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苦手な方はご注意ください。

猫、飼いたいです、、、

***BL*** 猫を飼いたい僕は、猫を飼っている友達とルームシェアする事になりました。ハッピーエンドです。


!!!



ペット可!

小型犬猫に限る!

入居者募集中!


 おお!、、、。

 


 丁度、アパートの更新が近付いていた。

 前々から、猫が飼いたかったんだ。


 昨今の不動産事情も色々あるのかな?と思いながら、信号の有る十字路、2階の貼り紙に引き付けられた、、、。


 どうなるかわからないけど、取り敢えず、その薄暗い階段を登ってみる。玄関に貼り紙がしてあって、詳細を読んだ。



 うん、だめだな、、、。部屋数が多いからか、家賃がちょっと高い。


 猫と一緒に暮らしたい。それには、まず猫が飼える物件を探して、入居するべきだ、、、。


 僕の予算では、この3分の2しか出せない、、、。もっと狭くても良いから、予算内に収まる部屋を探さないと、、、。



「池畑?」

僕が階段を降りて行くと、中学の時、同級生だった宮地が登って来た。

「宮地、このマンション?」

「いや、2階の部屋に興味があって」

「ペット可の部屋?」

「、、、そう、、、」

「何飼ってるの?」

「え?猫」

「猫!」

はふ〜ん、、、。

「いいなぁ、、、」

「え、猫好きなの?」

「飼いたいんだよね」

「あ、じゃあ、2階の空き部屋、もしかして?」

「いや、まだ、、、」

「良かったぁ、、、」

「、、、借りるの?」

「借りられたら」

「どんな猫?」

「サバトラ」

「い、いいい、色は?」

「白と黒?」

「宮地っ!友達になろう!」

「え、、、」



*****



「買う前から、ペット可の部屋を探してるんだ。偉いな」

「だって、、、」

「此処はダメなの?」

「広いから家賃も高いよ」

二人で、部屋の前まで足を運ぶ。

 玄関に間取りと家賃、管理費が張り出してあって、宮地は確認した。

「確かにちょっと高いな、、、。部屋数は申し分無いけど」

「ね、、、」

「池畑、半分出せる?」

「半分なら余裕」

「交渉してみる?」

「交渉?!」

「そ、俺と池畑でシェアするの」

「出来るかな?」

「聞いてみないとわからないなら、聞いてみようよ」

そう言って、宮地は貼り紙に書いてある不動産屋に電話をした。

「池端、今日時間ある?」

「あるよ」

「詳しく聞きたいなら、今から不動産屋行く?」

「え、、、?」

「俺だけ行っても良いけど?」

「いや、僕も行くよ」

「了解!」

何か、あれよあれよと話しが進んで行く。

宮地は通話を終了すると

「駅前の不動産屋だって」

と言いながら階段を降り始めた。



*****



 僕達が不動産屋に行くと、さっき電話で対応してくれた山下さんが出迎えてくれた。

「宮地さんですね。そちらは一緒に住む予定の?」

「池畑くんです」

僕は、ペコリとお辞儀をした。

「宮地さん、大家さんに確認したらシェア大丈夫だそうです。詳しいお話しをしてから内覧と言う形でどうですか?」

「池畑は大丈夫?」

「今日は何も予定が無いから平気」

山下さんが椅子を勧めてくれて、二人で座る。

 間取りはさっき見た通りだった。

「この部屋は道路に凄く近いから、ベランダも洗濯物を干すだけのスペースしかありません。しかも北側です。西側は小さな窓なので、部屋の中はいつも電気を点けて生活する感じなんですよ。それでなかなか借り手が決まらなくて」

「今日、中が見れるんですよね」

「勿論です。一階が美容室になっていますが、音で悩まされる心配はありません。前に住んでいた方も気に入っていたんですが、田舎に帰る事になったそうで」

 駅まで歩いて7分位の物件。二人で住んでも、各々部屋が持てるし、悪くは無い、、、。

 駅下にはスーパーがあるし、飲食店も居酒屋もある。駅からちょっと歩くけど、近くに大きなペットショップもあった。

 しかも、二人で住んで折半したら普通の家賃より断然安い。

 でも、いきなりシェアハウスになって、宮地は大丈夫かな?


