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大魔王になります5

評価いただきありがとうございます。


やる気モリモリです(*^_^*)

 「主様、差し出がましいお願いをしてもよろしいでしょうか」


 仲間になったばかりのハクが、普人族と判明したフードの男に言葉をかける。


「なんだ、俺の聞けることなら何でもいいぞ」

「ありがとうございます。主様のお名前はなんとおっしゃるんですか」

「名前、そういえば名乗ってなかったな」

「そうだそうだ。俺もお前の名前を知らないぞ」


 若が白に同調して囃し立てる。


「うるさい奴だな。俺の名前は砂丘サキュウ 修二シュウジだ。これでいいか?」

「ありがとうございます。主様と呼ぶことに変わりはありませんが、やはり主様の名前を聞いておきたくて」

「そうか。よし、じゃ旅を始めるぞ。まずは修行が出来て、住むことができる場所を探す」


 砂丘は東に向いて歩き出す。

砂丘にとって、故郷の土地も東の島国だった。

 だからか自然と足が東を向く、そしてそれは白が封印されていた土地の方でもあった。

 若は元来た道を戻り、白は自身が封印された場所を目指すことになる。


 三人の修業場所探しは三日で終わった。


 そこは本当に白が封印されていた場所だった。


「よし。ここにしよう」

「なんでここなんだよ」

「うん?何か不都合か?」

「ここは私が封印されていた場所です」

「白が、だからか・・・ここには強い地脈を感じる。白を封印するのにも使われてたんだろ」

「そうなのですか」

「ああ。だから修行場所に最適なんだ。俺が今から若に教える技は自然の力を利用する。特に龍脈などの地脈の力を使うんだ」

「龍脈?地脈?」


 若が砂丘の言葉を理解できずに聞き返す。


「龍脈も地脈もだいたい同じ意味だが、地脈は惑星の中を流れ循環している。 自然の力だな」

「自然の力?」

「おう。それを使って普通の人では起こせないような技を使うんだ」

「技?」

「そうだ。その技を象徴してシノビの極意と言う」

「シノビの極意?」

「そうだ。分かりやすくするために一つ技を見せてやる」


 そういうと砂丘は地面に手を置いて、目を瞑る。

すると岩だらけだった土地に木が生い茂り、砂丘達を囲むように小さな森ができる。


「なんだこれ?」


 若は何度目かの驚きの顔を出す。


「これがシノビの極意の一つ、木遁樹木活発だ」

「木遁?」

「おう。火遁・水遁・土遁・風遁の基礎があり、そこから発生する自然の力を使った技をシノビの極意と言う」

「それを俺に教えてくれるのか?」


 若は何となく砂丘と同じように地面に手を置くが何も感じない。


「そうだ。この世界でお前は俺の初めての弟子だ」


 砂丘は楽しそうに笑っているが、心の中では鬼のような修行内容を思い浮かべていた。


 若の後悔が先に立つことはない。

戦争の最中ということもあり、若の修業はそれはそれは酷いものだった・・・

 100mはある滝から突き落したり、火山の中で肌着だけで一週間過ごしたり、白の魔法で3000m上空に吹き飛ばされたり、山一つ分を掘り進んだりした。

 どの修行も体が悲鳴を上げようと砂丘は許さない。


「おい!こんな修行で本当に技が使えるようになるのかよ!」


 一カ月を過ぎて若にも余力ができたときに砂丘に叫んだ。

若も自分が強くなっている実感はある。

 だが、それだけで本当に技が使える様になるのかは疑問だった。


「そうだな。そろそろいいだろ。おいバカ弟子、今から言うことをやってみろ」


 砂丘が地面に手を置いたので、若は疑いながらも砂丘の言うとおり、地面に手を置く。


 修業をする前は、若は何も感じなかった。

改めて地面に手を置くと掌からまるで鼓動のようなものが伝わってくる。

 それは次第に大きく確かなものになっていく。


「感じるか、今お前が感じているのが自然の力、地脈だ」

「これが地脈?」

「魔法の属性はあるか?」

「獣人・鬼人は魔力が弱い。俺も魔法は少ししか使えない」

「属性を知らないのか、人間は全て魔法が使えるんだぞ。そして殆ど人の中には少なくても三種類の属性が使える才能がある」

「そんなこと誰もできないぞ。常識も知らないのか?お前は何を言っているんだ」


 若は砂丘の言っている意味が分からずに聞き返す。


「説明がめんどくさい。俺は六種類全ての属性が使える。特に得意なのは土だ、そういうことだ」


 砂丘は若に手の平を向けて魔力を探る。


「お前の得意な属性は水だな」

「水、そうなのか?」

「いいから。地面に手を置いて地面から水が湧き出るのをイメージしてみろ」


 若は半信半疑で地面に手を置いて水を思い浮かべる。

すると地面が割れて水が溢れ出る。


「はっはは!出た。俺が本当に魔法を使えた」

「魔法じゃねぇよ。それがシノビの極意だ。まだまだ今のままでは戦いには使えないから応用を覚えてもらうぞ」


 砂丘が言うことに若は頷いた。


「俺は強くなる。皆を守れる強さがほしい」


 砂丘はいくつかの修行課題を出した。


「まずはイメージが大切だ。地面に手を置いたまま水を自在に操る訓練をしろ。その間に俺は俺でやることがある」


 若は砂丘に放置されること三日間、修行に明け暮れた。

その間に砂丘は白と共に鬼人族を何人か救出してきた。


 砂丘が言うには王様は一人ではまれない。

若が強くなったとき盛り立てる民がいなくては困るということらしい・・・

いつも読んで頂きありがとうございます。

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