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Act.32『新魔法の確認とダンジョン攻略の日々』



 帰宅後、昼食をとって休憩しながらステータス画面をチェックすると、特殊スキルの欄に『水魔法』が増えていた。

 また三つの魔法が使えるようになったらしく、レベル1の『ウォーターカッター』と『ウォーターシールド』と『ウォーターフィールド』が並んでいる。

 その名称だけでなんとなく効果は分かる気がしたが、事前に詳細を確認しておいて、ダンジョンに行った時に試してみよう。


 今日はもう休みたいので、雪柳と日向ぼっこしながら『傀儡作成』して遊ぶことにする。



 ***



 翌日。


 ガルプシャークに丸呑みにされて減ったぬいぐるみも作って補充できたので、モンスター肉入りの朝食をとるとダンジョン攻略を再開する。

 いつも通り水中型傀儡(サカナ)陸上型傀儡(ケモノ)飛行型傀儡(トリ)をアイテムボックスから出し、それぞれに命令を出して放つ。

 後は勝手にモンスターを狩ってくれるので、私は『天駆』で空に出て、新しい魔法を試す。

 事前に説明は読んでいるので、傀儡たちを巻き込まないよう注意しつつ。


 以下、試した新魔法はこんな感じ。


 『ウォーターカッター』は水の刃で指定したところを高速で切り裂く魔法。

 水の刃は一度に一つだけしか出せないが、切れ味は鋭い。


 『ウォーターシールド』は水の盾で攻撃を防ぐ魔法。

 見た目は空中に浮かぶ盾の形の水でしかないが、かなりの衝撃を吸収し、ダメージを防ぐことができる。

 しかも、三枚までなら重ね掛けが可能だったので、レベルが上がったらその枚数が増えるのでは、と期待している。


 『ウォーターフィールド』は使用者を中心に半径10mを水没させる魔法。

 地面が底なしのプールのようになり、そこにいたすべてのものを水に沈める。

 もちろん、使用者だけはその水の上に立てるので無事。


 以上。


 個人的には水の上に立てる『ウォーターフィールド』が気に入ったのだが、スナイパーでよく空を駆けまわっている私には、使う機会があんまり無さそうな魔法だった。

 地上戦で、これに加えて雷撃を落とす魔法が使えるようになったら面白そうなのだが。

 今のところ武器をライフル以外のものに変える気はないので、機会があったらその時に、ということにしておく。



 ***



 そこから数日、また三日ダンジョン攻略をして一日休み、というのを繰り返す。


 だいぶ体力がついてきたので、ダンジョン攻略の時間を1セット増やし、一時間探索して十分休憩、というのを4セットやる。

 行く前と帰った後のストレッチも欠かさずやっているおかげか、1セット増やしても筋肉痛にならなかったのは嬉しかった。


 帰宅後は、昼食をとったら『調理』か『傀儡作成』。

 早く特殊スキルの取得条件を満たして、エキス抽出・調合をやってみたい。


 そうして過ごしていると5月は侵攻無しに終わり、『調理』がレベル9に上がって、ガルプシャークとのエンカウントが10回を超えた。

 ガルプシャークにはあれから何度か『ガーデン・オブ・ジ・エンド』を使ってみたが、成功したのは初回を含めて2回。

 有効ではあるが、確実に仕留められるわけではなく、運の要素が強いように感じる。

 それでも2回も成功しているのだから、やはり水系モンスターには『緑魔法』が有効なんだろうとは思うが。


 そして1回だけ『冥道視眼』が発動し、ライフル狙撃一発で仕留めることができ、レアアイテム『ガルプシャークの真核結晶』がドロップ。

 これを詰め込んで作ったサカナ型傀儡は今までで一番能力値の高いものになったので、ダンジョンの川に放つと縦横無尽に泳ぎまわってモンスターを狩りまくり、絶好調で無双している。


 そのおかげか『巨大化』がレベル8になり、傀儡たちのサイズがカバの成獣を超え、『傀儡管理』もレベル5になって使いやすくなった。


 ちなみに『傀儡管理』のレベルアップでできるようになったのは、グループ分けと、そのグループの一括操作。

 今、ちょうど水中型傀儡(サカナ)陸上型傀儡(ケモノ)飛行型傀儡(トリ)とアイテム収集役の4グループを使っていたから、グループの一括操作ができるようになって物凄く手間が減り、かなり楽になった。

 管理スキル、地味にいい仕事をする、ありがたいやつである。


 とまあ、それなりに進歩はしているのだが、問題が一つ。

 ボス戦が、こない。


 前のダンジョンではこんなに中ボスとエンカウントしなかったのに、今回のダンジョンでは即死魔法を何度も試せるくらいエンカウントする、その違いは何なのか。

 私のランクやスキルレベルが上がったせいか?

 あるいはダンジョンごとにボス戦までの距離や時間が違うのか?

 さっぱり分からないが、とにかくボス戦がこない。


 そうして「ラスボスどこー?」と探しまくりながら迎えた6月上旬の今日。


「やっと来た……!」


 どこまで進んでも変わり映えしないダンジョンの中で起きた、異変。


 ―――――― 霧。


 その中へと数歩進めばナビが言う。


「〈Rx(レクス)、警告します。進行方向に当機のサポート機能、『結界』、『転送』が使用不可となる領域(エリア)が存在します〉」


 よしよし。

 ずっとこれを待ってたんだ。


 ダンジョンは川の中の方がモンスターが多かったし、中ボスも巨大サメだったから、おそらく水中に生息するモンスターがラスボスだろう。

 水が豊富にある地形がボスエリアになるはずだ。

 傀儡はすべてアイテムボックスに戻し、久しぶりにダンジョンを一人で歩く。


 さて、中ボスの巨大サメの次には、どんなラスボスが出るのかな?


 進めば進むほど濃くなっていく、ミルクのような白い濃霧の中。

 ずっと待っていたお楽しみタイムにワクワクしながら、足を進めた。



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― 新着の感想 ―
[一言] 待ちに待ったラスボス!どんな戦闘になるのか楽しみです。
[一言] すっかり戦闘狂だなRxさん
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