 徒歩7分を3人で歩く、歩道も広いし歩きやすい。総合病院も近くにある。車が無くても生活は出来そうなんだよな。

 前を歩く宮地と山下さんは何やら二人で盛り上がっている。


 部屋の中は暗いけど、僕の実家のマンションもいつも暗いから電気は昼間も使っていた。だから、そんなに気にならなかった。

「ペットが飼えるマンションにしたので、壁紙もペット用なんですよ」

その一言で宮地は乗り気になっていた。

「池畑はどう思う?」

何か、こんなにどんどん話しが決まって行くと、ちょっと不安になって来る。

「宮地、あの、、、良いと思うんだけど、もう少し二人で話しがしたい、、、」

「良いよ。山下さん、返事はいつまで待てますか?」

「今の所、他のお客さんもいらっしゃらないので、一週間後でも大丈夫ですよ?もし、どなたか内覧希望の方がいらっしゃったら、お電話しましょうか?」

「お願いできますか?」

「勿論、勿論」

「もっと早くお返事出来そうなら、こちらからも連絡します」

僕達は、山下さんと一度不動産屋に戻り、間取り図を貰い、仮契約をした。


「ごめん、宮地。すぐに決められれば良かったんだけど、、、」

「良いよ、良いよ。安い買い物じゃないんだから。それよりさ、猫、見に来ない?」

「え?いいの?行きたい、、、」

「うちの猫、めちゃ可愛いよ」

ふわぁ〜。

 

 何だかんだと時間が掛かり、お腹が空いた僕達は、どうせなら弁当を買って行く事にした。

 二人でコンビニに寄り、弁当を選ぶ。店内をフラフラしていると、猫のおやつを見つけてしまった。

「宮地!宮地!おやつ買っても良い?」

「良いよ、ついでに酒も買う?」

「え?」

宮地は僕が持っていた、猫用のおやつを見て笑う。

「猫のおやつも、人間のおやつも買おうよ」

宮地の提案に二人で酒とツマミも選んだ。



*****



 宮地の家は、学生が住む様なワンルームの部屋だった。

「狭いだろ?」

玄関を入ると右側にユニットバス、左手には小さな一口ひとくちコンロがあるキッチン。廊下で調理をする事になりそうだ。背の高い宮地が立つと廊下は一杯一杯になり、通れなくなる。

 

 僕は宮地の後ろを着いて行く。

「にゃにゃ。ただいま」

 3メートルも無い狭い廊下の先に、6畳位の部屋があった。猫はいない。

「ごめん、警戒して隠れてる。暫くしたら出て来るから、普通にしてて。お弁当温めるね」

宮地は先に僕のお弁当を温めてくれた。

 僕は、にゃにゃちゃんが何処に隠れているのか探す。部屋の中を見回しても居ない。

 ユニットバスの方かな?と思いながら


 ん?


と思った。何と無く、宮地の畳んだ布団を見ると、壁と布団の間にちょこんと耳が見える。


 可愛い〜!


こっちに来ないかな?と思いながら、そっと眺めていた。


 二度目の電子レンジの音が鳴ると、宮地はお弁当を持って来てくれた。

 小さい簡易テーブルにお弁当と缶ビールを載せるとギリギリだ。

「池畑は、何で一人暮らししてるの?」

うちは兄弟が多くてさ、ずっと自分の部屋が欲しかったんだ。就職して、自立出来る様になってすぐ一人暮らし始めた。宮地くんは?」

「俺は、両親の離婚。どっちか選ぶのも無理だしね」

「そっか」

にゃにゃちゃんがそっと出て来た。

 僕は、にゃにゃちゃんが驚くといけないから、静かに見ていた。

「にゃにゃ、ご飯?」

宮地を見ながら、尻尾を大きく振った。可愛い。

「見てて」

「にゃにゃ、ご飯食べるの?」

また尻尾を振る。

「ご飯食べたい時、尻尾を振るんだ」

「ふわぁ、、、」

僕は小さな声で言う。



**********



 え?池畑って、こんなに可愛かったっけ?

