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探検者になります終

祝100話目

祝ブックマーク150人突破。


皆さんに応援していただきここまで書くことができました。

本当に本当にありがとうございます\(^^)/


これからもどうぞよろしくお願いします。


 ドラゴン達の主となり、ドラゴンマスターとなったアクは、短期間で五つの種族と交流することに成功した。セントセルス神興国との戦闘へ向けて準備を着実に進めていた。


「大きな友達が出来て良かったわね」


 アクが帰って来た時に、サーラと共に水龍の族長 白扇ハクセンを連れてきた。白扇とはアクがドラゴンマスターとなったときにアクが名つけた。


「ああ。こっちは白扇。水龍族の族長をしているんだ」

「白扇さんですか。アクの妻のエリスです」

「マスターの奥方か、これはこれはよろしく頼む」


 白扇は大きな体を片膝をつくことで、目線を合わせて頭を下げる。名前を付けてから何となく白扇が若返った気がする。


「奥方、実は話があるのですじゃ」


 片膝を突いたまま白扇が掟の話をしようとする。


「白扇、いきなり過ぎるだろ」

「しかしな、マスター。我々はこれを承知してもらわねば協力ができぬ」

「なんなのアク?隠し事はやめてね」

「わかった。白扇、俺が話す」


 白扇を下がらせ、アクがエリスの前に出る。


「エリス、聞いてほしいんだ。実は水龍、いや龍族の主になることになったんだ」

「主?どういうこと?」

「うん。白扇と戦って勝ったんだ。それから協力してくれることになったんだけど、その~龍族の掟でもう一つ条件があるんだ」

「条件?」

「ああ。サーラを俺の嫁にしなくてはならないんだ」

「サーラちゃんを、アクの奥さんに?どういうこと?」


 エリスの目が怖い。アクは顔を背けて、話の続きを語る。


「龍達はマスターを家族として迎えるんだ。その際に龍の姫をマスターの嫁にするのが掟なんだそうだ」

「龍の姫がサーラちゃんなの?」

「そうなんだ」

「ふ~ん」


 エリスが怖い。アクはエリスの審判を待つ気持ちで目を瞑る。


「はぁ~そんなに怯えなくてもいいわよ」

「えっと、エリス?」


 恐る恐る目を開ける。


「わかっているから、そんなに怯えなくていいわよ。村を立ち上げたときに、女の子ばっかりだったからね。何となくそうなるんじゃないかとは思っていたわ。アクは押しに弱いから」


 エリスは流石にアクのことをよくわかっている。


「ごめん」


 アクはバツが悪そうに頭を掻きながら謝る。


「本当よ。だけどこれだけは約束して、アクの一番は私だからね」

「もちろんだよ」


 エリスを抱きしめてキスをする。白扇の目も気にしないで、二人はイチャイチャしだしたので白扇は部屋を出ていく。


「エリス、これからも側にいてくれるかい?」

「もう、仕方ない人ね。死が二人を分かつまで側にいるわ」


 エリスにキスをする。二人は朝になるまで、ベッドで過ごした。アクが起きて食堂に行くと、お肌艶々になったエリスがニコやかに迎えてくれる。エリスの横にいつもは台所にいないサーラが立っていた。


「嫁になるのだ。私も旦那様の世話をせねばな」


 アクの視線に気づいてサーラが答える。サーラは意外に器用で、料理の下ごしらえをうまくこなしているらしい。


「アク、手紙が届いているわよ」


 サーラが気恥ずかしそうにしているので、エリスが助け舟を出す。


「サントンからか?」


 アクはエリスから手紙を受け取り開封する。そこには開戦の日時と、開戦は海で開かれることが記載されていた。さらに総大将としてセントハルク、作戦参謀の欄にアクの名前が記載されていた。


「ははは、サントンの奴。早く来いと催促しているな」


 アクは手紙の内容と、サントン達が何をしようとしているのか考える。セントハルクの作戦なら、確かに敵は倒せるだろうが大丈夫だろうか、サントンがついているから大丈夫だと思うが。


「アク?考え事をしているなら、食事を先にしたらどう?それに、せっかく友達が増えたんだから皆に話してみたら、そのために協力を求めたのもあるんでしょ」


 エリスに指摘されて、アクが顔を上げた際に、少女達や新たに留学してきたミルイ達、そして白扇もアクを見ていた。


「そうだな。皆、聞いてくれるか?」


 アクはバンガロウ王国の現状を話した。セントセルス神興国が、アースにも侵攻を考えていることを含めて話をする。

 さらにバンガロウ王国の総大将を務める男は強いが、バンガロウ王国を守るためなら手段を選ばない作戦を考えつくこと、そのためアクはセントセルス神興国すらも守る作戦を考えなければならないことなどを話したのだ。


「皆に力を貸してほしい」


 アクは話を終えて頭を下げた。しばし誰も声を上げなかった。頭を下げたアクの肩に手が置かれる。


「マスター。私はマスターの味方」


 それはヨナだった。


「そうだね。仕方ないから協力してあげるよ」


 次いでルーとシーラも続き、少女達はアクの側に来て肩を叩いていく。


「あたし等は直接戦闘には参加できないけど、諜報関係なら得意だよ」


 ミルイも少し照れながら賛同してくれる。


「ワシらは主殿のシモベ。好きに使われよ」


 アクがこれまで築きあげたものは、本当に強い絆となって大きな力になっていた。


「ありがとう……」


 アクは頭を下げながら嬉しそうに笑って、顔を上げてもう一度礼を言う。


「アク、大きな戦が始まるのね」

「ああ」

「あなたならどんな奇跡も起こせるわ。また私に奇跡を見せて頂戴」


 エリスがそういうとアクの頬にキスをした。新たな決戦へ向けて決意を固める。

いつも読んで頂きありがとうございます。


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