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魔汁キンミャー焼酎を異世界で  作者: 水野しん
第五章 フクの憂鬱
48/230

48話

2000文字以上書いた48話を間違って削除してしまいました…。

同じ内容ではあるのですが、ニュアンスも文章的、量的にも違った物になった前半部分を独立させて更新しました。

後半部分は49話として日付が変わる前に更新予定です。

「ご主人様〜、子猫がついてきたニャ」


 店を閉めてフクと帰宅する途中、商店の前に積み上げられた空き箱の前を通ったら、二匹の子猫がじゃれついてきたのだった。周りを見ても親らしき姿は見当たらない。


「連れて行ってもいいかニャ?」


 フクは生まれて間もなく捨てられた猫だったから、親がいない野良の気持ちは痛いほど分かるのだろう。両肩に二匹を乗せて、見つめられたら駄目とは言えないし、僕としても猫好きだから家族が増えるのは嬉しい。


「三毛と茶トラか、帰ったらお風呂に入れないとな」


「ご主人様〜、ありがとうなのニャ! 嬉しいのニャ〜」

 左腕に抱きついてきて、僕はとても優しい笑顔になる。


「ところで名前はどうするんだ?」


「三毛は男の子だから『ちくわ』茶トラは女の子だから『ささみ』なのニャ」


「凄いセンスだけど、何でその名前なんだ?」


「フクはちくわが大好物なのニャ! ささみはご主人様が特別な時のごはんにくれたから好きなのニャ」


「鼻の色がピンク色だったからハナってつけた僕のセンスと一緒だな」


「むー! ピンク色とか……ご主人様が言うと何かエッチなのニャ」


 エッチって何だよ!なんて、フクとじゃれていたらもう家に着いたよ。

 この世界には五右衛門風呂があるので、薪にライターで火をつけ、お風呂の準備をする。毎日入るのは僕達くらい。薪代がかかるので街の人は三日に一回くらいしか入らないのだった。


「お湯沸いたぞー。一緒に入るかー?」


「四人で入るのニャ」


 小さなタライにぬるま湯をはり、五右衛門風呂に浮かべてちくわとささみを入れて洗う。

 フクはハナの頃から水を怖がらなくて、風呂に入れて入れてとせがむ程風呂好きだったけど、どうやらこの二匹も風呂好きみたいだ。フニャーっとしながらワシャワシャと洗われている。



「これからは賑やかになるな」


 ぬくぬくになったちくわとささみは、フクと一緒にベッドに入ってきたので、家族になった記念日だし今夜は皆で一緒に眠ろうな。


 腕枕で脇にピッタリとくっついてくるとお互いの体温が心地よく、すぐに猫達は眠りについたのだった。

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