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女子会の醍醐味

 圧倒的な顔の良さ。

 それがルミアのふたりの客人への評価になる。

 浴場に連れて行った時には、天女でもいるのかと思うくらいだった。

 なるほど、これは堪らない。

 女である自分でさえそう思うのだ。ならば、男であるグウェンはいかほどであったのか。


(だから、その、あのようなことを……)


 湯気で顔の色がわかりにくいのは助かった。何せ、常ならきっと、どうして赤いのか尋ねられていただろうから。


「これは……すごく、いいです……」


 これでもかと顔を蕩けさせてスフィナが沈んでいる。

 亜麻色の髪を丁寧に結わえ、湯に浸からないようにする彼女は流石と言おうか。ある程度の裕福層では湯に浸かる際は髪を湯に垂らさないのが貞淑な乙女であるという認識である。果たしていつからそのようなマナーができたのかは知らないが、それがルミアにとっての常識にもなっている。

 別に商売関係の御令嬢とこのように裸の付き合いをすることはほとんどないのだが、見えないところの努力こそ、というものだろう。

 はてさて。一般人には浸透していないマナーをスフィナはどこで習い覚えたのか。


「へぇ、これは面白いね。湯に混ぜる薬かい」

「薬といっても何かを治すわけではなく、美容のためのものなのですけどね」

「いやいや、肌が乾燥しやすい悩みを持つやつにとっては、これは十分薬さね。どこかでは奴隷の生き血でつくった風呂に入ると若返るなんて話をきいたことがあったけれど、こちらの方がよほど健全だ」


 一方でテヴァはべっちゃりと美しい銀の髪を湯に浸しながらしげしげと湯を掬っては落としている。

 彼女の姿は別格だ。幼子の体型であるし、男を喜ばせるような形でもないのに、ただただみていたくなる心地。

 裸になった今の姿はもはや絵画の域を疑うものであり、逆に性欲の対象になるのだろうかというおかしな心配も浮かんでしまう。

 そんな姿の彼女だが、湯を観察する目は理知の光を灯しており、何者より大人であるという感覚にさせる。不思議なことだ。


「目に見えてわかる肌のうるおい、それに保湿もあるんだったかね? うん、試験段階とはきいていたけれど、十分売り物になるだろうね。特に今は病に敏感だ。『身奇麗にして病を遠ざけよう』なんて謳い文句で売ればうまく乗っていくんじゃないかねぇ」

「まぁ、それは素敵なお言葉ですわ! ぜひ参考にしたく存じます!」

「それは良かったよ。わしも、買えるようになったらいくつか欲しいものだよ」


 その言葉にスフィナは目を丸くする。


「お気に召したのですね。なんだかテヴァ様がお体のことに興味を持たれるのは珍しいように感じます」

「だってねぇ、スフィナ。これ、実にいいと思わないかい?」


 テヴァが自身の腕を撫でる。湯の効果で一層つるりとして、光沢を感じるような白い肌。

「あぁ……ふふ」と何かに気づいたようにスフィナがくすりと笑った。どこか悪戯に成功した幼子のような笑みだ。


「そうですね。きっと、嬉しいことになるかもしれませんね」


 ルミアには、ふたりがどういった意味合いを込めているのかはわからない。

 しかし、なんだろうか、何か、ひっかかる物言いであるのは頭に残っていた。


 話しもそこそこに浴場をでて寝巻に着替えるとルミアの部屋に突撃する。

 ところどころにあるぬいぐるみ、うっかり落とさないよう固定された花瓶、母の残した絵画に仕事の書類に勉強のための本。

 そして。


「こちらにあるのは、もしかして商品、でしょうか」


 スフィナが指したのは部屋の隅に丁寧に並べられている素材。

 牙だったり甲羅だったり花だったり枝切れだったり。


「はい! 商品のことをよく知り、活用の術を模索するのは商人としての基礎ですわ! ですので時間があるときは観察したりとしているのですけど、今日くらいは片づけておくべきでしたわね。恥ずかしいですわ……」

