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魔汁キンミャー焼酎を異世界で  作者: 水野しん
第九章 暴かれるヒミツ
127/230

127話

 トダ村で新たなバイトを一人見つけた僕とアイリスは、村長の娘シャノンと共に、共通の友人だという娘の家に来ていた。


「野菜が沢山育てられてるな…トマトが凄い数なってる」

 トマトを切って、猪のバラ肉を巻いて串焼きにしたいなぁ。ミニトマトより普通のトマトの方がジューシーで美味しくっ仕上がるんだよね。


「ロリの家の野菜は凄く美味しいんだよー」

「ね」


「ろ、ロリさんていうんですか…」


「あ、いたいた!ロリー!」

 シャノンが手を振りながら大声で呼ぶ。目を凝らすと畑の向こうに人影があった。こっちの人達って基本、身体能力が凄くいい。視力も測ったらどこかの部族並みだったりして。


「背、高っ」


「シャノンにアイリスじゃない、どうしたの?それにこのオジサンはどなた?」

 ロリと呼ばれた女の子はいわゆるモデル体型で背が高かった。全然ロリではありませんです。茶色の髪を三つ編みにしてまとめて、服装はブカっとしたパンツにチュニックを着て、畑仕事がしやすそうな感じなのが好印象。


「こちらはケンジさん…」

「私のお婿さんになる人なのっ!」

「え!?そうなの?」

「一応、そうなんです…」

「…そうなんだって、でね、アンバーで例の立ち飲み屋さんで働いてるんだって」


「初めまして、ケンジさん。今日から貴方は私のライバルです!私もここで宣言します!アイリス、私と結婚してください!」

 唐突なライバル宣言とアイリスへの求愛に、三者三様でビックリしています。ここは畑。雀がチュンチュン鳴いているのが和みます。


「け、け、け、結婚って、女の子同士だよっ?どうしちゃったの、ロリ!」

 アイリスは僕の後ろに隠れながらロリに話しかけてます。


「前から好きだったの!気付いてなかったのっ?そんなオッサンと結婚するだなんて!何でよ!」

 ゆらゆらとこちらに近づくロリ。段々呼吸が荒くなっていて、頬も赤くなってきました。


「ゆ、百合展開…あの、シャノンさん。ここいらでは同性で結婚ってあるんですか?」


「い、いえ、おおっぴらには余り…」

 シャノンさんも頬が赤くなっている。


「ロ、ロリさん?落ち着いて、落ち着いてほしいんですけど…」

「エッチな目で見るロリなんて嫌いなの!ケンジさん、ロリはやめましょう。他にもまだまだ候補はいますから、ね?」

 うーむ、この娘を雇ったら確実に問題が起きそうだよねぇ、起こるねぇ。


「ん?候補って何かな?お婿さん候補?」


「まだ言ってるし。そんなロリなんかには教えないよーだ」


「ケンジさんの出店で働ける人を探していたんですが、ロリさんは少しばかり悪ふざけが過ぎます」


「え?アイリスとそのオッサンの関係は、雇用主と従業員て事?」


「ケンジさんはオッサンじゃありません!それにほら!指輪です!」

 フンスとばかり左手を見せるアイリス。

 食い入る様に見るロリと横目でチラッチラッと見るシャノン。


「あら、ホントに婚約してるのね。ザシャも大概なロリコンだったけど、私もまだ全然若いんだけど」

 サッ、サッとポーズを決めてくるシャノン。胸元から谷間が、年齢の割りに大きめの胸が!


「アイリスとはもう少し大きくなってから結婚するつもりですので、小さい娘が好きな訳ではありません」


「ふーん、そうなんだぁ。ま、アイリスはファザコンの気があったからねぇ。何となくは納得できるかな」


「ううう……婚約してるだなんて…ロリ、生きてる意味がないよー」


「女の子同士はイケないと思うの。だから、好きになってくれたのは嬉しいけど、ゴメンね」

 アイリスが伸びをしながらハンカチで涙を拭いてあげている。


「失恋したけど、私もアイリスと働きたい。その位はいいでしょ?ね、ね、お願い」

 まだまだ下心がありそうに抱きつきながら懇願しているけど、決めるのは僕ですからね。


「ケンジさん、どうしましょ」


「さ、採用します…」






 ここはダンジョンの五階層。

 前に忘れてきた物を探しにもぐっている。


 誰にも言っていないが、このダンジョンはオリハルコンの指輪の力で俺が生み出したんだが、指輪と共に移動し続ける不思議なダンジョンになった。

 何百年と指輪が行方不明になって、もう諦めていたんだが…ケンジが手に入れたとはなぁ。これでアレも手元に戻ってくる。カレンには悪いが…許せとは言えないか。


「この階層じゃなかったか…」


 早く見つけて処分しないと…ヤバい事になる。

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