急降下
色々読んでるうちに書いてしまいました。
・人類が地球を捨て、火星へと移住してはや1500年余。今や火星の人口は100億人を越える程になっている。1500年前、岩石のみだった地表には、今では大小様々なコロニーが形成され、色とりどりの光で溢れかえっている。今の季節は冬。コロニー外の様々なところで巨大なドライアイスが形成され、ビルの光で輝いている。そんな光景を、宇宙から気だるさを顔に貼り付けて眺めていた。
「あ~だるい。時給はいいけどだるい」
誰もいない宇宙でゴミ拾いしながらぼやいていると、唐突に通信が入った。
「ヒロシ作業員、終了時刻だ」
今日も1日がやっと終わった。毎日毎日ゴミを拾って、宇宙船へ帰って、飯食って寝る。
こんな生活をもう5年も続けていた。退屈。それがヒロシの日常だった。
そんないつものある日、いつものように終了時刻合図を聞き宇宙船へ戻ってくると、けたたましいブザー音が鳴り響いていた。
『船長ヒロシ様の収容を確認しました。これより光速航行モードへ移行します』
いきなりのシステムメッセージだった。
「はぁ?許可なんて出した覚えはないぞ・・・」
急いで待機命令を出そうとするも、操縦室のコンソール自体が反応しない。口答での強制停止命令も受け付けない。打つ手が無かった。
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強制的に光速航行へ移行してから、5日程経過していた。その間、あらゆる方法で、強制停止を試みたが、失敗に終わっていた。ほとんど諦めかけたその時、唐突にシステムメッセージが響いた。
『エネルギー残量が残り10%未満です。居住可能惑星への着陸をお勧めします。これよりマニュアル航行モードへ移行します』
唐突にそう宣言され頭を抱えたヒロシだった。この5日間、何をどうやっても反応しなかったコンソールをいきなり開放されたのだ。とはいっても、ボヤいてもいられない。急いで現在位置を調べ、火星の衛星軌道上へ帰らねばならない。ゴミ拾いは時給がいいのだ。現在位置から火星へ帰る軌道を計算し、愕然とした。帰るためのエネルギーがないのだ。だからこそシステムは、火星でなく居住可能惑星への着陸を推奨したのだ。今からではどうやっても帰れない・・・。再び放心状態へ陥いった所へ真っ青な星が目の前に広がった。
現在のエネルギー残量で着陸できる星は、目の前の青い星、地球しかなかった。
「はぁ・・・、だるい」
そうぼやきながら、着陸シークエンスへ移行するのだった。
文章拙くてすいません・・・・。