 にゃにゃを見ている池畑が可愛い、、、。

 中学の時も、ちょっと良いなとは思っていた。だから、今日久しぶりに会った時、引き止めてばかりいた。

 シェアの話しもいきなり過ぎて、すぐ断られると思ったけど、ちゃんと考えてくれるみたいだし。

 シェア出来なくても、たまに一緒に遊びに行けると良いな、、、。

「宮地、おやつ上げても良い?」

「あ、さっき買ったやつ?一個だけね。いきなり沢山上げるとご飯食べなくなるから」

「これって、皿に出した方が良いの?」

「指先に少し出しても良いし、ちょっとずつ出して、直に上げても良いよ」

「指に出しても良いの?」

「貸して」

俺は、猫用の液状おやつの封を開ける。

「指、出して」

池畑が人差し指を出した。俺は彼の手を支えて、ほんの少し指先に出した。

「にゃにゃ」

池畑の手を持って、にゃにゃの鼻先におやつを見せた。

 にゃにゃは、池畑の指先の匂いを嗅いで、ペロッと舐めた。一度舐めたら警戒心がなくなり、ペロペロ舐めて、おやつが無くなった指をクンクンした。

「にゃぁ」

「、、、宮地ぃ、、、可愛い、、、」

俺は池畑の指先におやつを出す。

 にゃにゃは、池畑の膝に前足を掛けておやつを食べた。指先のおやつはすぐに無くなる。にゃにゃは、もっともっとと池畑の膝に両前足を載せてせがむ。

「池畑、おやつ持ってにゃにゃに上げて、少しずつ出したら綺麗に食べるから」

池畑はおやつを受け取ると、にゃにゃの口元で少しずつゆっくり絞り出した。

 にゃにゃは一所懸命舐めた。おやつが無くなっても、諦められないのか止めない。俺がゴミを受け取ると、にゃにゃは口元をペロリと舐めて水を飲みに行った。

「池畑も手を洗って」

キッチンで手を洗う。

「ここさ、ペット禁止なんだ、、、」

「大丈夫なの?」

手を洗いながら心配してくれる。

「まだ、子猫の時に拾って、元気になったら放せば良いやって思ってた、、、」

蛇口を閉めて、水を止める。

「でも、ダメだな。あと少し、あと1日ってどんどん伸ばしちゃう。あのマンションも此処より4万円も高いんだ」

池畑にタオルを渡す。

「払えない訳じゃ無いけど、ちょっと躊躇するよね」

「そっか、、、」

にゃにゃが池畑の足元にすり寄る。俺はにゃにゃを抱き上げ

「一緒に住みたいにゃぁ」

とお願いしてみた。



**********



 宮地がにゃにゃちゃんのフリをして

「一緒に住みたいにゃぁ」

なんて言うから、シェアの話しちゃんと考えないと、、、。

 魅力的なのは、家賃がかなり安くなる事、にゃにゃちゃんと一緒に住める事。不安要素は他人と一緒に住めるかどうか、、、。駅からの距離も悪く無いし、大家さんも山下さんも良い人そうだし、、、。

「宮地はさ、他人と一緒に住むの平気?」

「そうだな、、、お互い自分の部屋があるし、会社の寮だと思えば平気かな」

「そっか」

「やっぱり、他人と住むのは不安だよね」

「うーん。家賃安くなるし、にゃにゃちゃんも可愛いし好条件なんだけど、さっき再会したばかりでいきなり同居出来るかな?って、、、」

「じゃあ、明日の夕方まで一緒に過ごしてみる?狭いけど」

「え」

「にゃにゃの事もわかるよ」

にゃにゃちゃんは宮地の足元で、小さくにゃぁと鳴いた。

「ごめん、ごめん。ご飯ね」

彼はそう言って、にゃにゃちゃんにご飯を少し上げた。にゃにゃちゃんはカリカリ音を立てて食べる。そして何粒か残して部屋の中を散歩した。



**********



 池畑は缶ビール2本で酔っていた。ちょっと顔が赤くて、にゃにゃが可愛い可愛いと褒める。

 でも、大きな声を出したり、しつこく追い回したりはしない。

 遠くから眺めて、小さな声で褒めていた。


「宮地、にゃにゃちゃんの写真持って無いの?」

「あるよ」

「見せて見せて!」

池畑は、にゃにゃの写真を見たがる。

 にゃにゃを拾って来た時、病気になっていたのか目ヤニが酷くて病院に連れて行った。

 動物病院の先生に治療をして貰い、エリザベスカラーを付けた。

 その頃の写真を見ると

「可愛い、、、まだ小っちゃいね、、、」

と嬉しそうに見る。


 俺はビールを注ぎながら、病院でシャンプーをした方が良いと言われた話しをした。

「ノミとか感染症とかあるから、シャンプーするんだけど、小さいから怖くて怖くて、、、。ドライヤーの音も風も怖いのかめちゃくちゃ鳴いたんだよ」



*****



 ふと気が付くと、池畑は俺を抱き枕にして寝ていた。

 兄弟が多いって言ってたから、弟と間違えてるのかな?


 それにしても、人肌って気持ち良いんだ、、、。何だか安心してしまう。



**********


 

 夜中に一度目が覚めて、実家にいるんだと錯覚した。

 弟と寝てると思ったんだ。


 でも、違った、、、。


 宮地の腕の中で寝ている自分が恥ずかしい。それに、彼はまだ寝ているみたいで動けない。

 深く眠れた所為かこれ以上は寝れないし、、、でもどうしようかな、、、。

「、、、池畑、、、起きた?」

宮地の寝起きの声が、少し掠れててでドキッとする。

「うん、起きたよ」

彼の顔を見上げて返事をすると

「池畑、可愛い、、、」

と言って髪にキスをされた。

「???」

「、、、あー、、、。ごめん、今の無しにして」

一度、僕をギュッとして

「朝飯食おう!腹減った!」

と誤魔化した。寝惚けて誰かと間違えたのかな?

