エコーと胎児
「時をこえて」で、金魚鉢の中の金魚みたいにバコバコ暴れてんの、という表現の元になったエピソード。
第一子を妊娠中、病院でエコーを取って見せてくれました。胎児がじっとしていました。
私にはその画像だけで充分だったのですが、いつも胎児に見慣れているその医者には物足りなかったらしく、「寝てるな」と一言、つぶやくと、私のでかい腹をゆっさゆっさと横に揺らすのです。
それはまるで、金魚鉢の中で静かにしている金魚をつまらなく思い、揺らす子供のようでした。
当然、寝ていた胎児は驚いて動き出しました。
「ほうら、動いた」と満足げな先生。
大学病院だったから、主治医は決まっていても普通の検診だといろいろな若い先生に見てもらいます。先生も個性があって楽しいのですが。
この先生には、生まれる前日にもエコーを取ってもらっていました。
今は3Dなどで見られるらしいですが、昔のもかなり鮮明に見られました。
顔がすぐそばにあり、その目がきょろきょろしている様がよくわかりました。
私はすごいと感激していましたが、その先生は一言。
「あれ、この子、鼻が上を向いてる」
うちの子になんてことを、と思ったけど、確かにその角度からすると鼻の穴がよく見える。
「先生、角度です。角度」と言ったけど、その先生は「上向いてる、鼻が上向いてる」とばかり繰り返してましたね。
結構笑える天然な先生でした。これ、シリアスな人に言ったらきっと激怒するかもしれない。長男は無事に産まれ、鼻が上をむいているということはありませんでした。(一応)
第二子はカナダで出産。
カナダは医療が無料なので、あまりいろいろなことはしません。5か月くらいに一度だけウルトラサウンド(エコー)を取ります。希望すれば写真ももらえます。5ドルくらい払ったかも。
水をたくさん飲んで来いといわれて、ぐいぐい飲んでいきました。
順番待ちをしているときにはもう私の膀胱はパンパン。苦しいくらいになっていました。
上の子供を連れていったので、ウルトラサウンドをとる技師が受けを狙おうとばかりに、まず最初に映し出したものは私の膨れ上がった膀胱でした。
「ほうら、これがマミーの膀胱だよ。すごいね、こんなに大きくなってるね」と。
冗談じゃない、そんなものを見たいんじゃない、肝心な胎児をみせろ、早くしろよと怒鳴りたいのを抑えて苦笑い。
願いが通じたのか、ものすごく丁寧に見せてくれました。心臓はもちろん、脳、胃、手足の長さを測り、その週で順調に成長しているかも計算してくれます。指の本数まで数えてくれました。そして、別に異常なしということなら、もう生まれるまでウルトラサウンドはしません。普通一度きりです。
日本で頻繁に行われるエコーは、サービスなのでしょう。お金も払っていますし、妊婦の嬉しい励みにもなります。