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参謀になります4

誤字、脱字の間違いがどうしても出てしまいます。

何度もチェックしてるんですが、見つけられた方が居れば教えていただければすぐに直しますのでよろしくお願いします。

アクは元々疑問を投げかけられることをわかっていたので、初めからサントンに課題を出していた。


それは・・・


一切の攻撃を受けずに圧倒すること

誰も殺さないで圧倒すること

そして素人でも見える攻撃をすること


 その三つを課題にしたが、サントンは三つ共をクリアしてみせた。


 初めに多人数を圧倒し、スピードにより一切の攻撃を受けず。武器を木剣にして殺さない場所を攻撃した。そして集団が円を作った際にスピードを止めて、ゆっくりと歩き、ダンに攻撃して倒した。


「終わりだな」


 アクがボルツに太鼓を鳴らすように合図をする。ボルツもまさかここまで圧倒的だとは思っていなかったので呆然としていたが、アクの合図で太鼓を鳴らす。


「「「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーー!!!!!」」」


 太鼓がなると歓声が上がった。誰もが只々強いサントンの戦いに魅せられたのだ。


「スゲ~な。こんな強い人が俺達のリーダーになるのかよ。この盗賊団スゲ~んじゃねかぁ」


 村人たちの中でも若い集団が、いつの間にかサントンをリーダーと言って称え上げだした。


「たまげたな。サントンはここまで強くなっていたのか」


 ボルツの呟きにアクが頷く。アクもまさかここまで強いと思っていなかったのだが、これは嬉しい誤算だ。サントンがいつもの飄々とした雰囲気を変えず、倒した者達に声をかけている。


「サントン、こっちに来てくれるか?」


 倒れた者に手を貸しているサントンを呼んで、代わりに救護として待機させていたエリス達女衆を呼んで手当てを任せる。


「お前たち、ここにいるサントンがリーダーになることにまだ異議がある者はいるか!!!」


 アクの大声にざわついていた村人も黙り込む。盗賊団の面々に目を向けても、誰も言葉を発する者はいなかった。


「サントン、皆に声をかけてくれるか?」


 アクが中央をサントンに譲る。


「あ~こんなとこで話すはガラじゃねぇけど、俺はサントンだ。盗賊団の若頭をしてた。俺は、お頭あ~ゲオルグさんに拾われたお蔭で今がある。俺を拾ってくれたゲオルグさんが、この国はおかしいと言う。俺も昔から貧しくて、親もいねぇ~し誰も助けてくれなかった。そのゲオルグさんが国を変えようといった。もっと貧しくて苦しむ奴を減らして、皆が飯いっぱい飯を食える国を作ろうってな。俺はそんな国を見てみたい。だから……なんだ、俺が先頭で戦うから、お前らはゲオルグさんの夢のために俺についてこい。俺が王国なんて倒してやるよ。」


 たどたどしく話すサントンだったが、サントンの言葉には色々な思いが伝わっていた。それを聞いた村人の若い衆が雄叫びを挙げた。


「「「うおおおおおおぉぉぉぉーーーーーー!!!」」」

「俺達はついていくぞ!リーダー!サントンリーダー!」

「俺はあんたを気にいった」


 どこかしらサントンを称える声が多くなり、村人達のなかにあった自分には関係ないという態度はなくなっていた。

 ここに集まっているのは男なのだ。強い者に魅せられる。ゲオルグが近づいてきてアクに耳打ちしてきた。


「計画通りだな」

「はい。サントンがここまで圧倒してくれるとは思いませんでしたが、助かりました」

「お前は俺達を見くびり過ぎだ。サントンのしたことなら、俺やハッサンでもできる。ダントやグラウスは魔法使いだからあそこまでの肉弾戦は無理だが、ただ倒すならできるぞ」

「そうなんですか?なら作戦を考えるのも、もう少し楽ができそうです」

「ははは、これからだ」

「はい」


 騒ぎまくっている男衆をそのままにした。本題である手伝いについて説明していないが、もしかしたらアクと同じようにスパイを紛れ込ませて来るかもしれないのだ。

 そう、アクは盗賊団の中から数人を王国側にスパイとして紛れ込ませた。これにより情報を手に入れることができているのだ。


「最後だ、君たちに聞いておきたい。手伝うだけでなく、共に戦ってくれる者がいるならば嬉しく思う。俺達は常に人材を求めている。希望者がいるなら喜んで受け入れるぞ」


 アクの言葉にさすがに戦う事には躊躇を覚えるのか、互いの顔を見たりして様子を覗う者がほとんどで、誰も声をあげないかとあきらめかけた。


「俺を仲間にしていただけますか?」


 お腹を押さえたダンが村人に支えられ声を出した。


「ダンだったか、良いのか?」

「王国と戦うのは怖いです。でも、リーダーが強いことはこの体で実感しました。俺はもっと強くなりたい。強くなって村を守りたい」


 ダンの言葉に黙り込んでいた村人達も、オレもオレもと一人また一人と手を挙げだした。副団長のダントさんに手を挙げた者から名前を聞くようにしてもらった。

 最終的には村人の半分七十人ほどが共に戦ってくれると言ってくれた。残りの者も戦うことはできないが、協力することを取り付けた。


 これにより人手を確保したので、戦う準備はできた。あとは細やかな作業があるので、元盗賊団の面々と村人をそれぞれ各班毎に分けて指示を出す。残り二日で罠を完成させなければならないのだ。


 最後にゲオルグが、アクの指示が終わると前に出てきた。


「お前ら、新生シルバーウルフ解放軍にとって初めての戦闘だ。勝利は決まっているが、勝つためであっても死ぬことは許さん。ヤバくなったら俺が助けてやる。だから安心して逃げてくればいい。俺はサントンより強いぞ」


 ゲオルグの言葉は優しく雄大であった。不安に思っている者達を励ますには十分な力が込められていた。アクはゲオルグの言葉を聞いて、この人を旗印に選んでよかったと思った。

読んで頂きありがとうございます。

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