 宮地が布団から出ると、にゃにゃちゃんが近寄って来てご飯を催促している。

 僕は布団の中で、にゃにゃちゃんにご飯を上げる宮地を眺めていた。



 何か良いな、、、。



 宮地が落ち着いているからか、年上に見えた。

 僕は長男と言っても、頼りないお兄ちゃんで、年子の弟の方が何でも出来た。弟達が頼るのも年子の弟の方だ。

 そして、僕は昔から少し年上の男性が好きだった。

 待って、、、宮地って、凄くカッコ良いよね?。え?めちゃくちゃ好きなタイプなんだけど、、、。

「池畑、コーヒー飲む?」

キッチンから聞いてくれた。

「飲みたい」

「砂糖と牛乳入れる?」

「うん、砂糖一つと牛乳も」

「ん」

、、、宮地の「ん」って言う返事の仕方、好きだな。

「宮地はさ、、、彼女いないの?」

ポロっと聞いてしまった。

「残念ながら」

「ふぅ〜ん、意外、、、」

「そうかな?池畑は?」

「僕には恋人なんて出来ないよ」

僕は布団を畳んで、簡易テーブルを出した。宮地がコーヒーを二つ持って来る。

「にゃにゃ、危ないからね」

声を掛けながらコーヒーをテーブルに置いた。

「あの、、、さ。僕、男の人が恋愛対象なんだけど、それでも一緒に住める?」

「誰か好きな人がいるの?」

「今は誰も」

「俺は気にならないよ。ただ、一緒に住んだら、部屋には呼んで欲しく無いかな、、、。そう言う事が始まると、、、その、、、やっぱり、ね」

「あ!勿論そうだよね!ちゃんとルールは決めよう。、、、ごめん、変な話しして、隠して同居したら、宮地が後で知った時イヤな気持ちになると思って、、、」

「大丈夫だよ。ちゃんと話してくれてありがとう」



 二杯目のコーヒーを飲みながら、ペット可のマンション相場を調べてみた。

 宮地は一度調べた事があるらしく、あのマンションはお得感があるらしい。

「池畑の更新はいつあるの?」

「2ヶ月後」

「契約解除の連絡はいつまで?」

「1ヶ月前までだから、そろそろ決めたいんだ」

「そうだね、、、」



**********



 池畑の恋愛対象が男性と聞いても、イヤな気持ちにはならなかった。むしろ、ホッとした様な嬉しい様な、よくわからない気持ちになった。


 一緒に住みたい。あのマンションも気に入ったし、二人で住めば家賃の心配も無いし。


 

**********



 宮地は、僕の事情を話しても気にしなかった。それが安心材料になったのか、マンションをシェアしても良いな、、、と思い始めている。

 我ながら単純だと思いながら、宮地の性格とか、仕草、気遣い、にゃにゃちゃんとの生活の仕方を見ていると宮地に惹かれていく自分に気付く。


 好きになっちゃうかも、、、。


 と言うか、もう好きかも、、、。

 


「飯、どうする?」

お腹はペコペコだった。急に泊まる事になったから、朝食までは買って無かったし。

「外に食べに行こうか」

にゃにゃちゃんは畳んだ布団の上で寝ている。

「知らない人が居たから、にゃにゃちゃんも疲れてるよね」

そう言うと、宮地が

「じゃあ、ちょっと出掛けよう」

と外出の準備を始めた。


 僕が玄関に向かうと、後ろから髪の毛を触り

「寝癖ついてる」

と言われた。恥ずかしくて

「嘘っ!」

と頭を触ると

「来て」

と言ってキッチンで手を濡らし、僕の跳ねた髪の毛を直してくれる。

 最後にドライヤーで乾かす。

 その手が優しくてドキドキした。

「ありがとう」

「どう致しまして」

にっこり笑ってドライヤーを仕舞う。


 かっこ良いな、、、。


 宮地に彼女が居ないのが本当に謎だった。



*****



 朝食兼早めの昼食を取る。

 まだ、モーニングが食べられる時間だった。

「俺さ、にゃにゃの爪切るの苦手なんだ」

「え?猫って爪切るの?」

「そう。切らないと引っ掻かれた時、血が出るよ。たまに、ズボンに爪が引っ掛かって困る。色々調べて、抱っこして切るとか洗濯ネットに入れるとかあるけど、上手く出来ないからペットショップで切って貰うんだ。でも、なかなか予約が取れなくて」

モーニングに付いて来た小さなサラダを、フォークでつつきながら宮地が言う。

「あ、今は爪切れてるから平気だよ。おやつ上げながら爪を切る方法もあるけど、俺には無理だったんだ。だから、爪が伸びてる時は気を付けて」

「じゃあ、僕がおやつを上げている間に宮地が爪を切るとかどうかな?」

「それなら出来るかも」

宮地はちょっと嬉しそうだった。

「今日、やってみる?」

「そうだね、挑戦してみようか。池畑が切ってみる?」

僕は、クロワッサンのハムサンドを頬張りながら、首を振った。咀嚼して、サンドイッチを飲み込んでから

「無理無理無理、、、怖くて出来ないよ」

と言うと

「そんなに怖がらなくても」

と笑う。

「だって、あんなに小さな手だよ?爪なんてめちゃくちゃ小さそう!間違って深爪したらどうするの?」

「猫の爪ってさ、透けてるから切っちゃいけない部分がわかるんだよ。だから、ちゃんと見て切れば深爪なんてしないんだ」

「へぇ〜、、、」

僕は猫が飼いたいと思いながら、ただ可愛いくて、犬みたいに散歩に行かなくて良いと言う理由で選んでいた。

 


