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まずはここから始めよう!  作者: 雲母あお
番外編

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24/26

持ってたのか!?

「なに!?赤山と交換した!?」


「うん、したよ。」

「いつ?」

「こないだ。」

「最近なのか?」

「うん。」

くそー、あいつ抜け駆けしくさりやがって!!!!



事の発端は、

「お前さ、念のため聞くけど、携帯…よもやスマホなんて持ってないよな?」

俺がした質問に遡る。


せっかく付き合う(正確にはまだ好きだと言われていないが…)ようになったのに、連絡手段がないことに気づいたのだ。

どうせ持ってないだろうと思って、今まで聞かずにいたのだが、付き合うようになった(まだ疑問だが…)のに連絡手段がないとか、悲しすぎるだろうと思い、なんとなく聞いてみた。

はっきりと”俺たち付き合ってるよな。俺のこと好きか?”と黒田に確認できずにいる俺は、チキンかもしれないが、今は置いておくことにする。


そしたら、

「持ってるよ。」

あっさりと、予想外の返事が返ってきたのだ。

「え!?持ってるの!?」

「うん。」

「どっち?」

「スマホ」

「スマホ!?なんで持っているんだ!?」


今の時代持っている方が普通なくらい普及しているのに、なぜか黒田は持っていないと心のどこかで確信していたので、信じられなかった。

それから、早く聞いておけば、後夜祭の前に探し回ることもなかったのに…と悔やんだりもしていた。


「なんでって、前言わなかったっけ?うち両親が共働きだから、ほとんどいつも家に一人なの。ご飯はここに作ってあるとか、今日は夕飯作っておいてとか、買い物しておいてとか買い物リストが送られてきたり、帰宅時間を連絡してくれたりするためだよ。」


そうか…。

一つも両親以外の使い道が出てこなかったが…。

それは想定内ということで!それが黒田としっくりくるし。

まあ、ここで男の友人の名前が一つでも出てきたら、そっちの方が心穏やかではないからな。


でも、連絡先交換している友達は、まじで一人もいないのか?

いてもいなくても、別に黒田に対する気持ちは変わらないが、なんとなく気になって聞いてみた。


この好奇心が、俺にさっきの雄叫びをあげさせることになる。


「両親以外に連絡先知っているやついないの?」

こんな質問するから、赤山に「黒田に厳しい」といわれるのかもな、と思いながらも、ストレートに聞いた。

すると、

「いるよ。」

え?これまた予想外の返事に、内心焦った。


悪い、黒田!マジ誰もいない前提で質問してた。

いるのかよ!?誰だよ!?正直に教えろよ!?

怖いけど、知りたい。

いや、彼氏として知る義務がある、うん、そうだ。


おそるおそる

「誰?」


声がちょっと弱々しくて、女々しい感じのトーンになってしまった。

少し恥ずかしい。

頼む、女子であってくれ!心の中で懇願していた。

そして、最初に出てきたその名前は、確かに女子であったが、


「なに!?赤山と交換した!?」

「うん。したよ。」

と、最初の会話に戻るのである。



赤山だと!?

夏休みの部活のあとで話した時に、俺が嫉妬するくらい仲良くなる予定とか言って、有言実行かよ!

あのとき確か黒田の連絡先を知らないといってなかったか?

俺に「黒田さんって携帯もってないんじゃない?使ってるの見たことないよ。」と言っていたはずだ。


じゃあ、いつ?

というか、赤山も俺と同じように黒田に携帯持っているか聞いたのか?

