表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/12

2. ルカの出会い

地下ドームの薄暗い通路に、二人の影が揺れた。外の都市のざわめきとは別世界のように静寂が支配している。だが、静けさは錯覚に過ぎない。ルカの目の前で、侵蝕波が微かに光り、残響が二人の足音に反応して揺れ動く。


「君……やっぱりゼロだね」ルカはゆっくりと近づき、その蒼い瞳に警戒と好奇が混ざった表情を浮かべた。灯は何も答えず、視線を都市の奥に向ける。ゼロ能力を持つ者として、自分の感覚は他者と異なる。だが、ルカの存在は異質で、彼女の捕食能力によって残響が歪んでいることを、灯は直感で感じ取った。


「この街、危険すぎる」ルカが小さく呟く。街路を覆う赤い侵蝕波は、外にいる市民たちの感情を反映し、まるで都市自体が意思を持っているかのように形を変える。二人は連携して残響波の異常を観測し、反射や吸収の方法を模索する。初めて共同で都市の異変に立ち向かう瞬間だ。


灯はルカの動きを見ながら心の中で計算を始める。彼女の捕食能力が、どれだけ侵蝕波に影響を与えるのか。もし活用できれば、都市規模の心理戦で優位に立てる。しかし、ルカの能力には代償がある――体力と精神の消耗だ。


「協力しよう、君となら」灯が初めて声を発した。ルカは軽くうなずく。二人の能力が共鳴し始めると、地下ドームのホログラムが青白く揺らぎ、侵蝕波の反射が鮮明になった。都市の残響は、もはや二人の手に少しずつ応じるかのように変化する。


この邂逅が、後の心理戦の布石となる。灯とルカ、二人の影響力は都市の奥深くへと広がり、静かに、しかし確実に残響都市の運命を動かし始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