 二人で出掛けようかと思ったけど、折角一緒にいるからにゃにゃちゃんの爪切りに挑戦する事にした。


 宮地のマンションに戻ると、にゃにゃちゃんは布団の上からこちらを見ている。

「にゃにゃ、ただいま」

と宮地が言うと、畳んだ布団から降りて宮地にまとわりつく。

「どうやったら良い?」

「そうしたら、ちょっと布団に寄り掛かってくれる?」

宮地は液状のおやつの封を開ける。

「沢山上げるとすぐ無くなっちゃうから、少しずつね」

にゃにゃちゃんを抱いて、僕のお腹の上に載せた。

「にゃにゃ、おやつだよ」

「にゃにゃちゃぁ〜ん」

僕は言われた通り、少しずつおやつを上げた。

 にゃにゃちゃんがおやつに夢中になっている隙に、宮地が爪を切っていく。

「すごい、やりやすい、、、」

とか

「いつもよりちゃんと切れる」

なんて言って、あっと言う間に全部切れた。

「池畑、全部の爪切れたから、おやつ上げちゃっても良いよ」

僕は、一度に出す量を増やして上げた。

 全部食べ終わると満足したのか、僕のお腹の上から降りて行く。

「池畑、ありがとう。やりやすかった。どうしても無理な時は、池畑を呼ぼうかな」

猫用の爪切りを片付けながら、宮地が言う。

「これでしばらくは爪切りしなくて済むよ」

宮地は本当に嬉しそうな顔をした。



*****



 宮地のスマホに着信があった。

「あ、山下さん」

僕はドキッとした。あのマンション、他から問い合わせが来たのかな?