「とんでもないです。ルミア様の努力を感じることができて、私は嬉しく思います」


「少し、みさせていただいてもよろしいでしょうか」ときく彼女にルミアは二つ返事で回答する。よろしくないわけがない。

 なんならとルミアはスフィナの傍に立ち、彼女が手に取るものの説明をしていく。


「そちらはテツウチの羽ですわ! 振ると鉄を打つような音がするので、周りに位置を知らせることができるんですの」

「スフィナ様、御慧眼ですわ! そちらはヴァルザックの成木ですの! ヴァルザックと名付けられた希少種の木の枝ですわ。わたくしにはよくわからないのですけど、ロドの制御がしやすくなると顕術師の方々に人気ですわ!」

「スフィナ様、そちらをお選びとは、わたくし驚きですわ! 輪廻窟の結晶石をみつけてくださるなんて! そちらは石であるのに部屋におくと湿気を吸い取ってくださるんですの! オーレルヌ商会でもそのからくりを調べてはいるのですけど、中々わかっていないことが多くて!」


 と、このように意気揚々と説明していたところ、スフィナから「ふふ」と笑われてしまった。

 しかし、嫌な笑いではない。控えめで、上品で、瀟洒な、かわいらしい笑み。


「ルミア様。私はお客様ではございませんよ?」


 そういわれて説明の仕方が接客になっていたことに気づき、顔が熱くなる。


「わ、わたくしとしたことが、ごめんなさい! このお部屋をおみせしたときよりもっと恥ずかしいですわ!」

「いえ、私こそ申し訳ございません。一生懸命に説明してくださるルミア様が可愛らしくてつい、お伝えそびれてしまって」


 スフィナの言葉はルミアにも彼女なりに砕けたものであると感じる。公の場ではあのようにしゃなりとした姿勢と態度であったが。

 ただ、公私をわけるというのなら、ルミアにとっては嬉しいことだった。誘った目的はあるが、それとは別に仲良くなれるなら嬉しいに決まっている。


「もう、スフィナ様ったら意地悪ですわ!」


 と、まだ熱い頬を冷ましたいと今気づいた風の吹く方へ目を向けてみると、そこでは窓をあけ、その縁に座り、外の景色を眺めているテヴァの姿があった。

 そんなところに座ると危ないのでは、言葉が浮かんだルミアであったが、言えなかった。

 月明かりを浴びた白髪は、風によって靡き、本物の銀のように輝いている。部屋の調光も工夫しているため、部屋の中は明るいはずなのだが、彼女のいるところだけ、月光と影、という印象を与えさせた。

 目を細めて心地よさそうに風を浴びる彼女の横顔は、言葉にできない美しさであり、その光景をみてしまったルミアは、この景色を壊したくないと、その思いで何もいうことができなかったのだ。

