの間にか寝てしまった…。






「苦し……ん…」

 まぶたを開けるとまだ暗い。見ると胸の上にちくわとささみが乗って寝ている。少し重くなったか、二匹を脇に移動して撫でる。

 ついでにフクも撫でる。最近はちくわとささみをしつける為にハナに変身して寝ているのだった。


 バッカスからドラゴン、おにぃにドワーフ、ハイエルフですか。最近は新しい酒の事すら考える余裕がないほどドラマチックだよなぁ。

 さて、トイレに行って寝ますか。






 翌日、元気を取り戻したフク、ちくわとささみを連れてオルカの宿に行った。おにぃをオハラさんに会わせる為だ。


「チコリもついて来るのね」

 久しぶりにグーグーの歌を聞きながら、屋台で買い食いして中華酒場に着いた。


「何か猫達が集まってる」

 ベニちゃんが野良達にご飯をあげていた。


「お姉ちゃん、オハラさんに会いにきたニャ」


「ご主人様に?」


「おにぃを会わせたいんだよ」


「おにぃ?ニャンだか分からないけど中に入るのニャ」


 三階が住居になっていて、奥の角部屋がオハラさんの部屋だった。

 中に入るとペルシャ絨毯みたいなのが敷いてあって、高級ホテルみたいな感じだ。


「やぁ、いらっしゃい。今日はどうしたのかな」


「オハラさん、ベニちゃん…いや、わさびちゃんの前に飼っていた猫の話を聞かせてください」

 そう切り出すとオハラさんは驚いた表情をしてから、こう語り出した。


「イクラの事ですかな…そう、あの子はやんちゃな雄猫でした」

なかなか筆が進まず、こんな時間の更新になりました。

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