 宮地が電話に出て、話しを聞いている。

「わかりました。池畑くんにも伝えて、お返事します」

そう言って、通話を切ると

「あのマンション、一件問い合わせが来てるって」

僕は少し考えた。宮地は良い人だ。僕に気を使ってくれるし、にゃにゃちゃんは可愛い。

「宮地は僕と一緒に暮らす事に抵抗は無い?」

「無いよ。一緒に暮らしてくれたら嬉しい」

「それなら、お願いします」

僕はつい、お辞儀をしてしまった。

「こちらこそ、お願いします」

「じゃあ、山下さんに連絡するよ」

そう言って電話を掛けてくれた。

 山下さんは時間があるなら手続きに来て欲しいと言っている様で、僕と宮地はにゃにゃちゃんに少しご飯を置いて不動産屋に向かった。



**********



 池畑が一緒に住んでくれる事になってから、話しは早かった。

 今、住んでるマンションを解約して、引越し業者に荷物を頼み、先に俺が入居して、一週間遅れて池畑が入居した。

 契約は俺の名前にした。保証人は池畑でも良いと大家さんが言ってくれたから、助かった。



 玄関の鍵がカチャリと鳴って、ドアが開く。

「ただいま」

と言いながら、池畑が帰って来る。

 にゃにゃは、あっという間に池畑に慣れた。

 彼が鍵を開ける前から耳を立てて玄関をジッと見る。階段を上がって来る足音がわかるみたいだ。

 廊下を歩いてリビングに入って来ると、にゃにゃが池畑に擦り寄る。

「にゃにゃぁ、ただいま」

にゃにゃに会うと顔の筋肉が緩むのか、フニャフニャの池畑になる。

 この顔も好きなんだよな。

「お疲れ、ビール飲む?」

「飲みたーい、、、」

鞄を置き、上着を脱ぎながら返事をする。

 俺は冷蔵庫からビールを取り出すと、グラスを二つ出して注ぐ。

「ん」

と言って、グラスを渡すと池畑は一気に飲んだ。

「くぅぅぅっ、、、!」

美味そうに飲むんだよな。と思う。


 一人暮らしの時は、狭い部屋で誰とも話す事が無かった。

 今は、池畑とにゃにゃが居る。それだけで、家の中が明るくて温かいと感じる。

 不思議だな、と思いながら、ホッとする。


「はぁ、生き返った。ちょっとシャワー浴びて来るね」

池畑は、家に帰るとすぐシャワーを浴びる。

 15分程で風呂場のドアが開く音がして、しばらくするとドライヤーを掛ける音。

 脱衣場の扉が開き

「宮地、洗濯物ある?」

と聞きながら、家中のタオルを集めて取り替える。

「洗濯カゴに入れた」

返事をすると

「オッケー!」

と言って洗濯を始める。


 池畑は頼りない感じがしたけど、家事は率先してやるタイプだった。兄弟が多い所為かな?シャワーの後もちゃんと風呂場を掃除してから出て来る。

 今日は、俺の方が定時で上がったから晩飯を作って置いた。ハヤシライス。市販のルーを使うから簡単だし、俺が食べたかったから。

 池畑がリビングに来るタイミングで鍋の火を消し、装る。二人分持ってリビングに運ぶと池畑は缶ビールとグラスを二つ持って来た。

「はぁ、家に帰るとご飯が出来てるって幸せ」

と言いながら手を合わせて

「頂きます」

と小さなお辞儀をする。

俺も習って頂きますと言うと

「美味い!」

と言ってくれる。

「市販のルーだからね」

「それでも美味いよ!米も丁度良い硬さだし」

もう一口食べると

「やっぱり美味い」

と言う。

 池畑と俺の食の好みは同じらしく、前回カレーを作った時

「カレー食べたかったんだ!」

と喜んだ。その時も嬉しかった。



**********



 ハヤシライスを食べていると、にゃにゃもご飯を食べ始める。

「にゃにゃって、僕達がご飯食べ始めると一緒に食べるよね」

「そうなんだよね。だから、うっかり上げ過ぎちゃうんだ」

宮地はにゃにゃを見ながら笑う。

 たったそれだけの事なのに、僕は胸がキュンとなってしまう。

 1日分のご飯の量は、宮地が毎日計って小さな容器に入れている。身体が小さいから、少し上げ過ぎただけで、すぐ体重が増えるらしい。

 僕が上げる時もその容器からにゃにゃのお皿に移す。

「明日さ、会社の飲み会なんだ。にゃにゃのご飯頼んでも良いかな?」

「勿論だよ。にゃにゃと留守番してるから、楽しんで来て」

「ありがとう。助かるよ」

僕は食べ終わって立ち上がる。

「食器持って行っても良い?」

「俺が」

「いいよ、いいよ。ご飯作ってくれたんだもん。洗い物は僕がやるよ」

二人分食器を持ってキッチンに行くと、すぐに洗い始めた。洗濯機の注水が終わっていたから、ついでに洗剤を入れに行く。

「後30分で洗濯終わるよ」

と言って隣に座る。

 にゃにゃがご飯を食べたのに、にゃあにゃあ鳴くと宮地が

「にゃにゃ、どうしたの?」

と聞いていた。



*****



 朝は一緒に家を出る。駅まで歩き、同じ電車に乗る。隣の駅までの間に大きな川が流れていて、この川を挟んで此方側は家賃相場が安くなる。だから、仕事場はちょっと離れても、地元の友達は意外と近所に住んでいる。

 僕は隣の駅で降りるけど、宮地はもっと先まで電車に乗る。



*****



 定時で帰れる予定だったけど、もうすぐ終業時間と言うタイミングで電話が掛かって来てしまい、ちょっと遅くなった。

 にゃにゃにご飯を置いて来たけど、やっぱり心配だ。

 宮地は飲み会で晩飯はいらないから、駅下のスーパーで買い物をする。このスーパーはいつも混んでいて、やっぱり時間が掛かってしまった。

 僕は早歩きで帰ると、急いで玄関を開ける。

 薄暗い部屋。

 北側のカーテンは、一部開けてあるから外から街灯の光が差し込んでいる。

「にゃにゃ、ごめんね!」

にゃにゃは、自分専用のクッションの中で寝ていた。

 電気を点けると、眩しそうな顔をしてこちらを見ている。

 ご飯のお皿は朝上げた餌が半分残っていた。

 僕は急いでご飯を上げる。

「お腹空いたね」

と言いながら、にゃにゃにお皿を差し出した。

 それから、買って来た物を冷蔵庫にしまい、シャワーを浴びる。

 僕はお風呂場から出ると、お弁当とビールを準備してリビングに行く。

「はぁ、お腹空いた」

缶ビールの蓋を開け、グラスに注いで一気に飲んだ。

「幸せ〜!」

温めたお弁当を食べていると、どこからか規則正しい音が聞こえて来た。


 何の音?


 コプッ、コプッ、コプッ、コプッ、コプッ


 え?聞いた事の無い音だ、、、。

 流しが詰まってるのかな?