 しかし、スフィナは見慣れているのだろうか。


「テヴァ様。落ちてしまうと危険ですよ?」

「なぁに、わしは落ちないよ。落ちたところで死なない術くらいいくらでもあるしね」

「私がびっくりしてしまいます」

「かかっ。そんな顔がみれるなら、ちょっと落ちてみようかねぇ」

「ダメですよ。万が一があったら私、後を追ってしまうかもしれません」

「それはそれは、猶のこと惹かれるねぇ」

「テヴァ様」


 諫める言葉だが、その実剣呑さは全くない。じゃれあいのような雰囲気だ。

 こうして今日いくつもやりとりをしてきて、やはりというか改めてというか、思ったことは。


「おふたりは、本当に仲がよろしいのですわね」


 連れ添ったからこその気安さのような何か。


「まぁね。そりゃあ、長い付き合いになる。気やすくもなるさね」


 長い付き合い。テヴァの見た目を考えると、さて、一体。

 それが表情にでていたのか、テヴァがにやりと笑う。


「おっと、どれくらいかは教えないよ? なんせわしもどれだけの付き合いかわからないからね」

「テヴァ様のお姿を考えると、あってきっと10年くらいですわ」


 彼女なりの冗談なのだろう。

 しかし、「あ」という表情をしたのはスフィナ。次いでルミアも思い出す。


「あれ、ですけど、確か初めてわたくしがスフィナ様にお会いした時、グウェン様は身寄りのないスフィナ様を保護したと……」

「うん? あー……なんだい、そんな口裏があったのかい?」


 ばれてしまっては、ということなのか。テヴァがぶっちゃける。

 対するスフィナは困ったような笑みを浮かべた。


「はい。私があまり詮索されないように、と気を遣ってくださって」

「ああ、だろうね、あの男ならそうするか。これは後でどやされないかが怖いところだ」

「ですが、ルミア様なら、きっと大丈夫だと思います」


 信頼してもらってありがたいことだが。

「あ、あの」とルミアが口をはさむ。


「よ、よろしかったですの? その、色々御事情があるのでは……」

「はい。少し。ですが、きっとルミア様は吹聴されないと思っていますので」


 どうしてそう言い切れるのかが逆に怖いが。

 ただ、信頼されて嬉しいのも事実。


「もちろんですわ! わたくし、スフィナ様を泣かせるようなことはいたしませんとも!」

「ありがとうございます」


 そうはにかむスフィナにルミアはふぅ、と安堵の息をこっそりとつき、自身のベッドに腰かける。淑女としてははしたないと言われそうだが、このふたりなら気にしないだろう。なんだかんだ話していて、二人の生活圏はわかってきている。

 テヴァは研究者気質と言えばよいだろうか。知識としては知っているが実態としての社会には疎く、所謂マナーというものに興味はない。されど、興味のあるものはとことんのめりこみそうな気配。

 スフィナは使用人気質。どの振る舞いも自身を誇示し、飾るものではなく、粗相をし、目立たぬためのもの。


「……もしかすると、おふたりはお姫様とそのお付きの侍女様だったり?」


 裏を少し知ってしまったのなら、もう少し知ることはできるだろうかと疑問をこぼしてみる。


「かかっ! わしがお姫様とな! がらじゃないねぇ!」


 テヴァが心底面白そうに笑った。


「あら、そうでしょうか? そのお姿をみると、わたくしには高貴な血筋の方と言われても納得できてしまいそうですわ」

「このなりをみれば、そりゃあそうなるだろうかね。ただ、わし自身は真っ平な平民だったとも」

「そうすると、スフィナ様もわたくしの勘違いでしょうか」

「私もテヴァ様のことはルミア様と同じ心地です。ああ、でも、私についてはルミア様のお考えは間違っていませんよ」


 そんな言葉に「ほんとですの!?」とルミアが食いつく。合ってても合ってなくても、はいという返事をもらえるとは思っていなかったから。

 一瞬テヴァが目を丸くしたように思ったが気のせいか。


「はい。ですが、今はグウェン様の営むお店の従業員としていますので、もう侍女ではありませんが」

「そう、そうでしたの! やっぱりと思ってましたわ!」


 と。


「……その、これは本当にわたくしの興味本位でしかないのですけど、スフィナ様はどのようにグウェン様のおところでお勤めなさるようになったんですの?」


 ブレーキはかけつつの問い。

 先の話を考えるならばあまり過去は詮索しない方がよいのだろうが、かといって気になるのに聞かないというのももやもやする。だから、ダメもとできいてダメならそれでいいやと思っていた。

