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魔汁キンミャー焼酎を異世界で  作者: 水野しん
第十章 魔王という名の
147/230

147話

 エルフがエルフに変身ってのは何なんだろうね。

 まぁ、顔も変わっているから変身で合っているとは思いますけど。


 そして、朝まで某島の戦記物を観ちゃったので、昼まで仮眠をとることにしました。無理しても今日の仕事に差し支えるし。




「まだ少し眠いな……」


 時計を見ると十一時。

 仮眠と言いながらも五時間以上も寝てたか……。


 セシルの変身後は、この世界の法則にとらわれない魔法が使えるって事だったけど、そうなると魔王を始めとする敵達にもかなり有効なんじゃないだろうか。


 さて、居間で変身確認の続きをやりましょうか。




「それではバニラ、変身できるかな?」


 猫ちゃんずの見た目は六歳のチコリ同様だけど、頭の耳はフクよりも大き目で、尻尾は猫時代の模様のままだったりする。


「いきますニャ!」


 ボフっと白煙に包まれ、そこから出てきたのは……


「天使みたいな羽を持った猫耳のお姉さん?」


 居間には日本から持ってきた姿見が置いてあるので、バニラ本人に見てもらう。


「わぁ!お姉さんになれた! 羽が生えたって事は鳥さんみたいに飛べるのかしら?」


 小首をかしげて唇に人差し指を当てるバニラ。

 一気に大人の女性になったな。


「能力的には空が飛べそうって感じ?」


「んーとね、弓が打てるみたい。ほら」


 何もない所から大き目の弓が出てきて、バニラの手に収まる。

 構えると光る矢がそこに出てきて、射ると、今の窓から外に発射されていった。


「本数を気にせず射る事ができそうですね」


 セシルがそう判断する。

 後は矢が当たるとどうなるか、だけど。


「外が賑やかですね」


 ナターシャが言うので覗いてみると、一人の男が女性に跪いているところだった。これは……愛の告白とかプロポーズ?


「えーと、矢で射られると恋が叶っちゃうの……かな?」


 バニラに問うと。


「キューピッド、ヒーリングの矢があるみたいです」


 つまりは攻撃力は皆無という事ですね。

 後方支援として頑張ってもらうしかないですねぇ。


「次はチョコだね。お願いします」


 チョコはその場でちょこちょこ動いていたけど、何も変化が訪れない。

 ちょこっと焦ってきて、ミルクに抱き付いて泣きそうになっていたその時、一瞬にして二人は光に包まれ、そこには一人(・・)の猫耳女性が立っていたのです。


「チョコーとミールークー♪ですかね?」


「私はそんな古いの知らないわよ」


 ラムに、月へ帰りそうな勢いで知らないのを報告されました。

 チョコとミルクは抱き合うと一人に変身するみたいです。姿としては猫耳で年齢は二十歳前くらい。尻尾は二本に別れていて、オッドアイ。二人が来ていたメイド服はそのまんまです。


「チャームの魔法が使えるみたい」


「メロメロにされるのか……確かにこれはアリだな」


「何が確かにこれはアリだな、よ! 魔王と戦うのにチャームがどれくらい役立つっていうのよ」


「ラムお姉ちゃん、チャームをかけると相手は仲間になるみたいです」


「寝返させる事ができるのか。十分役立つ魔法じゃないか」


「名前はどうするのニャ?」


 フクが聞いてきます。


「森永って呼んで下さい!」


「ん?」


 何となく理解する僕とラムに、意味が分からない他のメンバー。


「本人が言うならそれで構わんだろ」


 王様の一言で彼女の名前は森永に決まりましたが、ロッテの方が名前っぽくてよかったんじゃないのかな……。


 次はモカの番です。


「変身」


 ボソッと呟きましたねぇ。

 あらやだ、メイド服が分解された様になくなって、一瞬全裸になってましたわよ。


「完了」


 モカは大人の姿に成長したものの全裸のままでした。ラム達が急いで隠しますが、本人全く恥ずかしそうにしてません。


「モカは大人になっただけなのかな?」


 僕の何気ない問に、周りは『さぁ?』って顔をするしかありません。そして苦笑。


「ご主人様からはつじょーのニオイがしますニャ。モカはすぐにでもお嫁さんになれるって事なんだニャ!」


 何でフクは僕の下半身が反応しているのに毎回気付くんだよ。王様しか笑ってないよ。


「婚約者の中で序列が変わるのは致し方ないな」


 更に煽ってくるしー。


「モカはケンジの一番目のお嫁さんになれるの?」


 下着の上に洗い立ての僕のワイシャツを着せたのは誰だ……この様に味方に鼻血を出させる(ダメージを負わせる)変身は……対魔王には役立ちません………。

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