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魔汁キンミャー焼酎を異世界で  作者: 水野しん
第十二章 侵略
196/230

196話

「それじゃあ、第一も第二もなしな。皆、平等って事で」


 モテないおっさんの晴れの日。

 婚約者達が立ち飲みチコリ本店に勢揃いした。ドレスはラムが先頭に立って、日本で仕立ててきたらしい。その辺は俺には内緒で進めていたみたいで、当日のお楽しみという事だった。確かにこれは……皆、綺麗だ…………。


 何でも、王様が許せば何歳からでも結婚できるんだそうで、チコリやアイリスにフクもニコニコして、くるりと回ってはスカートを翻して喜んでいる。

 それに、平民の居れば特別に重婚もオーケーなんだそうな。


「この歳で家族がこんなにできるとは、思ってもみなかったよ」


 人間のみならず、バニラにチョコ、モカとラッテ、ミルクなんかは猫だぞ? 人化しているとは言え猫とも結婚しちゃうんだ、サラリーマン時代の同僚が知ったらなんて言うか……。

 リリィはハイエルフだし、俺らが亡くなっても若い姿のままなんだよな。それは寂しい事なんじゃないかと聞いてみたら、笑顔でキスされただけだったよ。達観してらっしゃる。


 結婚式で久しぶりに家族が揃ったと思ったら、妹は仕事で忙しいんだとさ。まぁ、転移魔法なんてのがあるのも知らないからねぇ。で、もてない村の住人だった兄を見て、平伏してほしかったんだが。


「準備できたニャン」


「ちくわとささみか、知らせてくれてありがとな」


 どうやら花嫁達の準備ができたようだ。






「うーむ、この串打ちってのはやればやる程ハマるものなのだな」


「大統領も国に戻らず、こんな事をしてていいんですか?」


「ふはははは、この国を見よ。ファンタジーを地でいく、まさにこれからの地。わしはな……ウェスタンが好きなんじゃ。ここなら町長に掛け合い、ウェスタンテーマパークをドドーンと作れるだろう! 公約を実現するのは面倒くさいし大変なんじゃ。ワシは堂々と逃げるのだ!」


「大統領……威張りながら言う事じゃないですよぅ……」






「しかし、俺らの結婚式まで祭りにしちゃうのか…………」


 アンバーは久しぶりのお祭りに大騒ぎになっている。

 近隣からの屋台が出店し、街中に食材の焼けるいい香りが漂う。


「よぅ! ケンジ!」


「大五郎叔父さん、いや、お義父さん」


 娘のアイリスを妻にしたのだから、今日から大五郎はお義父さんなのだった。こっちでもいとこ同士の結婚は認められてるみたいだし、悩むことはないのかもしれないけど……いかんせん歳が。十二歳ですもの。


「大事な一人娘なんだ、泣かすなよ?」


 もちろんですとも。それに、夜の営みもあと数年待つつもりです。


「ケンジさん、チコリはまだまだ子供だからな、あまり無茶はしないでやってくれ」


 オルカさん……無茶って何ですか。人として鬼畜な事はしませんよ!


「あ、お義父(オルカ)さん、二人目、おめでとうございます!」


「ははは、悪いな、うちの事も祝ってもらっちゃってよ。ビールの樽がたんまり届いた時は驚いたが、いいのか、あんなに貰っても」


 オルカの奥さんが二人目を懐妊した。そこでお祝いにビールの樽を大量に贈らせてもらったんだよね。

 しかし、チコリが隣りにいても、親子にしか見えない……。

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