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魔汁キンミャー焼酎を異世界で  作者: 水野しん
第十章 魔王という名の
146/230

146話

 立ち飲み屋の店内に勢揃いした面々。


 指輪を持っていない関係者もいるけど、これから起こるであろう戦いには協力してもらわないといけないから、王様を始めとして、騎士ノーラと宮廷魔術師ニコルにも集まってもらった。


「何でアタシも巻き込まれてるのかしら?」


 瞳子はしばらくの間、偽名を使った弟、賢輔と一緒にいたから、既に巻き込まれていたと言っていい。


「魔王側の人間と一緒にいたんだ、その時から巻き込まれていたんだよ。貴女も燃料いらず、メンテナンスフリーの車を手に入れただろ。タイヤも減らないし、傷もつかないって凄い事だぞ?」


「ま、まぁ、そうね。確かにチンクエチェント(フィアット500)はスーパーアバルト仕様になったから、皆の力になれると思うわ。変身ってのにも興味はあるんだけど、その指輪がないと駄目なんでしょ?」


 サソリのエンブレムでお馴染みのアバルトは、イタリアの自動車メーカーでした。

 フィアットに吸収された後、近年はモータースポーツ部門を受け持っています。

 最近はスポーツモデルに付けるブランド名って言ってしまえばそれまでなんだけど、小排気量の車でもカリカリにチューンしちゃう気質がカッコイイのです。


「瞳子さんが少しでも僕に気があるなら進呈いたします」

 キリッ!


 カッコよく決めたつもりでしたが、フクや猫ちゃんず、アイリスからダメーって言われちゃいました。ラムとサラも心なしかジト目です。

 だんごは仲間が増えるのはいい事なんだけどニャ、って言っていますが、だんごも指輪は持っていません。


「小さい子達に反対されるともらいたくてももらえないわね」


 とりあえずは車の運転で力になってもらおうと思います。




「さて、それでは変身能力の確認を行いたいと思います。セシルに見せてもらった後は、うちの猫ちゃんずからアイリス、サラ、ラムと変身してもらい、続いて大将とナターシャ、そして最後に僕が満を持して変身したいと思います。何か質問や意見はありますか?」


「ん!」


「あ、ごめん、ごめん。チコリの事を忘れてました。え?最後に……一緒に?……はいはい。えーと、チコリは僕と一緒に変身したいと言ってますので、そうしたいと思います」


 ほっぺを膨らませたチコリを抱き上げて、セシルに話を振る。


「まずは私からか。変身は頭の中で変身しようとする意思を強く持てばできます」


 セシルは指輪をはめた右手を胸に当てた。


「はい、完了です」


 エフェクトがかかるとか、そんなのもなしで、本当に一瞬で終わっちゃったその姿は……


「ご、ごごごごめん! 僕には何に変身したか分かるんだけど、言えない……言えないんだ」


 だって、自由騎士と旅するあの人だよ?


「あれ? ケンジさんはこの姿の人を知ってるの?」

 セシルが突っ込んでくる。


「あ、え、いや……知ってますけども……」


「動揺するのは怪しいニャ」

 だんごちゃん、そうゆうんじゃないからぁ!


 この後、恋人なのか、とか凄く聞かれた。

 仕方がないのでスマホで購入したのをサラに投影してもらって見せたよ。何だか変な方向に納得していたけど大丈夫かな? このエルフは架空の人物ですよ? 伝説の勇者になってるけど……。


 それから続きを見せろコールに怯えて、全部見せちまったじゃないか。朝日が眩しい……。

25話辺りまで改定作業が終わりました。

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