 しかし、驚くことにスフィナは答えてくれたのだ。


「どのように、といいますと説明が難しいのですが……ただ、機会があったとだけ」


 そうして、スフィナの顔がテヴァに向く。


「侍女としてはもう生きていけなくなって、ただたださまよう私をみつけてくださったのがテヴァ様でした」

「ああ、そうだったね。どうしようもなく、さまよっていたよ、お前さんは」


 スフィナの表情が少し明るくなる。


「ですが、その頃はまるでお役に立つことはできていませんでした」

「ご病気、とかだったのでしょうか?」

「そう、ですね。病気と言えば病気かもしれません。満足に体を動かすこともできなくて、言葉くらいしか話せなかったのです。そのような私を、テヴァ様は苦も無く連つれたってくださったのです」


 スフィナの顔が少し上、恐らくは頭に浮かぶ思い出をみているのだろう。


「どれだけの時間が過ぎたのでしょうか。テヴァ様も様々なことを考えてくださいましたが解決策は限られていて。そこでお会いしたのがグウェン様でした」

「そう、でしたわね。わたくしもびっくりしましたわ。気づいたら懇意にしていたお店にとびっきり可愛らしい方がいたんですもの!」

「ふふ、そうでしたね。あの少し前に私たちはグウェン様にお会いしました」


 スフィナが自身の手を胸に置く。


「グウェン様はすごいお人です。こうして私に動く喜びを教えてくださって、優しくしてくださって、気を遣ってくださって……救ってくださった、という言葉は私にとっては真実の言葉でした」

「じゃ、じゃあ、グウェン様はご病気も治療することができますの!?」

「いえ、本当の病気はきっとグウェン様も勉強が必要かもしれませんが。ですが、私を救ってくださったのは、きっとグウェン様だからこそ、そしてテヴァ様とグウェン様の出会いがあったからこそ、私はこうしてここにいることができているのです」


「だから」と。


「そんな恩人の傍で働かせていただけることは、私にとってこれ以上にない誇りなのです」

「そうだったのですわね。最初は誇りという言葉がでてきてびっくりしてしまいましたけど……お話をきいて、スフィナ様のお気持ちが、少しだけ理解できましたわ」


 少しだけという言葉を使ったのは、まだ隠していることがありそうだったから。しかし、ここまで開示してくれたのは、ここまで開示してくれるほどの信頼を感じているからということだろう。