 と、思って部屋を見回すと、にゃにゃが下を向いてコプコプしていた。

「にゃにゃ?!」

にゃにゃがいきなり吐いた。さっき食べたご飯を全部出してしまったみたいで、僕はどうしたら良いか分からなかった。

 にゃにゃはその後、もう少し吐いてから何処に行ってしまった。

 フローリングに吐いてしまった物をティッシュで拭き取り、小さなビニール袋に入れた。雑巾で床を掃除しながら、もし何か病気だったらと不安になって来た。

 にゃにゃは元気そうだけど、宮地はまだ飲み会から帰って来ない。

 小さな身体をひくつかせ、吐いていたにゃにゃが心配だった。



**********



 玄関を開けて入る。家に電気が点いてると何だか嬉しい。

「ただいま」

と声を掛けるとリビングから池畑が

「宮地、、、」

と不安そうな顔を見せた。

「池畑、どうした?」

「にゃにゃが吐いた」

「どこに?」

「リビングのフローリングに」

俺はリビングに入り、片付けをしようとした。

「もう片付けた、、、」

「吐いた物、何だったかわかる?」

池畑はビール袋を流しで割いて、中を見せてくれた。

「これなんだけど、、、」

「これなら大丈夫。にゃにゃの毛と、餌だけだから」

俺は、新しいビニール袋にゴミを捨てて手を洗う。

「池畑も」

と言って、石鹸で手を洗わせた。

「吐いた後、何か食べた?」

「怖くて、上げられなかった、、、」

「大丈夫、心配しなくて良いよ」

俺はにゃにゃのご飯の皿を洗って、新しい餌と普段はあまり上げないウエットタイプの餌を混ぜた。

「にゃにゃ、大丈夫かな?」

「心配?」

池畑は不安で泣きそうだった。

 にゃにゃはお腹が空いていたのか、鳴きながら足元でスリスリしている。

「はい、池畑が上げて」

池畑はお皿を受け取ると、にゃにゃの前に置いた。

「にゃにゃ、、、」

にゃにゃは、ハグハグ凄い勢いで食べた。

「また吐いたらどうしよう、、、」

そう言って、俺のシャツを掴む。

 にゃにゃはお腹いっぱいになって、満足した様だった。

 にゃにゃの後に着いて行き、リビングの座椅子型のソファに座る。池畑はにゃにゃの頭を撫で続けた。

「ちょっと様子見る?」

池畑は、小さく頷く。

「うん」



*****



 暫くするとにゃにゃは寝てしまった。池畑も少し安心した様だった。

 つい、池畑の頭を撫でてしまう。

「猫って吐きやすいんだ。毛繕いした毛を吐く事もあるし、ご飯の食べ過ぎでも吐くよ。だから、あまり気にしないで、、、今日は食べた餌とにゃにゃの毛を吐いただけだし、今は寝てるから大丈夫だよ」

「良かった、、、。吐いてるのをみたら、びっくりして、、、」

「初めて見ると驚くよね」

「定時で上がれると思ったら、ちょっと残業になっちゃって、慌てて帰ったんだ。にゃにゃ、朝上げたご飯半分残していたし、凄い勢いでご飯食べたと思ったら吐いちゃうから、病気かと思った」

「昼間ずっと寝てたんだろうな。池畑がくれたご飯を慌てて食べたからだと思う」

「慌てて食べると吐いちゃうの?」

「そ、後は、カリカリに飽きるとワザと吐くよ。ウエットタイプのを混ぜると、勿体無いのか吐かないね、、、」

ふふっと、池畑が笑う。

「ワザとって、、、」

「安心した?」

「うん」

「そっか、、、良かった、、、」

池畑が俺に寄り掛かって来た。

「怖かった、、、。にゃにゃが死んだらどうしようかと思った」

頭をすりすり擦り付けてくる。


 可愛いな、、、。


「心配してくれてありがとう」

俺はそっと抱き締めた。池畑の髪の毛がサラサラしてる。シャンプーの匂い。深呼吸をして、瞼を閉じると気持ち良くて寝てしまう。

 飲み会で飲んだアルコールが、丁度良く回って来たみたいだ。

 


