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規則四条 階段を使いましょう

 軽くきもぢわるい。

 胸焼け……味わった事の無い気分。

 朝起きた一発目の感想である。

 前日にマルタの歓迎会をやった結果である。

 料理当番は俺だったのだが、雪乃さんも手伝ってくれて焼魚。味噌汁。豆腐。それとたこ焼き。

 彼女は関西に長く住んでいたらしい、雪乃さんが教えてくれた。 

 普通に料理を作っていたはずなのだが、途中からマルタがこっそりたこ焼きの中にカラシを混ぜていた。 

『ちょ』

 俺の驚きの顔なと涼しい顔で目で合図を送ってくる。

『シューイチ君、これをアヤメに食べさせて見たいと思わん?』

 小声で知らせてくる、思いません……と言い切る事は出来なく俺も悪戯心が湧いた。

 正直どんな顔をするのが見てみたい。

 こうして、爆弾入りたこ焼きを雪乃さんのお皿に入れて食卓にならんだわけだが。

 雪乃さんが問題のたこ焼きを食べそうになる。爪楊枝も刺して後は口に入れるだけ。

 その時、瞬間俺は罠に嵌められた事に気付いた。

『アヤメー今日の引越し手伝い有難うなー。シューイチ君もあんがとう、あんがとう』

『此方こそお礼なんて有難う御座います』

『アヤメもそんなかしこまらなくてもえんで』

『シューイチ君にはたこ焼きを口移しで食べさてあげるお礼しちゃろっか』

『な!』

 持っていたたこ焼きを落しそうになる雪乃さん。

『冗談や、そや、ウチがやるよりいいわ、アヤメそのたこ焼きをシューイチ君に食べさせてあげてーな。』

『なんで、私がそんな事を』

『それじゃやっぱ、口移しかーしゃーないなー』

 その喋り方は既に棒読みだ。

 そもそもそんなお礼をしないとういう選択肢はパニックになっている雪乃さんには既にないらしい。

『それじゃ、僭越ならが失礼します』

『あ……あーん』

 顔を真っ赤にして、俺に爪楊枝でたこ焼きを勧めてくる。

 横をみるとニヤニヤ顔のマルタがみている。

 えーい、なるようになれ!心の中で叫び。カラシ入りたこ焼きを食べさせてもらう。

 むせそうになるが、ここで吐き出したら雪乃さんが怪しむ。なんていったってたこ焼きを作る係は俺だったから。

 渾身の力で飲み込み。マルタから渡されたコップの中身を一気に飲む。

『ごっふ』

 喉が焼けるように熱い。

『あかん、間違えたそれ日本酒や』

『大丈夫かシューイチ君。』

 蒸せながらも、どうにかカラシ入りのたこ焼きを隠し通したので問題はない。

『なんとか、でも喉と体が凄い熱いです。』

『ほれ、こっちのジュースでものみいな』

『ありがとう御座います』

 飲んだ直後に再び胃が熱くなる、横を見ると悪戯っ子の顔をしている。

 アヤメさんはというと、俺を心配をしてくれて直ぐにお水を持ってきてくれた。

 その後お開きとなった歓迎会のあとすぐさま布団に横になって今に至る。

 

 気分を変えるために裏庭にでる。

 天気が凄くよい、雑草もおもったよりないのでこれなら除草剤でもまけばいいかなと思っていると、ビールの缶が落ちている。

 視線を上に上げる。

 二階の窓に大量のビールの缶が並んである部屋がある。

「マルター」

「ん~なんやーウチを呼ぶ奴はー」

 二階の窓から身を乗り出してくるマルタ。タンクトップで上半身外人特有の羞恥心が無い格好だ。

 あれって下着つけてないよね……。

 気を取り直して喋る。

「二階から缶が落ちてきてるで、窓には並べないほうが良いと思う」

 俺はマルタに声をかけて空き缶のあるほうに歩く。

「あちゃー、すまんかったなー昨日は夜月を見ながら飲んでた時やわー。まってなー拾いに行くわ」

「拾うっても二階ですし、俺が拾いますよ」

 見上げていると首が痛くなる。

「ええがな」

 その一言でマルタが二階の窓からまい踊る。

 音もなく着地して、空き缶を手に取り『よいしょっと』というと二階へジャンプして帰っていく。

 夢でも見てるのか、酒が抜けてないのか判断に困る。

「なんやーそんな顔して」

「すみません、マルタさん確認していいですか?」

「ん? マルタでいいっていうてるのに」

「今二階から飛び降りて、うん飛び降りる人はまれにいるとは思うんですけど。地面からジャンプで戻りました?」

 確認の為に質問する。

「ん? そやでどしたん?」

 なんでもないような顔で返して来る。

 俺がおかしいのか、最近の女性は二階から飛んだり戻ったりできるのか。

 突然二階端の窓が開く。

「マルタさん! か……か……管理人さんは普通の方です!」

 遠くからマルタに叫ぶ雪乃さん。寝起きらしく普段は着物なのに寝るときはパジャマなのか。

「なんも妖力も感じないもんな、わかってるで~」

 何か会話がかみ合ってない。

「そーじゃなくてですね。そう、窓から飛んだり跳ねたりは……」

「心配しょーやなーアヤメは、んなもん外の人間には見せへんよ~アヤメだって此処でしか雪ださへんやろ?」

 元気そうなマルタとは対称でいっきに青ざめた顔をしている雪乃さん。

 あれ……雪乃さんの秘密って二人だけの秘密じゃなかったの?

 俺と雪乃さんの顔を交互にみて、何か察したらしく。

「シューイチ君ウチなんかダメな事した?」

「多分、とっても」

 

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