邪神になりました16
暴動騒ぎが片付いたことで、各国も魔王に備える準備を確実に整えつつあった。
サキュウはその中でも、サキュウが認める者を集めた。
現在精霊を宿しており、戦うことができるとサキュウが判断した者達だ。
光の勇者 天野 光賀 ルールイス王国
水の勇者 白雪 雫 カブラギ皇国
土の勇者 金剛 護 アスガルト共和国
火の勇者 神代 火鉢 暗黒大陸
風の勇者 安城 風香 暗黒大陸
ルールイス王国第二王女 リリーセリア・ミシェル・ルールイス ルールイス王国
カブラギ皇国総大将 青鬼 絶貴 カブラギ皇国
カブラギ皇国大将 青鬼 玄夢 カブラギ皇国
カブラギ皇国大将 紫鬼 紫苑 カブラギ皇国
聖騎士筆頭騎士 テリー・ハンソン セントセルス神聖国
新バンガロウ王 サントン王 バンガロウ王国
新バンガロウ元帥 セントハルク バンガロウ王国
首相の娘 ドロップ・ドゥ・バロック アスガルト共和国
龍人族族長 白扇 アース大陸
龍人姫 サーラ アース大陸
銀狼族 ルー フェアリータウン
半魔 ヨナ フェアリータウン
大魔王 サキュウを合わせた18人だった。
魔王や各国の将軍達も検討には入ったが、変貌を遂げたアクの前には無意味に思えた。
そのため彼等にはサポートに回ってもらうことにした。
人々には魔法があり、鬼達にはシノビの極意がある。
それらを使い強力な魔法を使おうと考えたのだ。
「この18人で前衛を務める。この世界全てが後衛だ。頼んだぞ」
18人を集め全員に空を飛び魔法をかける。
18人の精鋭が飛び立ち、それ以外の者達も準備に取り掛かる。
魔法が使える者、シノビの極意を使う者、戦える者は集められるだけの船に詰め込んだ。
魔法が使える者は、空を飛べる者達に協力してもらって、鳥族の背に人が乗り魔法を放つ。
人も、龍も、獣人も、亜人も、種族などを越えて力を合わせた。
誰がこの現状を予測できただろうか、人が獣人が龍人が鬼人が手を取る日が来るなど、何百年にも及ぶ蟠りを越えて、共通の敵を撃つため人々は手を取り合った。
本当の大魔王となったアクを討つため、はたまた救う為、それぞれの想いを持って全世界がアクと対峙した。
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浮遊感に包まれた闇の中から出てみれば、今度はもっと深い闇が広がっていた。
深い闇にはモンスターが出現する。
やらなければやられてしまう。
「ほらモンスター共が君を殺そうとやってきたよ」
耳元で誰かが囁いた。
どうして自分は殺されなければならないのだろう。
自分は何者かもわからないのに、まだ死にたくない。
自分が生まれてきたわけを知りたい。
「なら、まずは目の前のモンスターを倒さなくちゃいけないね」
「倒す?」
「そう、じゃないと君はこの世界に殺されちゃうよ」
耳元で囁かれる声に従って、あたりを見る。
確かに禍々しいモンスターが数匹飛んでいる。
何も考えずに腕を揮うとモンスターの胸を貫いた。
あれ?モンスターってこんなに弱かったっけ。
周りを飛んでいたモンスターが次々と落ちていく。
モンスターが居なくなったと思ったら、今度はデカい奴が出てきた。
怖い・・・でも殺されたくない。
また腕を揮うが横から来たモンスターによってデカい奴に避けられた。
でもそのままデカい奴ごといなくなった。
助かった。
胸を撫でおろして空を見る。
相変わらず暗い空、でも先ほどよりも闇が薄くなったような気がする。
「殺されなくてよかったね。次はどうする?この世界を破壊する?」
耳元で囁かれる声を聴きながら呆然とする。
空を見つめていたら、空の上から何かがこちらを見ている。
モンスター?でもモンスターと気配が違う。
あれは何だろう。
囁かれる声よりも、そっちが気になって何も考えられない。
「ねぇねぇいつまでここにいるの、もっといろんなものを壊しに行こうよ」
耳元で囁いている声は気付いていないのだろうか。
空の上から見ている者は危険な奴だ。
あれをほうってはどこにも行けない。
この場所から自分が動いてはいけない。
何故だか、そう思えて動くことができなくなった・・・・
いつも読んで頂きありがとうございます。




