表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まずはここから始めよう!  作者: 雲母あお
オレが主人公のオレから目線のお話だ!  読んでくれよな!by白坂    

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/26

3 ジュース1本

評価ありがとうございます!

「赤山、帰りいいか?」

今は、夏休み。

部活で学校に来ていた。

今日の練習が終わり、一年生は後片付けをしている。


「ジュース1本。」

矢を片付けながら、赤山は時間をくれた。


「じゃあ、終わったら学食で。」

「OK!」


「お待たせ。で、なに?」

先に着いて、学食の入り口にある自販機の前で、赤山を待っていた。

俺がお金を入れると、赤山はさっとボタンを押し、レモンスカッシュを手に取る。


「帰り歩きながら話す?それとも、」

学食の席を指さして、

「長くかかる?」


「ええっと…、黒田のことだ。」

「ふうん。じゃあ、涼しいから学食で話そう。」

そういって、赤山は学食の奥の方の席に座った。


「で、なに?」

「単刀直入に聞くけど、黒田となんかあった?」

「なんかって?」

あれ?終業式のとき何かあったのだと思ったんだけど…。首を傾げていると、


「なんかあったの?」

逆に聞かれてしまった。

「う…ん。」

頭の中を整理する。おかしいな、じゃあ、なんであんなことになっていたんだ?


「実はさ、終業式の日、帰りに黒田に会ったんだ。そのとき様子がおかしかったから、何か知らないかと思って。」

とりあえず、なんのことかは言わずに問いかけてみた。


「終業式の日ね…。特に何も。えっとね、その日は放課後、先生に頼まれて黒田さん一人でゴミ捨て行ってた。重そうだったから手伝おうと思ったんだけど、部活の先輩に呼ばれてさ。話し終わってすぐ教室戻ったら、黒田さんのカバンだけあっていなかったのよね。」

一度言葉を切る。


「そのあと、なつみと小春と悦子が私を探して教室に戻ってきて、話し始めたんだけど。あの三人に、なんで林間学校の班に黒田さんを入れたのかって聞かれて、白坂に頼まれたってこたえた。」


これだな、と思った。続きを促す。

「それで?」


「それで、それを聞いたあの子たちが、「だよね、ボッチに急に言われたらひくよね?」とかなんとかいいだしたから。」

ひでえな。まあ、そういうこというやつっているよな。

「で、お前なんて答えたの?」


「私?私はそうは思わないって言ったけど?」

しれっという。

「そうか。」

赤山らしい。


「人それぞれ考え方が違うから否定する気もないわ。でも、考え方が違う人の意見も聞いておこうと思って、なんでそう思うのか教えてっていったら、みんな黙っちゃったわ。」

「そうか…。」


さすが、赤山。逃げ道ねぇーな。

赤山は癖のあるやつだけど、あっけらかんとしていて、気にしない性格がとても付き合いやすい。

「で?それが何?」

「いや、それが…。」

黒田がここに登場しないってことは…。


ちょっと考え込んだ俺をみて、何かを察したらしい赤山が、もしかして…と話し出した。

「黒田さんが何か言っていたの?もしかして、聞いていたのかな?話が終わったころに、黒田さんが教室に戻ってきて、そのあと普通に帰っていったから聞こえてなかったと思ってたんだけど。」

違うの?という顔でみてくる。

「違うみたいだ。全部聞いてたんだな、きっと。話し声が聞こえて、教室に入りづらかったんじゃないか。」

「…そうね。確かに、自分のことあんなふうに言われている中には入りづらいわよね。」

うーんと考えている。自分はなんでも聞くのに、そういう聞けない人の気持ちも認めるところが赤山だ。


「そっか。それで?白坂はどうしたの?」


「おれ?なつみたちにそんなこと言われてたことは知らなかったんだ。ただ、班決めのとき、頑張って声かけたからだぞって黒田のこと褒めていたのに、実は俺が仕込んだことだったって知ってショック受けててさ。」

「まあ、それだけ聞いたらそうなるわね。」

うんうんと、うなずいている。


「でも、誰だって嫌なやつとは一緒にいないよな?」

「いないわね。」

「でも、今だにお前黒田といるな?」

「いるわね。」

「その気持ちを否定するなら失礼だって言っちゃってさ。」


「白坂は、黒田さんには厳しいものね。」

意外なことをいわれて驚いた。

俺が黒田に厳しい?


「それだけ真剣なんでしょ?私のこと黒田さんは否定したの?」

「いや、してない。それどころか、たぶん偽りでも一緒にいてくれることに感謝している感じだ。」

「よく分かるわね。」

「まあな。大方あっていると思う。」


「そう。あの子たちが言ったことは、とてもよくないことだわ。黒田さんが聞いていたのなら、私から何か話そうか。」

「いや、やめておいてやってくれ。聞かれたら答えてやればいい。たぶん、次会った時いつも通りしてくれていたら、それでいいと思う。まあ、お前がこれからも黒田と友達でいたいと思うなら、だけど。」


「ありがとう。じゃあ、忠告ありがたくいただいとくわ。これからも黒田さんをからかいながら楽しく暮らすんだから。」

うふふ。と、まるで、俺に安心してと言っているように笑う。

「そうですか。ならよかった。」


「白坂が妬いちゃうくらい仲良くなりたいって思っているの。」

だって、おもしろんだもんっと、笑っている。


「それは怖いな。」

ちょっと嫌そうな顔になる。

そんな俺をみてクスリと笑うと、


「じゃあ、わたしこれから図書館行くからまた明日、部活で!」

ご馳走様といって飲み終わった缶をゴミ箱に捨て、さっさと図書館へと行ってしまった。


赤山の背中を見送る。


さてと、

「俺も帰るかな。」


今頃、黒田はどうしているかな。一人でうじうじしてそうだ…。

そういえば、連絡先を交換していない。

というか、あいつ、携帯自体持っていないような…。

さっき赤山も、黒田が携帯使ってるの見たことがないって言ってたし…。


はあ…。


学食を出て、真夏の炎天下へ歩き出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