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ハブの復讐対策  作者: ハミガキコック
1/2

マラソンとカレー

初投稿なんで色々誤字があるかもしれません。許してください。(>人<;)

 羽生太郎円(はぶたろうえん)は、中学2年生だが、沢山の人々に恨まれている。その理由は羽生が中学1年生の頃、給食のカレーを教室中にぶちまけたからである。


 その日の4限目、つまり給食の前の授業は、体育だった。十一月だが、寒い風が吹き荒れる。風の音もゴーゴーとはっきり聞こえ、冷たい空気が腕と脚に刺激し、真っ白な肌を赤く染める。そんな中、体育教師の田松は


「マラソンをするぞ!」


という死の宣告をしたのだ。この一言によって、筋肉質でスポーツ刈りの男子達は泣き喚き、クラスカーストの上位にいる華奢な女子達は口から泡を拭いた。彼ら彼女らにとって、ここは日本ではなく、南極だった。肌荒れを起こす為に必死に嫌がらせをしてくる突風や、空気を凍てつかせ、地球温暖化を食い止めてしまいそうな雪は、マラソンの苦労を知らないのだ。


「嫌だぁ!マラソンなんてしたくない!」


最初に逃げ出したのは学級委員の宮岡だった。宮岡の後ろから迫る追い風は無様に逃げる彼を嘲笑うように過ぎていく。羽生達にとって、宮岡は真面目で規律重視の秀才というイメージで固まっていた。しかし、宮岡が脱走したことによって、情けないヒョロガリというイメージに変わってしまった。


「みーやーあーかー!!!」


逃げる宮岡を獲物を狩ろうとするチーターの如く迫るのは田松。逃げる宮岡は捕まってしまい、田松に引っ張られ戻って来た。宮岡の顔は地獄に戻って来た罪人といった印象を与え、酷く青ざめていた。


(逃げることはできない)


誰もが悟った。そんな羽生達に対し田松は無慈悲に


「スタート地点につけ。」


と一言放つ。もう従うしかない、男子達の非常にみっともない泣き顔は冷気によって凍り、表情筋が固定されてしまっている。彼らの顔はマラソンを宣告された時の顔であった。


 スタート地点に着いた男子達、女子は内コースを走ることになっている。男子の走る外コースは一周300m。5周すれば終わるのだ。田松は倉庫から体育用大きなの電子時計を持ち出した。そこには、残り00:30でスタートと記されている。


「もうダメだ……。」

「ママぁぁ。」

「主よ、我に救いを……。」


男子達が弱音を吐いているところに、一筋の声が差し掛かった。


「お前ら、これを乗り切れば給食だ。カレーだぞ。」


そう放ったのは、いつもクラスで横暴な態度を取っている山本であった。彼らはこの一言に元気付けられた。もう怖くない。カレー。これが男子達にとって唯一無二の希望だった。


残り00:05


「みんな……死ぬんじゃねえぞ!!」


「おお!!!」


マラソンは開始された。



スタートダッシュ。先頭には、足の速い男子達。中央には、平均的な男子達。後方には足の遅い男子達。速さは違えど思いは同じ。誰一人気を抜いているものはいない。ハ 羽生は中央の少し後ろといった位置で走っていた。


一周目。

男子達の距離が空く。外から見たら、誰が遅いのか速いのかがはっきりわかる。羽生はペースが乱れ始めて来た。まだ300mとはいえど、充分疲れるに値するのである。


二周目。

羽生は急にペースが落ちた。体力の少ない羽生にとって持久戦はかなりの苦戦を強いられた。もう後ろには2人しかいない。羽生はビリだけは避けたかった。それは……ビリにだけ訪れる地獄の時間があるからだ。


三周目。

羽生の後ろにいるのは1人だけとなった。そして、その後ろから「ハァハァ」と荒い息遣いが聞こえる。最初、先頭にいた男子だった。周回差がそろそろ着いてしまう。羽生はペースを上げようとしたが、それは逆効果、体力を余計に消費し呆気なく抜かされた。


四周目。

羽生はいつの間にかビリになってしまった。距離が1000mしかない女子は、とっくに終わっており、男子達を観察している。どの女子もとても寒そうにしており、男子達が早く終わることを望んでいた。


五周目。

ラストスパート。羽生は前の男子と半周差をつけられ、ビリとなってしまった。そして、その男子がゴールをした。残るは羽生だけになった。走り終わって疲れている男子と凍えている女子の目線が羽生に突き刺さる。「頑張れ」という優しい応援も苦痛でしかなかった。羽生はそのままペースをまた、上げゴールをした。マラソンは終わったのだ。



 マラソンの授業が終わり、昼食の時間になった。クラスメイト達は教室に戻り、仲の良いグループで話していた。誰もがマラソンで疲れ切っていたが、カレーがあることを支えにし、元気のある姿を振る舞っていた。給食当番の羽生は、同じ当番の門田沙耶香(もんださやか)村城勝(むらじょうまさる)と共に給食の乗ってあるワゴンを広げ、給食を配る体型に準備させた。後から、同じ当番の白塚優花里(しらづかゆかり)中原亮一(なかはらりょういち)もやって来た。


「羽生君はカレーをよろしくね。」


門田が羽生にカレーのバケツを指差してそういった。


「任せてな。」


羽生は少し格好つけて返事を返した。門田はクラスの中では可愛い方で、童顔のポニーテールが特徴的である。羽生は門田が将来、合法ロリになると思っているのだ。


羽生は力持ちであることをクラスメイト達に証明しようとして、片手でカレーのバケツを持った。少し荒っぽい運び方をするが、これも格好つける為である。


(ふぅ。少し重いな……。このバケツ。まっ後はこの台に乗っけるだけ……。)


羽生は無駄に高く持ち上げ、バケツを台の上に乗っけようとした。その時だった。


バチャーーーーーン!!!


カレーが全部溢れてしまった。


「キャーーーーーーーー!!!」


「嘘だろ?俺たちのカレーが!」


「誰だよこれを零した奴!!」


羽生の頭は真っ白になった。何故、よりやってこのタイミングで、自分の運を呪った。そして、一人であたふたしていた。クラスメイトは全員、羽生に向けて非難の目を浴びせていた。

短かったけど続きはしっかり書くつもりです。気になった方は見てくれると嬉しいです。

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