19 金色の窓辺で
窓の外一面金色。
紅葉した木々たちが、秋風に揺れて囁いているみたいだ。
秋風に乗って窓からやってきた、黄色く色づいた葉を目で追うと、その先に白坂が立っていた。
今まであったいろいろな出来事を思い出していた私は、今が現実なのか、まだ思い出の記憶の中なのか分からなくなっていた。
紅葉した木々が、金色に、窓の外いっぱいに広がっているからかもしれない。
「用事終わった?」
「ああ、終わったよ。」
うなずきながら近づいてくる。隣に立つと白坂も窓の外を眺め始めた。
「今ね、白坂とのことを思い出してたの。」
今思い出していたことが、ついさっきのことのように思える。不思議な感覚だ。
「しかし、なんでお前は、そんなに心をこじらせているんだろうな。」
「なんでだろう。私になれば分かるよ。」
そう答えると、
「無理だろう…。というか、だいたい俺はお前になんかなりたくない。」
本当に嫌そうな顔で言う。
「また、はっきり言うね。」
笑ってしまった。
本当に、はっきり言う。
「じゃあ、私の気持ちは一生分からないだろうなぁ。」
んーと両手を上に伸ばし、伸びをすると、金色の景色に背を向ける。
「だったら、黒田も俺の気持ち一生分からないだろう。お互い様だ。」
私の後を追うように窓に背を向け、並んで教室を後にした。
そうだね、白坂。
一人だと思っていた景色の中に、あなたはやってきたのだから…。
本編はここで終了です。
「金色の窓辺」で、黒田が回想しているという形のお話にしたかった作品です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今夜から、黒田と白坂の出会いのお話などをアップしていきます。
お楽しみに!




