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魔汁キンミャー焼酎を異世界で  作者: 水野しん
第九章 暴かれるヒミツ
134/230

134話

 思いっ切りビンタされた。


「これは写真っていう物なんだけどね、何も履いていないのはワザとですから。その服の時は履かないなんて事ないですから、ね!」


 そして、周りでニヤニヤしている冒険者達に聞こえるようにワザと大き目の声で言う。


「この娘達は履いてますからね!」


『バチン!』




「痛いの…」

 シャノンのビンタは体重を乗せていたので、叩かれた頬は膨れ上がってしまっていた。アイリスが濡らした布を当ててくれているのが気持ちいい。


「シャノン、ゴメンって。それにそのメイド服はスカートも長いでしょ。あんな下品な短いスカートじゃないんだし、許して下さいよ。あれなら下着類も可愛いのを支給しますよ…わわっ、打たないで!」

「ケンジさんも学習して下さい。シャノン達にエッチなのはダメですよ……その…私になら大丈夫ですから」


 何か言ってますけどあえてスルーします。トダ村のロリコンへの視線は普通に痛いのであります。結婚すると決まるや否や、手のひらを返した様に祝ってくれるみたいですが…。アイリスはもう数年待って下さい。


「エールやビールはこの入れ物に入れて売ってね。飲み終わったら返してもらって、洗ったらまた使うから」

 プラスチックのコップをあっちから持ってきた。洗う水は召喚魔法で出せることも分かったし、あるだけどんどん売ってしまおう。


「お騒がせしてすみません。よろしかったら一杯いかがですか」

 先程の騒ぎであれこれ言われる前に、両隣の主人にビールと猪串をご馳走する。その代わりに、ダンジョンのちょっとした情報などを仕入れられるようにしておく。


「しかし、先程のアイテムは男にとってのレアアイテムですなぁ」

 右隣で果実水を売っているヒゲオヤジが言う。


「絵だと思ったら、まるで人がそのまま紙に吸い込まれたような感じだったな!何でもかなり下に降りると落ちているらしいけど、俺には無理だ…」

 左隣のポーション屋の兄ちゃんが興奮している。


 どう見ても日本のエロ本のページだったんだけど、あんな物で昔の子供みたいに興奮しているし……。

 今はネットがあるからエロ本が落ちていても騒ぎはしないんだろうなぁ。


「変な事を聞くようですが、この村もアンバーも娼館がないですよね。皆さんはその…性欲の発散はどうされてるんですか」


「しょうかん?何だいそれは」

「結婚した相手とするのが普通では?あー、早く相手を見つけたいよ…」


「え……」

 だから結婚前には厳しいの…か?

 て言うか、この世界の人達って爆発しないの?いやいやいやいや、あの切れ端って持ち込んじゃいけない物なんじゃないのか。人類が火を使うようになった位の衝撃を与えるんじゃ……これってもしや……奴らか。


「ははは、ほら、飲んじゃって下さいよ」


 ギルドで回収依頼を出しても、拾った矢先にネコババされそうだしなぁ。


「ケンジさん!何湿気た顔してんの。それじゃ売れる物も売りないじゃない」


「ロリも言うねぇ。よし!今は屋台のオヤジなんだから、ビールを売るしかないか。溜まってきた洗い物を片付けるよ」






「それで名前は?」


「羽田瞳子です」


「あら?アナタも転移者なの?戻れなくなったのなら戻してあげられるわよ?」


「え、いえ、ここで働かせて下さい」


「確認するけど斡旋ギルドから来たのよね?」


「斡旋ギルドって何ですか?」


 違うのかー…。

「て、事は…アナタ、来たばかりね。住む家もこっちにはないでしょ?」


「う、それは…」


「あー、寝てたオバちゃんだニャー」


「だっ、誰がオバちゃんよっ!」


「ラッテ、この人の事知ってるの?」


「串焼きししょーの店で寝てた人ニャよ」


「そう…瞳子さん、ここに来ちゃったら何かと面倒臭くなるけどいいのかしら」


「あ、アタシはスクープ狙いでここまで来たのよ!アンタ達の悪巧みを世に知らしめる為にね」


 何言ってんのこの人。あーもう、ケンジに丸投げしたい。

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