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魔汁キンミャー焼酎を異世界で  作者: 水野しん
第十章 魔王という名の
148/230

148話

 森永にまともな服を着せて、今度はラッテに変身してもらおう。


「猫ちゃんずは野良猫だったんだから、こうして人化しているだけでも凄い出世なんだよなぁ」


「私も大人の姿に変身できるかニャあ」

 ラッテはメイド服でクネクネしている。


「どうだろうねぇ」


「やなの! ラッテも大人になるの!」


「もう、ラッテちゃんは可愛いわねぇ」

 ナターシャはいつの間にか仲良くなったのか、ラッテとはよく話したりしているし、頭をなでているのを見かける。


「変身するの!」


 さて、ラッテはどんな姿に変身するのかな。期待と不安にドキドキです。


 最初に服が消えていき、謎の光が局部を覆います。人前の変身も問題なくできますね。そして、徐々に身体が大きくなっていき、丸みやくびれが出てきます。

 そして、髪が腰辺りまで伸びて、どこからともなくピタッとした黒いスーツが身体を覆っていき、マントを羽織ります。顔の上半分を隠すマスクが装着され、変身は完了みたいです。


「むー、マスクが邪魔ですね」

 ラッテはマスクを取ってしまいました。


「フクも猫ちゃんずも変身すると綺麗になるんだね……」

 つい口から漏れてしまいます。

 ラッテは女豹のポーズをとり、僕にウィンクをしてきました。


「これは、ブラックキャットとかそんな感じですかね」


「んー、ラッテは索敵や無音走行ができそうです。早速ですけど、五秒後にマイヤーズさんがドアをノックします」


『コンコンコン』


「どうぞ」


「お邪魔します。セシルさんを訪ねて男の方が来ているんで連れてきたんですけど」


 おー、ラッテの能力すげー。どれくらいの範囲を索敵できるんだろう。


「ケンジさん、どうしましょう」

 セシルが言う。


「わざわざすみません。フク、マイヤーズさんに冷たいお茶をお出しして。お客さまもどうぞ中へ」


 マイヤーズさんに続いて入ってきたのは、何とあの露天商だった。


「エリック!」


「やぁ、セシル。ようやく会えたね。うん、タイミングバッチリ」


「あの、セシルさんとはお知り合いですか?」


「ケンジさん、またお会いしましたね。うーん、ストーカーのクセにアイツはいないんですね。まぁ、いいか。えーと、皆さん変身中でしたか?」


「ええ」


「どうぞ、続けて下さい。全員が終わったら、私から色々とお話する事がありますので。これでも二月ほど寝ていないのですよ……少し眠らせて下さい……」

 言うだけ言って、あっという間に空いていたソファで寝てしまった。


「こいつは皆がしている指輪の製作者、エリック。ハイエルフなんだけど少し変わっていて、異世界からの転生者なんだ」


 何と、だんごと一緒で転生者なのか。


「この人には聞きたい事は沢山あるけど、言われた様に変身の確認を続けよう。次はアイリスだね。さあ、こちらへ来て変身してくれるかい」


 トダ村にいて、こっちの事情には詳しくないアイリスなので、色々とこんがらがっているのは見て分かるんだけど、落ち着いて変身できるかどうか。


 アイリスは目を閉じて祈るような姿勢で変身した。

 ブロンドのボブになったアイは、黄色と黒のレザーの服を大胆に纏っている。たわわになった胸に、ほぼ出ているお尻……そして背中には長く黄色がかった透明な(はね)が一対。長い黒革の手袋に、同じく黒いロングブーツを履いていた。


「女王蜂……かな。しかし、これまた大胆な……大五郎が見たらおったまげるぞ」


「キャッ! ほとんど裸になってますーっ!」


「いやいや、アイリスよ、余がケンジなら簡単に落ちてしまうだろう。自身をもって魔王と戦わねばならぬ」

 王様がナイスフォロー。

 アイリスは少し立ち直った。


「ケンジさん……どうですか?」


「ぎ」


「ぎ?」


「ギャップ萌え!」


 空から攻撃できるのは強みだし、前衛で戦ってくれたらお尻見放題だなぁ……。


「ご主人様からはつじょーの匂いがしてきたのニャ!」

 フクの尻尾ビンタで我に返る。


「アイリスからは甘い香りがするニャ…………ペロペロ」


「フクちゃん、こそばゆいです……」


「はちみつニャ! 全身はちみつコーティングされてるニャ」


 アイリスミード(蜂蜜酒)が造れるじゃん!とか思ったけど、誰にも飲ませたくない、かな。

40話まで改定作業を終えました。

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