**********



 僕は、宮地の上着からほんのり香水の匂いがする事に気が付いた。

 犬は鼻が良いって知ってるけど、実は猫も鼻が利くらしい。だから、僕達は香水を付けない。洗濯に使う柔軟剤も最近のは匂いがキツイから、使わない。

「宮地、、、彼女出来たの?」

、、、寝てる。

 耳元で寝息が聞こえて来る。

「何で彼女なんて作ったんだよ、、、ばか」

もう僕はかなり宮地が好きなのに、どうして今なんだよ。

「僕だって、宮地の事好きなんだぞ、、、」

「え、、、そうなの?」

「!!!?」 

「池畑、、、俺の事好きだったんだぁ、、、」 

ちょっと寝惚けた声だった。

 僕に回した腕にギュッと力を込めて、頬擦りして来る。

「そう言う事は彼女にした方が良いよ」

「じゃあ、池畑が彼女になってよ」

まだちょっと眠そうだ、、、。

「宮地には彼女がいるだろ?」

「いないって、、、」

「だって、女性用の香水の香りがする」

「ホント?」

僕は、宮地を押し退け上着の匂いを嗅ぐ。

「ほら、この辺、、、」

宮地も匂いを嗅ごうとして届かなかった。モゾモゾと上着を脱いで

「どこ?」

と広げる。確か、右胸下辺り、、、。

「ここ、この香り」

「うーん。今日上着持って貰ったからかなぁ。彼女なんていないよ。それより、さっきの返事」

「う、、、。何で聞いてたんだよ、、、」

宮地が上着をポイッと投げた。バサっと床に落ちる音に、にゃにゃがびっくりしている。

 にゃにゃはゆっくり起き出し、ソファから降りた。

「彼女になってって話し、、、」

僕は、宮地が投げた服を拾いに行こうとした。あのままにしたら、皺が出来ちゃう。

「池畑」

僕の手を取り、引き寄せた。

「返事」

「宮地は女が好きでしょ?」

「今まではね」

「じゃあ、僕じゃないよね?」

「池畑が好きだよ。だから彼女になって」

「ホントに?」

僕は宮地の言葉を信じる事が出来なかった。



**********



 お互い好きだと言ってるのに、どうして池畑は信じてくれないんだろう、、、。

 俺は池畑の腰に腕を回し、しっかりと捕まえる。

「池畑、こっち見て」

そう言うと、仕方無いなと言う感じで俺を見る。

「池畑が可愛いと思う。池畑といると気持ちが穏やかになるし、一緒にいたいと思う。それじゃあ、ダメかな?」



**********



「僕も宮地の事好きだよ。でも、、、。彼女になるって、付き合うって事だよね?」

「そうだよ」

「付き合ったらさ、キスしたり、それ以上するんだよ?僕、男だよ?」

僕は宮地としたいけどさ、、、。

「だから?」

「!」

「池畑なら良い」

「無理しなくて良いよ、、、」

何だか淋しくなって来た。でも、宮地は僕と違うから、、、。

「今まで通りで良いでしょ?その方がお互いの為


グイッ!っと首に手を回されて引き寄せられた。


えっ?!


 宮地がキスをした。


「ちょっ、、、」


強引なキスだ。


「宮地!、、、


最初は濃厚なキスだったのに、少しずつ優しくなる。ゆっくり、ゆっくり甘いキスに変わって行く。

 最後は触れるだけのキスになって、僕の唇をそっと噛む、、、。


 キスって気持ち良いんだ、、、。


 宮地はぼんやりした僕をそっと抱き締めて

「気持ち良かった?」

と聞いて来た。

 僕は頷いた。だって、気持ち良かったのは事実なんだ。

「もっと気持ち良い事出来るけど?」

耳元で囁かれて、僕は反応に困った。

「いい、いらないっ!」

僕は首を振る。これ以上気持ち良いのは困るっ!

「何で?俺は平気だよ?」

「僕は困るからっ!」

腕を突っ張り、宮地から離れる。

「気持ち良いのが困るなんて変だね」

「兎に角、止めて!」

 宮地が僕の腰骨を触る。

「ちょっと!本当に!」

「キス、初めてだった?」

「そんな事聞かないでっ!」

宮地が僕を抱き締めて押し倒して来た。

ぎゃー!!!宮地の匂いがっ!密着した身体がっ!サラサラの髪がっ!僕のシャツを引き出す手がっ!本当に勘弁してっ!無理だよぉ、、、。

「ごめん、泣かないで、、、」

宮地が抱き締めながら、僕の目元にキスをした。

「だって、池畑が可愛いからいけないんだ、、、」

チュッともう一度キスをする。

 僕の涙を拭う様なキス。

「池畑が好きって言うから嬉し過ぎて、、、ごめん」

急に、そんなにしおらしくなると僕が悪いのかと思っちゃうよ、、、。

「好きなのは、本当だよ、、、。でもさ、宮地が何で僕を好きなのか、どれ位好きなのかわからないんだ、、、」

「そっか、、、。池畑と最後までしたいと思う位好きだよ」

「あ、、、ありがとう」

「まぁ、良いや。一緒に住んでるんだから、いつでもチャンスはあるよね?」

「ななななな、無いよっ?」

ははっ!

 宮地が笑う。

 僕の頭をポンポンと叩くと

「両思いになったお祝いに飲もうよ」

と言って、缶ビールと酎ハイ、グラスを二つ取りに行った。



**********



 酎ハイはアルコール度数9%のちょっと強い酒だった。池畑はビールと酎ハイを飲むと酔いが回ったみたいだ。

 俺の口元をジッと見ている。

 両思いの相手が、酔って、潤んだ瞳で口元を見つめて来たらさ、、、そりゃあ、、、やっぱり、ね。

「池畑、、、キス、好き?」

ぽんやりした顔で俺を見上げる。

「好き」

にっこり笑って、抱き付いて来た。

「じゃ、気持ち良くなろうか、、、」



 先にキスをしたのは、池畑の方だった。



 池畑って、少し猫っぽい所があるかもな、、、。






沢山の作品の中から選んで頂けて嬉しいです。ペット可の貼り紙を見て思いついた話しです。

にゃにゃ。カリカリもちゃんと食べてね。

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