 そのことを理解している、という言外の気持ちを込めて伝える。


「スフィナ様。お話しづらいことをお話しくださって、嬉しく思いますわ」

「いえ、私などのお話でよければ」


 実際それが世辞ではないことはスフィナの表情から読み取ることができた。

 そして今回話してくれたことも、ぼやかしてないところは真実であるとも。

 だからこそ、内容を咀嚼し終えて、整理されたころ、焦るような疑問がひとつ浮かび上がる。


「……その、スフィナ様は、グウェン様のこと、お慕いされていますの?」

「はい。グウェン様もテヴァ様も私はお慕いしています」

「そういうことでは、なく! その……」


 どう聞いたものか。

 すると、横からテヴァが言う。


「男として好きか、ということかい?」

「そ、そうなりますわね」


 ちらりとスフィナをみる。

 彼女は恥ずかしがるでもなく、びっくりするでもなく、なんと答えたものかという表情であった。


「どう、なのでしょうか。私などが、グウェン様のことを男性として意識しても良いのかというおこがましさもありますので。傍にいるだけで、幸せでしたので」

「で、では、グウェン様に伴侶ができても良いと?」


 ルミアの問い。


「……グウェン様が望まれるのであれば、私にお声をかける権利はありません。ですが――きっと、心地の良いものではないでしょうね」


 と、困ったような笑みだった。

 それは、所謂好きというやつなのではないか。

 喉元からでた言葉を飲み込む。それを言ってしまって逆に意識されてもコトだと思ったのだ。


「そう、ですの。ですけど、スフィナ様もテヴァ様もお傍にいれば、グウェン様が他の女性に靡かれるようなことは、なかなかないでしょうけどね!」

「わしもかい? わしがいたところであの男に女の影が、とはならないと思うけれどね」

「そうでもありませんわ。だって、おふたりも仲睦まじく、落ち着いた感じもあって、邪推される方もいらっしゃいそうですもの」


 そうして話の流れのままに。


「その、テヴァ様は、どうですの?」

「あの男のことかい?」

「はい」


 テヴァは「そうだねぇ」と言いつつ、月をみる。


「色恋なんて歳じゃあないんだ。あの男に恋をしている、という感じでもないね」

「そ、そうですの?」

「ああ、そうとも。だけどね」


 月に向けられた顔がルミアに向き直る。

 悪戯心と、何かしらの情感を含んだ琥珀色の目。


「年月は浅かれど、密度はそれなりと思っているんだ。他の女に現を抜かしていたら、面白くはないだろうね」


 それも、その、所謂好きと言っても良いのではないか。

 ルミアにとっては今回のお泊り会の目的は果たしたものの、強敵となりうる者たちが明確に定まり、こっそり苦い顔をする。

 もともと、今回お泊り会を企画したのはテヴァとスフィナだけで話し、グウェンのことをどう思っているのか明らかにすることであった。その結果、扱い次第では敵になりそうだが、現段階ではまだ、ということがわかった。

 ただ、と。もうひとつ、これはきけない質問だ。なら、まだ好きと断言できるわけでもない男と、どうして褥をともにしているのか、だなんて。


「ところでお前さんは、どうしてそのようなことをきいたんだい?」

「そ、それは女子会としては恋愛話と相場が決まって――!」

「ほう、なら今度はお前さんの番になるだろうかね?」


 一瞬の思考の不意を突かれ、流れがよろしくない方に転がるのを感じる。


「といっても、きくまでもないだろうけどね」

「な、なんのことかワカリマセンワー!」


 テヴァの目が怪しく光ったように感じた。


「お前さん、あの男のことが好きなんだろう?」


 どきりとこれ以上なく心臓が跳ねる。


「そ、そそそ、そんなこと――」

「あるだろうねぇ。なにせ探っているのがばればれだよ。そうでなくとも、普段の行いが雄弁に語っているとも。長期で依頼したのも、あの男が理由に含まれているんだろう?」


 そんなテヴァの態度にみるみるルミアの顔が赤くなっていく。折角引いてきたと思った血がまた上ってきている。


「まぁ、実際効いているようだから、お前さんの策は功を奏しているんだろうけどねぇ」

「ほんとですの!?」


 テヴァの言葉に堪らず飛びついてしまった。

 にやりと彼女が笑うのをみた。


「好きというのは認めるんだね?」

「あ……」


 はめられた。

 余計に赤くなる顔。顔から火がでているのではと錯覚するくらいだ。


「なに、殊更お前さんを止めようだとか、あれこれききだそうかとかは思わないさ」


 てっきりきかれると思っていただけに驚く。

 しかし、「だけどね」とテヴァの言葉が続く。


「わしもスフィナも、あの男の傍にいる理由はあるんだ。そう簡単に落とせると思わないことだよ?」


 結局、敵ではないが味方でもない彼女たちはこの恋路の障害になるのは確定らしい。


「……上等、ですわ。わたくしはわたくしなりに全力を尽くしますわ!」

「そうかい。なら、頑張ることさね。こっちもこっちで、そうさね、スフィナが頑張るだろうからね」


 自分は動かないとでもいうようにスフィナにバトンタッチされる。

 が、彼女は微笑を浮かべて「そうですね」と頷く。


「私も、今はまだまだ私たちをみていてほしいので」


 ひとまず話のオチとしては良いだろう。

 が。


「それならここからは敵情視察、もとい篭絡作戦ですわ! もっともっと、おふたりと仲良くなりませんと! さぁ、おふたりのこと、もっとわたくしに教えてくださいまし!」

「いきなり舵をきったねぇ」


 とはいえ、そう簡単に教えてくれるわけでもないことはわかっている。

 ただ、それでも仲良くなりたいのも事実で。

 夜の姦しさはまだ続きそうだった。

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