大悪党になります4
なんだかんだと更新が遅れてしまいすいません。
次もいつになるか・・・
アクの引き連れる軍のことをサントン王は、アース連合軍と名付けた。
アース連合軍の幹部は獣人三人、亜人三人、龍人三人から構成される。
獣人幹部
赤猿族 族長 ケルイ
金狐族 族長 カンジダ
黒鷲族 族長 ギルドル
亜人幹部
樹人族 族長 トーン
蜘蛛族 族長 メルルダ
廃人族 族長 ハイタ
龍人幹部
黄土族 族長 黄喜
緑風族 族長 緑怒
赤火族 族長 赤楽
龍族に関してはアクが命名する決まりになっているので、三人共アクの名付けである。
幹部は9人ではあるが、獣人・亜人はそれぞれが少ないため副官に別の種族の族長がついている。
そのため部隊の顔ぶれはいずれも異色の顔ぶれが揃っている。
それらの総大将を務めるのが、蒼水族 族長 白扇である。
「総大将殿、準備が整いました」
白扇の下にケルイが報告に現れる。
「おう。進軍は明日だ。今はマスターが人間の軍と話し合っている」
「そうですか。では皆にはそう報告します」
「頼んだ」
ケルイは身軽な体を使い諜報と伝達の任務を担う。
白扇に告げられたことを各隊長に伝えるため、ケルイ配下の者が散って行く。
「旦那。本当にいいのかい、人間の世界に干渉して」
「我らはマスターが決めたことに従うだけだ」
「俺達に獣王はもういないんだぜ」
「獣王は我の友だった。あやつが殺されたことで我々の戦いは終わった」
「だろ。なのに今回人間の争いに参加するとかいいのかよ」
「我々の戦いは終わった。しかし、次の世界を担う者がマスターを導いた。それが新たな道だ」
「担う者ってルーの嬢ちゃんのことか」
「ルーだけではない。七人の少女が選んだのだ」
「そうかい・・・まぁ俺はアクの旦那を大将と決めた。それに嘗ての英雄の子孫が俺達の総大将になってくれるんだ、頑張りがいがあるぜ」
「ケルイの小僧も言うようになったな。ガハハハ」
白扇に子供扱いされてもケルイは仕方ないかと思える。
白扇はケルイが生まれるずっと前から龍族のトップに立ってきたのだ。
獣王を失ったときから、アースに住む者達は大将は白扇しかいないと思っていた。
「とにかく俺達はあんたたちについていくと。よろしく頼むな」
白扇とここにはいないアクに対してケルイは覚悟を口にした。
ーーーーーーーーーー
バンガロウ軍本陣にてアクは軍議に参加していた。
今回の戦いでは後方支援をすることが王の命で決まっている。
その上でハッサンを総大将とした作戦を考えるため会議に参加しているのだ。
本陣にはアク以外に三人の人間が卓を囲んでいる。
「それで今回はどういった作戦を採るんだ?」
ハッサンと同格のドイルが、ハッサンの副官に正式に就任したダンに質問を投げかける。
「はい。では説明していきたいと思います。我々バンガロウ軍は2000人、シーサイドからは3000人、リバーサイドからは2000人の兵を借ります。さらに宰相殿が連れて来てくれた1万の軍勢を足して総勢1万7千の軍勢がいることになります。対してエーゲル王国は総人口10万ほどいるうち今回は3万ほどの軍勢を用意していると考えられます」
「今回も相手さんの方が多いわけか」
「いつものことだろ」
ドイルの言葉にハッサンがすぐさま答える。
ハッサンもアクも、今まで常に相手よりも多い数と戦ってきたのだ。
「そうです。ただ相手の指揮は最悪だと考えられます」
「どうしてだ」
ダンの言葉にアクが質問する。
「エーゲルで元帥を務めていた方が、今回の戦争に反対して処刑されたそうです。かなり軍内部で人望があったようで、軍の士気はかなり低迷していると考えられます」
アクはダンに十分だと頷いて答える。
「但し今回はいつもと違うところが一つだけあります」
「なんなんだよ」
ドイルがダンの言葉に反応する。
「今回は我々が攻撃をする側なんです。いつもは防衛戦ばかりでした。防衛戦は人数が少なくても戦えます。しかし攻撃側はその反対です。少ない人数で戦うことは不利でしかない」
ダンの話を聞いてドイルとハッサンは今気づいたように驚いた。
「それでバンガロウ軍はどんな作戦を採るんだ」
アクだけは冷静にダンの話の先を促す。
「はい。今回はハッサン将軍と私でシーサイドに向かいます。ドイル殿と宰相様にはリバーサイドに向かっていただきたいと思います。そこからエーゲル王国を挟撃しようと思います」
「無理だな」
アクはダンの作戦をバッサリと切り捨てた。
「無理とはどういうことですか?」
ダンはあまりにもハッキリとアクに拒否されたことで、少し怒りを込めて聞き返した。
「挟撃とは相手の意表をついた上で、さらに逃げ場を無くしたり誘い込むために行うものだ。他国に侵入するならば兵も物資も足りない。そんな状況での挟撃は自分たちの首を絞めるだけだ」
「しかし、相手の兵は士気が低下していて普通に戦っても勝てると思われます」
「軍師ならば最悪を想定しろ。安易な考えは全ての者を死なすことになるぞ」
アクの威圧を受けてダンが口ごもる。
「ならアクならどうするんだ」
ハッサンがダンの変わりにアクは質問を投げかける。
「それは・・・」
アクの作戦を聞いてハッサン達は反対を唱えた。
それにより作戦はダンが改めて考え直すことに決まった。
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