それとも、黒田から連絡先を交換しようといったのだろうか。

うう。黒田から言ったのなら余計妬ける…。

悔しい。

まずは彼氏だろうが、黒田よ…。

心は半泣き状態で、それでも真相が知りたくて、俺はまた質問してしまう。


「あのさ、ちょっと気になったんだけど。」

「なに?」

「えっと…。」


なんか、お前から教えたの?とか聞くの恥ずかしいな…。

でも知りたい。

でも黒田から教えたって聞きたくない。

知らぬが仏っていうじゃないか…。


自問自答が繰り返される中、俺からの質問を素直に待つ黒田に、なんでもないと言えなくなり、恥を忍んで聞いてみる。

だって、女友達に嫉妬とかダサいだろう。

でも、今しか聞けないな。


「赤山と連絡先交換したとき、先に聞いたのどっち?」


うわ、恥ずかしい…。

恥ずかしがっている俺に気づかず、普通に答えてくれた。


「えっと、どっちって、どっちだったかな。白坂みたいに赤山さんに携帯持ってるの?って聞かれて。」

「うん。」

黒田は、赤山とのやり取りを思い出すように口元に手を当て、斜め上の方を見ながらその時の状況を話し始めた。


「持っているなら連絡先交換しない?って言われたから交換した。私、文章書くのとか苦手だから、変な返事になって嫌われないか心配っていったら、大丈夫、変なの知ってるし、まともな文章が返ってきたら、それこそゴーストライターがいるのかと疑うわって言われた。」


おいおい赤山、お前も大概だな。

俺のこと言えねーじゃないか。ひどい言い草だ。

それを普通に受けている黒田も大概だがな。


「そ、そうか。それで、やりとりしているのか。」

「うん、時々。」

うう、そんなこと聞いたら内容も気になるではないか。

だが、そこまで踏み込んだら、こっそり携帯を覗く駄目な彼氏になってしまう…。


そして、欲が出た。

黒田から「連絡先交換しよう。」って言われたい、という欲が…。


「あのさ、俺もスマホ。」

さりげなく、ポケットから自分のスマホを取り出す。


「あ、白坂のスマホケース綺麗!」


うう、全然違う答えが…。

まあ、このケースはお気に入りなんだけどな。


同じものをみて、同じように”いい”って思ってもらえるのって、なんだか嬉しいな。

とても気に入ったのか、目が釘付けで、この色いい~とかいって目を輝かせている。

やっぱり女の子だなと、その様子を微笑ましく見ていた。

そして、思いついた!


そうだ!


「気に入ったのか?」

「うん!この色と絵、すごく好き。」

最後の言葉は、俺にも言ってくれよ~。


「ねえ、白坂どこで買ったの?」

お願い!教えて!欲しい!

顔で訴えてくる。とても心惹かれている様子だった。

俺は、思いついたことを口にした。


「じゃあ、今日帰りに買った店寄っていくか?」

「いいの?部活は?」

「今日は休み。そんなに遠くないから、帰り行こうぜ。」

「うん!」

とても嬉しそうだ。


黒田、俺がさりげなくお前との”放課後デート”の約束をしていることに気づいていないな。

二人で出かけるの初めてだろう?

黒田は、俺と二人で出かけることに、携帯ケースに夢中で気づいてないみたいだけど。

なんか、デートにこぎつけて、俺GOOD JOB!だよな。


放課後楽しみだな~


だってさ、もし同じの買ったら”お揃い”なんだぜ。

俺がウキウキしちゃうよ。

このケース買ってよかったな。

黒田の誕生日もうすぐだし(こないだ聞き出した)、そんなに高くないし、プレゼントしてやろう。

俺のが”乙女”かよ?と、自分につっこみつつも、嬉しくなる。


ああ、放課後楽しみだなあ~




今日、初めて女の子にプレゼントを買った。

色違いのお揃いのスマホケース。




その日の夜、ベッドに寝っ転がってスマホをポケットから取り出す。

自然に顔がにやつく。

「来週の日曜空いてるか?」と、黒田にメールを送ろうとして気づいた。


その日、浮かれた俺は、連絡先を交換することをすっかり忘れていたのである。


「ああ…俺って…。」

頭を抱えて悶絶した。ほんとアホだ…。ダセー。



連絡先を交換できたのは、それからしばらくして…。

(なんで次の日ではないのか?ああ、突っ込まないでくれ~。それは俺が…うう…マジダサイな…)


そして、最初に赤山の名前が出てきてこんなやりとりをしたせいで、聞けなかったけど、他にも連絡先を交換したやついるのかな。


まあ、それは、おいおいだな…。


はあ、好きだと言っても、全然黒田のこと知らないな…

なんとなく、寂しくなる俺だった。


いやいや、また聞こう!


そう、聞けばいい。

知っていけばいいんだよ。

そして、俺のことも知ってもらおう。


これからが、楽しみだ!


結局すぐに前向きになるのが、



俺だ!




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